#1重症不整脈の出現により血行動態に重大な影響を与え、また直接死につながる可能性がある
目標:不整脈が早期に発見され、重篤な不整脈への進展を予防できる
OーP(観察)
1 病歴聴収
a 自覚症状:動悸、胸部圧迫感、胸痛、呼吸困難、眩暈、失神
b 症状出現時は発作性か否か
c 持続時間
d 頻度
e 誘因:緊張、労作、運動、たばこ、茶、コーヒー
f 既往歴:心疾患、高血圧の有無
g 家族歴:突然死の有無、心疾患等
h 服用薬剤:ジギタリス、劉さんキニジン、抗不整脈剤、高圧利尿剤、向精神薬
i 薬剤アレルギーの有無
2 ECG12誘導、ECGモニタ
3 臨床症状:不整脈による血行動態への影響、ショック症状、心不全症状の状態に注意する
4 尿量
5 一般検査、CBC、ESR、電解質、肝機能検査、腎機能、ABGなど
6 基礎疾患の検索
#2 PVC:PVCが出現し致死性不整脈を誘発する可能性がある
目標:不整脈が早期に発見され、重症不整脈への移行が予防できる
OーP(観察)
1 誘因
2 モニタリングのポイント(医師への報告が必要な物)
a 2種類以上の波形や連結期を示す多源性の物
b 連結期の短いRONT型のもの
c 連発型
d 多発性(1分間に4~5個)
e 軽度の労作で誘発されるもの
f 急性心筋梗塞、狭心症など虚血性心疾患の患者で認められるもの
g VT Vf後のPVC
TーP(実施)
1 誘因の除去
2 抗不整脈剤の与薬
a 硫酸キニジン:キニジンアレルギー、胃腸症状、発疹
b プロカインアミド:発疹、胃腸症状、
c ジソピラミド:排尿障害、口渇、視力障碍
d アジマリン:胃腸症状、肝障害、顆粒球減少
e リドカイン:振戦、中枢神経症状
f メキシレチン:振戦、消化器症状
g β遮断剤:不眠、抑うつ、ぜんそく誘発
h その他:徐脈、房室伝導障害
EーP(教育)
1 内服薬の効果、副作用について適切に説明する
2 副作用出現時には内服薬に不信感を抱かないように説明する
#3 PAC:PACが多発し心房細動(AF)へ移行する可能性がある
目標:PACが消失し心房細動への移行が未然に防止できる
OーP(観察)
1 誘因
2 モニタリング:MS、AMI、甲状腺機能亢進症などではAfの引き金となるので要注意
a HR、PACの頻度、脈拍欠損の程度
b 血圧、CVP
c 血行動態
TーP(実施)
1 誘因の除去
2 抗不整脈剤の与薬
a ジギタリス
b プロカインアミド
c ジソピラミド
d 甲状腺機能亢進症の患者ではプロプラのロール
#4 Af:AF心房粗動、心房細動による頻脈により血行動態が悪化する
目標:心房粗、細動が消失する、あるいはHRが適正に管理され心不全をきたさない
OーP(観察)
1 自覚症状:動悸、息切れ、呼吸困難
2 モニタリング
a HR、PR、脈拍欠損の程度
b 血行動態:心不全のサインに注意、血圧、CVP、PAP、PCWP、Cl
3 臨床症状:抹消循環、頸静脈怒張、浮腫など
4 呼吸:呼吸音、湿性ラ音、RRなど
5 胸部レントゲン
6 ECG12誘導
7 ジギタリス与薬中の患者の場合:ジギタリス血中濃度、電解質
8 検査:肝機能検査、ABGなど
TーP(実施)
1 DC:HRが140以上の場合、薬剤でコントロールできない場合、休息に心不全が進行する場合
2 ジギタリス
3 ベラパミル
#5 PSVT:頻脈により血行動態が悪化する
目標:PSVTが消失する
OーP(観察)
1 病歴聴収:過去の発作歴、頻度、持続時間誘因、停止時の誘因となった内服薬
2 臨床症状:動悸、不安、前胸部不快感、胸痛、冷感、吐気、嘔吐
3 モニタリング
a HR、PR
b 血行動態:血圧、CVP,末梢循環
4 尿量
TーP(実施)
1 バルサルバ、頸動脈マッサージ、眼球破裂、網膜剥離に注意
2 昇圧剤(急激な圧上昇に対して反射により副交感神経緊張を高めて徐脈とする)
a 塩酸フェニレフリン
b 塩酸メトキサミン
3 薬物療法の介助
a ベラパミル:5~10㎎静脈注射
b プロカインアミド:100㎎を5分かけて静脈注射
c ジソピラミド:2㎎/kg静脈注射
d WPWsyndrom:プロプラノロール1~3㎎静脈注射、無効自分後に再度
#6 VT:致死性不整脈である
目標:早期に発見され救命できる
OーP(観察)
1 速やかにショック症状の観察
2 ECGモニタ
3 ABG、電解質(HRが極めて速い場合、重症心疾患が合併している場合、緊急性は極めて高い)
TーP(実施)
1 thump version
2 薬物治療の介助:塩酸リドカイン、塩酸プロカインアミド、ジソピラミド、アジマリンなど
3 DC:意識がある場合sedation(チアミラールナトリウム、ジアセパム)
4 電気的治療の介助
5 電解質補正、アシドーシス是正の為の薬物療法管理
6 不整脈予防の為の薬物療法の管理
#7 Vf:致死性不整脈である
目標:早期に発見され救命できる
OーP(観察)
1 ECGモニタ
2 血圧、末梢循環、
3 ABG、電解質
TーP(実施)
1 thump version
2 DC100J/病~
3 電解質補正、アシドーシス是正
4 不整脈予防の為の薬物療法管理
