脳動脈瘤患者の看護計画

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#1血圧上昇による再破裂の恐れがある

目標:血圧が安定し最高血圧が150mmHgを超えない。200mmHg以上の時は急激な血圧コントロールは避ける

OーP(観察)

1VS:6検、状態に応じて適宜

 a意識レベル

 b呼吸状態

 c徐脈

 d血圧

 e神経学的徴候

 

TーP(実施)

1自動血圧計の設定

2意識状態、呼吸状態の悪い場合はモニタ装着

3異常が見られたらすぐに医師に報告する

4救急カートの整備

5酸素マスク、吸引の準備

6点滴の管理

7不穏時、医師の指示にて鎮静剤の与薬:無理な抑制は返って血圧をあげ再出血の危険が高い

8安静度は医師の指示による:原則として絶対安静

a精神安定を図るため、個室に収容する。暗幕を引き部屋を暗くし静かな環境を整える。面会制限(家族のみ可)を行い外的刺激を避ける

b精神の動揺を避ける為、刺激を与えるような質問や説明を避け不安の除去に役立つように話を進める。家庭や職場の問題を持ち込まない

cベッドはセミファーラー、又は水平にする。食事は寝たままで介助する

dナースコールの使用は患者からのコールのみとし、ナースからの送話は禁止

9排便時の努責を避ける為、医師の指示により緩下剤を与薬し排便を確認する:浣腸禁

10尿失禁のある患者は、状態の改善がみられるまで留置カテーテルを留置する。意識清明な場合は床上排泄

11処置時には、十分な説明を行い了解を得る

EーP(教育)

1暗室、安静の必要性を説明する。家族にもその重要性を説明し協力を得る:患者の精神的安静の為家族が付き添うこともある

 

 

#2破裂後3~14日目、脳血管攣縮により意識状態が悪化する恐れがある

目標:脳血管攣縮による意識低下がない

OーP(観察)

1意識レベル

2VS

3神経学的徴候:麻痺、失語症など

4頭痛の有無

TーP(実施)

1血圧コントロール:最高血圧が普通の血圧より20~100mmhg高くする

2点滴の管理

3酸素投与

EーP(教育)

1家族にあらかじめ血管攣縮の可能性のあることを説明し急に意識レベルの低下があっても慌てたりしないように説明する

 

#3術後数時間~24時間以内、術後出血の恐れがある

目標:意識レベルが低下しない

OーP(観察)

1麻酔の覚醒状態及び意識レベル:グラスゴー・コーマ・スケールを用いる

2VS

 a 血圧:術前術中と比較

 b PR:数、緊張度、リズム

 c R:数、深さ、パターン、呼吸困難の有無

 d T:発熱の有無

3神経学的徴候の出現並びに進行

 a瞳孔不同の有無、対光反射、大きさ、眼球運動

 b障害の有無

 c四肢麻痺の有無

 d痙攣の有無

4皮下ドレーンからの排液の性状、流出状態

 a術後1日目でドレーン抜去。抜去後の髄液漏れなど、ガーゼ汚染の有無

TーP(実施)

1脳外科用重症記録用紙を使用し、麻酔覚醒まで15~30分毎、覚醒後24時間まで30分~1時間毎に観察

 a ICUのVSチェック:術後1日目2時間ごと。3日目まで4時間ごと。以後4検。術後1週間以後2検

2症状出現すれば、CT施行の為CT室へ搬送する

3頭蓋内出血を見れば、再開頭師血腫除去術施行の為術前準備を行う

 

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#4術後2~4日、脳浮腫により頭蓋内圧亢進症状が起こりやすい

目標:意識レベルが低下しない

OーP(観察)

1意識レベル及び一般状態、神経学的徴候

 a意識障害があれば、意識障害は次第に深くなり、脳陥頓時にみられる血圧上昇、脈拍増加、呼吸不全の現象

 b意識があれば、頭痛、嘔吐次第に障害される意識障害の発生及び血圧上昇、徐脈となる

TーP(実施)

