疥癬(かいせん)の対処法
疥癬の伝播様式
疥癬とは、ヒゼンダニというダニが皮膚に卵を産み付け寄生している状態。
① 直接接触
② 寝具や衣類を介する
③ 皮膚の落屑から飛散することもある。家庭内感染、院内感染が起きやすい。
疥癬の潜伏期間
3~4週間
感染可能期間
卵、成虫は皮膚表面をうろつくが皮下に侵入しない。
幼虫期間(10~14日)が感染期。
予防策
標準予防策に加えて接触感染予防策。
隔離の有無
隔離不要。
有効な消毒薬
クロタミトン外用薬、スミスリンパウダー。
検査
肉眼的にも見つけることはできるが、疲診で疑えば検鏡で虫卵、成虫を確認する。
診断治療の流れ
検鏡で虫卵、成虫が見つかれば確定診断。
ただし虫卵、成虫はみつかりにくいので、疲診から疥癬を強く疑う時は、確定診断に準じて対策をとる。
早期発見、早期診断が重要。
皮膚科受診の上、症状に応じてクロタミトンの外用やイベルメクチンの内服など治療を行う。
入浴を毎日行う。
入浴が困難な際は、清拭を行いその後にクロタミトンを首から下前進に塗布する。
法律上の取り扱い
法律上の届けは不要だが、集団発生が見られれば保健所への連絡が望ましい。
感染症患者が発生したら
・ 衣類やシーツタオルは、入浴時毎日交換。
私物の物は50度以上の熱水で10分以上浸漬後、選択するように家族に指導する。
・ 患者の入浴は最後とし、患者が入浴後は直ちに浴室洗浄剤を使用する。
・ 隔離室の床は箒を使用せず、埃を立てないように真空掃除機を使用し、その後モップで拭く。廃棄物は感染性廃棄物に準じて廃棄する。
・ 角化型疥癬患者に使用した病室は、使用後2週間おいてから他の患者に使用するのが望ましい。
・ 角化型疥癬患者と接触した職員患者家族などはクロタミトン外用1週間の予防的治療を行う。
一般疥癬患者との接触者との予防的治療は皮膚科医と相談する。
ノロウイルスの院内感染を防ぐオムツ交換法
ノロウイルスの集団感染事例で、おむつ交換の時に感染が拡大した例があります。
その為、接触予防策を実施します。
おむつ交換時の必要物品
① 防護用具:手袋、プラスチックエプロンまたはガウン、マスク。
② お尻ふき:ディスポーザブルがのぞましい。
③ 清潔なオムツ。
④ ビニール袋。
⑤ 擦式消毒用アルコール剤。
⑦ 必要に応じて陰部洗浄の準備。
ノロウイルスの院内感染を防ぐための、おむつ交換注意点
① 防護用具(手袋、ガウンまたはプラスチックエプロン、マスク)
を着用すること。
② オムツ交換後の手洗いを行う事。
③ 清潔なオムツと汚染したオムツが交差しないようにすること。
④ 療養環境を汚染しないように排泄物と思うの処理をすること。
ノロウイルスを防ぐための具体的なオムツ交換方法
① 手洗いを行い防護用具を着用する。
② 患者の体位を整え、寝衣をとり、おしりふきで排泄物を拭きとる。
(必要に応じて陰部洗浄を行う)
③ 汚染オムツは周囲を汚染しないように外し、
おしりふきと共にビニール袋に入れる。
汚染オムツは直接ベッドや床に置かないようにする。
④ 汚染した手袋を外し、ビニール袋に入れる。
手袋を外した後は手荒いか、
擦式消毒用アルコール製剤で手指消毒を行う。
汚染した手袋で、清潔なオムツや周囲環境に触れないようにする。
⑤ 清潔なオムツに交換し、患者の真意や体位を整える。
この時清潔な手袋を着用しても良い。
⑥ 病室内で、防護用具を外す。
汚染オムツと使用後の防護用具を所定の廃棄容器に廃棄する。
⑦ 流水と接見で手洗いを行う。
参考資料:感染対策完全図解マニュアル。