#1うっ血性心不全をきたす恐れがある
目標:症状に応じた運動量が守れ心不全をきたさない
OーP(観察)
① 弁膜症の程度:セラーズ分類、心不全の程度:NYHAの機能分類
② VS
a PRのリズム:不整脈の状態
b 脈拍欠損の有無:HRとPRの同時測定
c 血圧:脈圧と拡張期血圧
d 呼吸:体動時の呼吸数の増加の程度
③ チアノーゼの有無と程度:頬部、口唇、鼻翼の色、爪甲色、指先の色
④ 四肢冷感の有無とその程度
⑤ 頸静脈の怒張の程度、消失の角度、体位による変化
⑥ 心雑音の有無と状態
⑦ ECG所見:幅の広いP波、僧帽性P波、肺性P波
⑧ 肺音の状態:ラッセル音の有無、エア入り
⑨ 咳嗽(特に夜間の)喀痰の色、量
⑩ 体重の日差変動、推移
⑪ 浮腫の有無と部位、肝腫の有無、腹水の有無
⑫ 尿量
⑬ 食欲、食事摂取量
⑭ 自覚症状:易疲労感、眩暈、胸部圧迫感、胸痛、体動時の呼吸困難感、頸静脈の拍動の自覚、動悸
⑮ 精神状態:疾患に対する理解度、焦燥感の有無、夜間の睡眠状況
⑯ 検査データ:血液ガス、心胸比
TーP(実施)
① 安静への援助:医師の指示範囲の安静保持に努める。検査出診、排泄清潔、食事介助を行う
② 安楽な体位の工夫:ベッドアップの介助、安楽枕の使用
③ 胸痛のある場合は医師に報告する。指示によりECGチェック、酸素吸入を行う
EーP(教育)
① 安静の意義を説明する。許可された運動量の厳守の指導をする
② 自覚症状の変化時はナースコールをするように指導する
③ 飲水制限、食事療法中はその意義を説明し間食を禁止する
④ 体重測定の指導:毎日早朝空腹時
⑤ 塩分制限について説明する
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#2血栓を形成しやすく塞栓症を起こす恐れがある
目標:PT値を30%前後でコントロールできる。抗凝固療法の必要性と副作用が理解できる
OーP(観察)
① PT値の変動
② 抗凝固療法剤の種類と量
③ 出血傾向の有無:歯肉出血、皮下出血、血尿、女性の場合月経血量
④ 自覚症状:四肢の疼痛や痺れ感、耳鳴り、冷感
⑤ 動脈触知:拍動の有無、強さ
TーP(実施)
① 抗凝固剤を確実に与薬する
② 抗凝固療法中の患者の採血時は駆血時間を最小限にし、採血後の止血を十分に行う
EーP(教育)
① 抗凝固療法について、患者の理解に応じた説明を医師から行い、不明な点については納得いくまで説明する
② 出血傾向が強くなることがあることを充分に説明し次のことに注意する
a 歯ブラシは柔らかい豚毛を使用する
b 歯科受診は医師と相談して行う
c 皮下出血班の出現や拡大は看護師に報告する
d 鎮痛剤や解熱剤のアスピリン系の薬はPT値を下げるので退院後も医師の指示に従う。
e ビタミンKは血を固まりやすくするのでビタミンKが含まれている食品は食べない。
f 出血傾向が強く血尿や点状出血班が出現した時にはすぐに医師又は看護師に伝える
g 外傷に注意
③ 抗凝固療法剤は正確に服用する:PT値をみながら医師が調節するので、その都度薬袋に量をかいておく
#3利尿剤、強心剤などの薬物の副作用が出現する恐れがある
目標:副作用が出現することなく、正確に薬物療法が行える
OーP(観察)
① 現在服用している利尿剤や強心剤の量を把握する
② 電解質バランス失調状態に注意する
a 四肢の顔面の痺れ感:K上昇
b ECG上、テント状T波、QRSの幅の増大、P波の消失:K上昇
c 脱力感、腸の膨満、吐き気や嘔吐、ECG上のST-Tの低下、U波の出現:K上昇
d 脱力感、全身倦怠感、吐き気や嘔吐:Na低下
e 口渇、頭痛:Na上昇
③ ジギタリス中毒に注意する
a 血中ジギタリス濃度の値:ジゴキシン血中濃度上昇の際は医師に連絡する
b ジギタリス中毒後発因子の有無:心不全の悪化、心筋の虚血、高低カリウム血症
c 不整脈:PVC、PAT、VT、VF、房室ブロック、房室解離
d 症状:食欲不振、悪心、嘔吐時の消化器症状、易疲労感、うつ状態、視力障害
④ 尿量に注意する。脱水症状や浮腫の有無をみる
TーP(実施)
① 薬物の自己管理の是非の判断
② 尿比重の測定
③ 不整脈出現時はECGをとりモニタ監視を行う
④ 食事量の減少がみられる場合は摂取可能の食べやすいものを介助する
⑤ ジギタリス製剤に精神的拒絶反応がある患者に対しては医師と相談し予約寳保や薬剤の説明を行う
EーP(教育)
① 高カリウム血症のみられる場合は果物、生野菜等カリウムを多く含む食物の摂取制限の指導を行う
② 薬物の正確な内服の指導をする
③ 薬剤の効果と副作用を説明する
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#4リウマチ性心内膜炎、細菌性心内膜炎に罹患しやすい
目標:感染症の罹患を防止できる
OーP(観察)
① 熱発の有無
② 虫歯の有無、治療状況
③ 上気道炎の有無:咽頭痛、咳などの風邪の自覚症状
④ 関節痛、倦怠感の有無
⑤ 検査データのチェック:WBC、CRP、ESR
EーP(教育)
① 感染しやすい状況を告げ含嗽の励行を勧める
② 風邪症状を自覚した場合すぐに看護師に報告する
③ 身体の清潔を心がけるように説明する
#5退院に際に自己生活管理に不安を抱く
目標:病識を持ち不安を抱かずに退院できる
OーP(観察)
① 疾患についての理解度
② 退院後の生活状況:家族、仕事、食事の準備者
③ 退院に対する精神状態
TーP(実施)
① 医師や家族の連絡係となり患者の不安感の軽減を図る
EーP(教育)
① 日常生活指導
a 医師により許可の合った運動量を守る:具体的な行動の是非
b 体重を毎日測定する。急激な増加や減少があった場合は注意する:浮腫に注意
c 外出より帰宅後の手洗い含嗽の励行を習慣づける
d 異常があった場合はすぐに受診する
e 禁煙
f 長風呂や熱いふろには入らない
g 規則正しい生活をする
h 過度の興奮や緊張を避ける
i 尿量の減少に注意する
j 充分な休憩をとる
k 季節的な体調の変化につついて
② 食生活指導
a 減塩職:栄養士より指導を受ける
b 肥満を避ける
c 過食を避け規則正しい食生活を送る
③ 薬物のついて
a 抗凝固療法について再度説明する
b 強心剤利尿剤その他の薬剤について効能と副作用を再度説明する
④ 疾患についての説明を家族も交えて医師より説明を受ける
a 不明な点があれば看護師に申し出るように説明する
⑤ 定期的な外来受診の必要性を指導する
a 継続してチェックする検査項目とその目標データについて説明する(PT,K,Na等)
参考資料:標準看護計画
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