大動脈炎症候群の患者の看護計画
#1心不全、脳梗塞、動脈瘤、冠状動脈疾患等の生命に危険を及ぼす合併症を招く恐れがある
目標:合併症を招かず異常を早期に発見できる
OーP(観察)
1病変の所在の確認
2動脈瘤の有無
3頭骨動脈の触知の有無、強弱、左右差
4総頚動脈の触知の有無、強弱、左右差
5上半身のみの高血圧の有無
6腎血管性の全身の高血圧
7脳症状:頭痛、眩暈、失神発作、痙攣
8視力障害、眼症状
9大動脈弁閉鎖不全の有無と程度
10発熱、倦怠感、易疲労性の有無
11循環障害による脱力感、冷感、知覚異常
12血管痛の有無
13狭窄症状
14検査所見:CRP、ESR、WBC、ASO、RA、r―グロブリンの増加
15心電図所見:左室肥大
16胸部レントゲン所見:CTR、大動脈弓
17自覚症状:動悸、息切れ、胸痛、腹痛、目痛、頭痛
TーP(実施)
1血圧測定は両腕で行う
2動脈炎の活動が著しい場合は安静に努める
3異常出現時に医師に報告する
4頸をそらす運動は避ける
5直射日光は避ける
6頸部の圧迫を避ける
7身体の保清に努める
EーP(教育)
1異常症状の出現時には至急ナースコールすることを説明する
2安静の意義を説明指導する
3直射日光を避ける理由を説明する
4血圧上昇因子を避ける:ストレス、努責、過労、急激な温度変化
5医師より疾患についての説明を受ける。医療チーム間でもムンテラの統一を図る
#2橈骨動脈拍動の減弱又は消失をきたし、疾患に対する不安が強い
目標:病識を持つことで不安が軽減する
OーP(観察)
1疾患についての理解度
2入院にたいする不安感
3精神状態、睡眠状態
TーP(実施)
1動脈拍動の状態を把握した上でVSチェックを行い、患者に不安感を与えない
2患者と良好なコミュニケーションを図り訴えやすい雰囲気をつくる
3家族や職場など社会生活の状況を把握する
EーP(教育)
1医師より疾患や症状に対する説明をされる
#3ステロイド剤与薬による副作用が出現する恐れがある
目標:副作用が出現することなく治療が行える
OーP(観察)
1ステロイド剤使用前後の自覚症状や検査データの変化
2ステロイド剤漸減、離脱に至る際の全身状態の観察
3ステロイド剤の種々の副作用の出現に注意する
TーP(実施)
1ステロイド剤の正確な与薬
2感染防止:皮膚粘膜の保護と含嗽の励行
3定期的な便潜血のチェック
4尿糖のチェック
EーP(教育)
1ステロイド剤の副作用を説明し症状があればコールするように説明する
2医師よりステロイド療法の意義を説明される
3ステロイド剤の正確な服用指導
#4手術療法の可否未定による不安が大きい
目標:早期に治療方針が決定し不安なく治療が受け入れられる
OーP(観察)
1手術療法の適応:腎動脈狭窄及び下行大動脈の狭窄、高度の脳虚血、動脈瘤破裂の危険、重症大動脈閉鎖不全、冠動脈病変に対するバイパス手術
TーP(実施)
1不安を抱くようなあいまいな言動を避ける
2諸検査の介助を行う
EーP(教育)
1治療に関することは医師より説明される
2検査に対する説明を十分に行う
#5腎血管性高血圧を有し血圧変動があり苦痛である
目標:血圧が安定する
OーP(観察)
1血圧の変動状況
2血圧の変化に伴う症状:頭痛、吐気、嘔吐
3降圧剤の種類と副作用
4腎機能データ
TーP(実施)
1降圧剤の正確な与薬
2血圧上昇時は安静を促し再測定を行う
3血圧上昇時医師に報告する
EーP(教育)
1血圧上昇時は安静指導を行う
2食事指導:減塩食を指導し病院食以外の補食を避ける
3血圧上昇自覚時はコールするように説明する
4正確な降圧剤の服用指導する
#6退院後の自己生活管理が大切である
目標:自己生活管理が行え、退院後の生活に不安を抱かない
OーP(観察)
1退院後の生活状況
2疾患に対する理解度
EーP(教育)
1自己PR測定の指導を行う
2高血圧を有する場合は自宅での血圧測定を指導する
3食事指導:減塩食、動物性脂肪の制限をする
4医師より具体的な運動許可量の説明を受ける
5正確な内服指導をする
6異常があれば至急受診するように指導する
参考資料:標準看護計画
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