心不全患者の看護計画

1 心不全患者の看護計画

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#1機械的要因により心拍出量が低下する

看護目標:心機能への負担が軽減し酸素需要量を増加させない

OーP(観察)

①心拍出量の減少を示唆する徴候、症状を観察する:呼吸困難、疲労感、皮膚蒼白、チアノーゼ、皮膚湿潤、抹消循環不全

②指示により血行動態をチェックする

a 血圧(左右差)

b 肺動脈圧(PA)、心拍出量

③ECGモニタを装着し観察する

a HR

b 不整脈の有無

④尿量の観察

TーP(実施)

①エネルギーを温存し酸素需要を減らすため床上安静を保つ

②安楽な体位の工夫をする

a 30~60度のベッド挙上

b オーバーテーブルにうつぶせになる

③決められた補液量を守る

④指示された薬剤の与薬

⑤ショックに備えて救急蘇生の準備をしておく

EーP(教育)

①酸素需要を増加させないよう指示された活動制限を説明する

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#2肺うっ血によりガス交換の障害が起きる

看護目標:肺うっ血が改善され呼吸状態が安定する

OーP(観察)

①ガス交換障害症状の観察をする:不穏、昏迷、傾眠、低酸素症

②呼吸

a RR,異常呼吸の有無

b 呼吸音、喘鳴の有無

c 咳嗽、喀痰の有無

③動脈血ガス分析後チェックをする

TーP(実施)

①体位の工夫をする

a 頭部を挙上する

②指示された酸素療法を行う

③必要ならば挿管、補助呼吸の準備を行う

EーP(教育)

①恐怖や不安からくるか呼吸を防ぐため状態や方針を患者に簡潔に説明する

 

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#3体液量が過剰になり右心不全が増強する

看護目標:循環体液量が軽減され、右不全が改善する

OーP(観察)

①右心不全症状の観察をする:浮腫、肝腫大、頸動脈の怒張

②心音、呼吸音を傾聴しうっ血の増大や改善を見る

③中心静脈圧の測定

④尿量、水分出納のチェック

⑤血清電解質(特にNa,K)のチェック

⑥水分の喪失、貯留を見る為毎日体重測定をする

TーP(実施)

①循環体液量を減らすため、指示された利尿剤を与薬する

②薬剤与薬の為の静脈ラインを維持する

EーP(教育)

①Na、水分制限を指導する

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#4皮膚、粘膜にうっ血、浮腫が生じ循環障害に伴う褥瘡が生じやすく、また傷つきやすく感染を起こしやすい

看護目標:皮膚粘膜の清潔が保たれ、褥瘡や感染などを起こさない

OーP(観察)

①皮膚粘膜の障害の確認をする:色調、肌触り、落屑、ヒビ、潰瘍の兆候

TーP(実施)

①皮膚粘膜の保護に努める

a 皮膚障害を防ぐためエアーマット等を使用する

b 頻繁な体位変換やクッションの利用により同一部位の圧迫や摩擦を防ぐ

c 寝衣シーツの皺は良く伸ばす

d スキンケアを毎日行う

e 発汗がある場合には皮膚の乾燥を保つ

f 陰部のケア

g 褥瘡は容易に生じるので、所見があればすぐに褥瘡対策をとる

EーP(教育)

①下着や靴下寝衣は締め付けるものを避け刺激の少ない素材のものを使用するように説明する

#5各種ルートが留置されている為感染を起こしやすい

看護目標:ルート挿入部が清潔で感染を起こさない

OーP(観察)

①各カテーテル挿入部位の観察

②バルンカテーテル挿入中は尿の混濁、浮遊物の有無の観察

③熱型、検査データ(WBC,CRP)のチェック

TーP(実施)

①各カテーテル挿入部位を毎日消毒し不潔にならないようにする

②定期的にルート交換を行う

③各種ルートの整理を行い接合部が外れたり不潔にならないようにする

EーP(教育)

①現在の状態を説明し協力を得る

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#6機械、器具に囲まれた特殊な環境下にあることでストレスが蓄積され、不眠状態となり精神的に不安定になる

看護目標:現在置かれている状態が理解でき安心した入院生活が過ごせ、精神的に安定する

OーP(観察)

①夜間の睡眠状態の観察

②表情や言動の観察

③不安感や不眠などの訴えは無いか

TーP(実施)