5 異常の治療とCPRは同時進行する
参考資料:標準看護計画
#8 AVブロック、SAブロック、 SSS二より極端な徐脈を呈しアダムストークス発作をきたす
目標:不整脈が早期に発見され有効な心蘇生が行われる
OーP(観察)
1臨床症状
a脳循環不全症状:眩暈、失神、痙攣、アダムストークス発作、意識消失
b冠循環不全症状:胸部不快感、胸痛
c心不全症状:呼吸困難、易疲労感
2基礎疾患の把握:
3モニタリングのポイント
a AVブロック
b SSS
4 VS
5血行動態:心不全症状、ショック症状に注意
6ジギタリス内服中の場合:ジギタリス血中濃度と電解質
TーP(実施)
1薬物療法の管理
a アトロピン
b イソプロテレノール
2ペースメーカー挿入介助
3アダムストークス発作の場合CPR同時進行
#9ジギタリス中毒により不整脈が出現する
目標:ジギタリス中毒が早期に発見され重症不整脈が出現しない
OーP(観察)
1心外性症状
a消化器症状:食欲不振、吐き気、嘔吐
b神経症状:頭痛、倦怠感、不眠、抑うつ、眩暈、神経痛、知覚異常
c視覚症状:色覚異常、黄視症、緑視症、弱視、暗点、小視症、大視症
2心性症状
a心不全憎悪
b不整脈:PVC、AVブロック、房室解離、VT,
3ジギタリス血中濃度:ジゴキシン、ジギトキシン
4誘因のチェック:大量与薬時、重症心不全、老齢、電解質異常、酸塩基平衡異常、腎障害、甲状腺機能低下
TーP(実施)
1ジギタリス中止
2カリウム補正
3不整脈治療の介助
a リドカイン
b アレビアチン
c プロカインアミド
d ペースメーカー挿入
#10常時モニタ装着し監視されることにストレスを感じる恐れがある
目標:モニタ装着による支障を最小限にとどめられストレスを抱かない
OーP(観察)
1電極装着部位の選択
a 心臓の電気軸の方向(Ⅱ誘導に似た方向)を用いる
b ECG12誘導の妨げにならない部位とする
2電極装着:アルコールガーゼで拭き、肋骨上に装着する
3波形記録:1勤務帯に1回は記録する
4不整脈出現時は即記録し、VSチェックする:12誘導心電図チェック
TーP(実施)
1電極装着部位の変更
EーP(教育)
1装着の必要性説明
2行動範囲の説明:病状に伴い安静度が決められモニタにより規制されることは無い
3送信機の取り扱い方説明
a体動時は寝衣の内ポケットに入れる
bリード線を持ち振り回さない
c身体の下敷きにしない
d送信機を水につけない
4電極の部位を変えたり外さない
5夜間帯であっても波形に変化があれば電極を確認することがあることをあらかじめ説明しておく
#11不整脈による自覚症状があり精神的に不安定となる
目標:精神的に安定した状態で療養できる
OーP(観察)
1精神状態:表情、言動、睡眠状態
2医療スタッフに対する信頼度
3患者の性格
TーP(実施)
1自覚症状の対症看護を行う
EーP(教育)
1検査や処置に対しては十分に説明する
2緊急時に処置を行った後では、肉体的に落ち着いた状態時にどういう処置を施行したかを説明し不信感を抱かないようにする
3医師による治療方針のムンテラ内容の統一を図る
#12安静の必要性があり拘束感を抱く
目標:安静の必要性を理解できストレスを抱かずに療養できる
OーP(観察)
1安静が守れているか
2安静時の過ごし方
TーP(実施)
1日常生活援助
2清潔介助
3訪床回数を多くしコミュニケーションを良好に保つ
EーP(教育)
1安静の必要性について分かりやすく説明する
#13抗不整脈剤の与薬、服用により副作用が出現する恐れがある
目標:副作用が出現せず、また出現があるも早期に発見される
OーP(観察)
1抗不整脈剤の副作用を把握し観察する
a キニジン:キニジンアレルギー、胃腸症状、血小板減少、発疹
b プロカインアミド:LE様症状、発疹、胃腸症状、顆粒球減少
c ジソピラミド:排尿障害、口渇、視力障害
d アジマリン:胃腸症状、肝障害、顆粒球減少
e リドカシン:振戦、中枢神経症状
f メキシレチン:振戦、消化器症状
g β―遮断剤:不眠、抑うつ、喘息誘発
h その他:徐脈、房室伝道障害
TーP(実施)
1副作用発現時には医師に報告する
2正確な薬物与薬を行う
3食欲不振時は食事の工夫を行う
EーP(教育)
1内服薬の効果、副作用について適切に説明する
2副作用出現時には内服薬に不信感を抱かないように対処説明する
3自己判断で内服中断をしないように説明する
#14退院後の日常生活に不安を抱く
目標:病識を持ち不安なく退院できる
OーP(観察)
1退院後の生活状況:職業
2疾患についての理解度
3退院に対する不安要因
TーP(実施)
1自己検脈指導を行う
2日常生活指導
a規則的な生活
b過労、心理的ストレスを避ける
c節酒、禁煙指導
dコーヒー、濃茶などの禁止、減量
3疾患について分かりやすく説明する:医師から情報を得る
参考資料:標準看護計画
料理チャンネル→https://www.youtube.com/channel/UCmnwzyXL0ZcT–wDGFuMW5A
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