1頭部を挙上(15~30度)ただし、血圧下降の場合は水平にする

2気道の確保が行われない場合、気管切開が必要となるため介助を行う

3けいれん発作の予防的に指示された抗痙攣剤を与薬する

4脱水療法が行われる場合は、尿量増加や血圧下降が起こり長期にわたると、電解質異常も起こるので、血圧、PR、時間尿に注意する

5ステロイドホルモン大量与薬

a消化器出血、感染に対する抵抗力の低下が起こるので注意する

6外減圧術として骨片除去が行われ場合がある。その際、骨片除去の部位を明確にし体位変換時、下にならないようにするとともに圧迫しないように注意する

EーP(教育)

1家族に骨片除去された状態であることを説明し、骨片除去部の外的圧迫の無いよう指導する

 

 

#5ステロイドホルモン大量与薬により、または精神的ストレスにより消化管出血を起こす恐れがある

目標:胃チューブから出血がなくタール便が出ない

OーP(観察)

1血圧下降の有無

2吐血、タール便の有無:吐物、便の潜血反応

3心窩部痛の有無

4貧血症状の有無と悪化傾向の有無

5胃チューブからの流出状態:色、性状

TーP(実施)

1症状を見た場合、絶食とし胃壁保護剤の与薬を行い胃酸中和のため牛乳から摂取を始める

2胃チューブを挿入し胃内容物の吸引を行う

3場合により、冷生食による胃洗浄、心窩部冷却による止血を図る

4消化性潰瘍剤の静脈注射

EーP(教育)

1消化管出血を起こしたことによるストレスを避ける為説明を行う

 

脳動脈瘤がみつかったら (健康ライブラリーイラスト版)
by カエレバ

#6術後4日~2週前後や早期手術の場合に、脳血管攣縮により意識レベルの低下を起こす恐れがある

目標:意識レベルの低下、麻痺の増強を起こさない

OーP(観察)

1意識レベル

2VS

3神経学的徴候:麻痺、失語症など

4頭痛の有無

TーP(実施)

1点滴管理

2血管攣縮予防として、指示により血管攣縮予防薬を与薬する

3血管攣縮治療が行われる場合は指示された薬剤を正確に与薬する

EーP(教育)

1あらかじめ血管攣縮が起こる可能性があることを家族に説明して置き、意識レベルが低下しても慌てないように説明する

 

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#7 3週前後、赤血球の崩壊物による髄液の通過、吸収障害により、水頭症を起こす恐れがある

目標:正常圧水頭症の症状を呈さない

OーP(観察)

1意識レベルの低下、痴呆

2失調歩行

3尿失禁

4CTにて脳室拡大の有無

TーP(実施)

1必要時シャント術が施行される

 

#8不穏状態にて安静が守れず危険である

目標:危険なく安静を保てる

OーP(観察)

1不穏状態の観察

 a 意識レベル

 b VS

 c 点滴、ドレーン、留置カテーテル挿入中であればその抜去の有無

2抑制中の観察

 a適切な抑制法か:良肢位

 b抑制帯使用部位の循環障害の有無、皮膚の状態

 c点滴、ドレーン、留置カテーテルのチェック

3セデーション施行時の観察

 aセデーション施行前後のVSチェック:特に呼吸状態

 bセデーション効果の有無

TーP(実施)

1不穏時医師報告を受け指示を受ける

2必要時抑制を行う

 a起き上がろうとする時、胸帯使用

 b各ルートドレーンが挿入されている時、その肢位の抑制

 cベッド柵の固定

 d手袋をはめて指の動きを抑制

3医師指示にてセデーション施行

4危険物の除去:ハサミ、ナイフ、各ルート、ドレーンなどは手の届かないところに置く

5必要に応じて病室の変更:ICU症候群

6爪は短く切りそろえる

EーP(教育)

1患者に抑制の必要性、セデーションの必要性を説明する

2患者への説明

 a安静の必要性を説明し協力を得る

 bベッドサイドを離れる時は看護師に声をかけるように説明する

 

 

参考資料:標準看護計画