①夜間はなるべく入眠できるように処置やケアを計画する

②夜間のモニタの音量は最小限度にして環境を整える

③処置やケアを行う際には必ず説明してから施行する

④不眠状態やイライラ感の出現時には医師と相談して睡眠剤を考慮する

EーP(教育)

①種々のカテーテルやモニタ類で拘束感を受けやすいので、どれくらい動いても良いかを説明する

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#7日常生活が拡大されるのに伴い症状の出現、および自己判断により安静度の拡大をする可能性がある

看護目標:合併症を併発せず順調にリハビリテーションが行え、指示された安静範囲を守ることが出来る

OーP(観察)

①現在の安静度を把握する

②安静度拡大時はVS,ECGや自覚症状の観察を行う

③食事中や排便中にはECGモニタや血圧の上昇に注意し観察する

④指示された安静が守られているかどうかを確認する

TーP(実施)

①努責は心臓への負担となる為、毎日の排便状態をチェックし緩下剤与薬にて便通調節を行う

EーP(教育)

①指示された安静範囲と必要性を説明し自己判断で拡大しないように指導する

②排便時には努責しないように指導する

#8水分制限、塩分制限があり食事に対する不満がある

看護目標:食事療法が理解できて守れる

OーP(観察)

①水分バランスのチェック

a 食事量、飲水量

b 各勤務帯における水分出納の把握

②食事状態の観察

a 補食間食の有無:特に塩分を多く含む食品、ジュースなど

③口渇の有無

TーP(実施)

①配膳、下膳を行い摂取量の測定をする

②配茶もは依然と同時に行い水分量をかく

EーP(教育)

①食事療法の必要性を説明する

②家人に対しても説明し補食等を持ち込まないように指導する

#9心不全を再発する恐れがある

看護目標:心不全の再発を起こさない

OーP(観察)

①呼吸

a 呼吸音、喘鳴の有無

b 夜間の呼吸状態や労作後の呼吸音

②尿量

a 畜尿量

b 尿量が安定するまで8時間ごとに尿量をチェックする

c 1日尿量、水分摂取量、浮腫の有無の観察をする

③VS

④体重変動

⑤水分バランスのチェック

TーP(実施)

①呼吸音のラ音の出現時または増強時、尿量が著しく減少した時には医師に報告する

②不整脈が出現した時には心電図をとる

③室温に注意し保温に心がける

EーP(教育)

①異常出現時には必ずナースコールをするように説明する

 

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#10安静の必要性が理解できないため、早期に安静度を拡大して治癒を長期化させる

看護目標:病識を持ち安静の必要性が理解できる

OーP(観察)

①疾患についての理解度をチェックする

②現在の安静度の把握

TーP(実施)

①症状の程度に合わせて主治医より安静度の説明がある

②食事後1時間は臥床安静を図る

③清潔介助

④安静度拡大時は各ステップごとに負荷テストを実施する

⑤安静を阻害する因子を見出す

EーP(教育)

①心臓病のしおりのパンフレットを用いて心不全について指導する

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#11塩分制限食の為、食欲が低下したり食事療法が守れない場合がある

看護目標:食事療法の必要性が理解でき減塩食が守れる

OーP(観察)

①食事摂取量のチェック

②嗜好品のチェック

③検査データの把握:K値

④補食物の有無の観察:梅干し、ふりかけ、漬物、その他食品のチェック

TーP(実施)

①食欲低下時は食べやすいように工夫する

EーP(教育)

①献立を記録するなど、食事内容に興味を持たせ外泊時や退院後の参考にする

②外泊時の食事調査を行い塩分の自己チェックを指導する

③減塩職でも美味しく食べられる調理方法を説明する

④肥満がある場合は標準体重を知らせ、目標体重までの減量を指導する

⑤栄養士による食事指導の実施

#12内服薬の自己管理が難しい

看護目標:薬物療法の必要性が理解でき内服薬の自己管理ができる

OーP(観察)

①正確に内服できているかを確認する

②ジギタリス剤与薬時には副作用の出現に注意する:食欲不振、吐気、徐脈

③検査データの把握:血清カリウム地、ジギタリス濃度

④治療薬についての効果と副作用を把握して観察を行う

TーP(実施)

①症状が安定すれば内服薬を自己管理とし、当初はその都度服薬確認を行う

②ジギタリス剤利尿剤抗不整脈剤は、病状が安定するまでは看護師管理とする

③検査等で服用中止の時は検査後与薬が中止であるかを確認する:飲み忘れ飲みすぎに注意

EーP(教育)

①薬物療法の重要性について指導する

参考資料:標準看護計画

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