#1ADLに支障をきたしており、日常生活がスムーズに営めない
目標:適切な援助を受けながら危険防止に努め安全な入院生活が送れる
OーP(観察)
1 食事摂取量、摂取状況
2 ADLの観察
3 症状の観察
a 振戦、筋固縮、動作緩慢、姿勢の異常
b 突進減少、小刻み歩行、加速現象、すくみ足
c 仮面様顔貌、よだれ
d 言語障害、書字障害
e 自律神経症状:便秘、脂顔、起立性低血圧、多汗
f 高次機能障害:抑うつ、関心欠如
TーP(実施)
1 一日の日課をつくり規則的な生活を送らせる
2 食事はできる限りデイルームで摂取できるように援助する(歩行練習にもなる)
3 エプロン障碍者用スプーンフォーク食器づれ予防マットなどを利用しできる限り自分で食べられるように工夫する
4 食事摂取状況があまりに不潔と感じられるときは、部屋で食べさせたりカーテンを引くなどの配慮を行う
5 食後はベッド周囲、オーバーテーブル等こぼしたものを片付ける
6 モーニングケ、アイブニングケア、入浴:週3回、必要に応じて介助。洗髪週1回。
7 寝衣交換日は紐結びが出来ないこともあるので介助する
8 歩行時は杖歩行器車椅子等。状況に応じて使用し転倒予防に努める
9 靴は運動靴かリハビリ用の靴を使用する
10 動作は患者のペースで行い、突然声を掛けない
11 転倒が頻回な場合は、ヘッドギア肘膝用のサポータを使用する
12 ベッド周囲は整理整頓しよく使うものは患者の手の届くところに置き、自分のことは自分でできるように患者と共に考える
13 ベッド柵は最低2個は使用する
14 ナースコールは障害に応じてタッチ式プレス式と考慮する
15 歩行困難がある場合は、ポータブルトイレを使用する
16 排便は時間を決めて車椅子トイレに誘導する
EーP(教育)
1 足の運動をしてから動くように説明する
2 膝を高く上げて歩くように説明する
3 水分、果物、野菜、高線維食の摂取を勧める
#2構音障害があり意思の疎通が図れない
目標:負担を感じないで自分に合った方法でニーズを伝えることが出来る
TーP(実施)
1 根気よく患者の伝えようとしている言葉を理解するように努める
2 患者の発語は聞き流さず、理解できているかどうかを確認する
3 頻回に訪室師コミュニケーションを図る
4 障害の程度に合わせて文字盤、筆談を使用する
EーP(教育)
1 ゆっくりと大きく口を開けて発声するように説明する
2 日中1回は50音の発声練習をする
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#3嚥下障害があり誤嚥の危険性がある
目標:食事内容を工夫することで誤嚥を起こさない
OーP(観察)
1 嚥下、咀嚼状態
2 食事摂取量、食事状況
TーP(実施)
1 食事は状態に応じてきざみ食とする
2 ベッドサイドに吸引の準備をしておく
3 水分を十分に補給し喀痰の喀出を援助する
4 適宜吸入などを施行する
5 食事は必ず座位で摂取する
EーP(教育)
1 食事中は落ち着いた雰囲気でゆっくりと摂取するように指導する
#4運動量の低下により便秘になりやすい
目標:規則正しい排便がある
OーP(観察)
1 排便の状態、排ガス、腸蠕動の状態、腹部膨満の有無、食事の摂取量
TーP(実施)
1 排便時間を一定に決める
2 腹部の温罨法を試みる
3 負担にならない程度のリハビリテーションを考慮する
4 医師の指示に従い下剤座薬浣腸を施行
5 浣腸などで排便のないときは摘便を施行
EーP(教育)
1 腹部マッサージの方法を指導する
2 起床時、冷水、牛乳を飲用するように指導する
#5内服薬による副作用出現の可能性がある
目標:最大の治療効果が得られ副作用出現時には早期に対処できる
OーP(観察)
1 L-DOPA
a 異常な不随意運動:痙攣、頷きなど
b 突然におこる無動発作:断続現象
c 悪心、嘔吐、食欲不振
d 起立性低血圧、不整脈
e 精神症状:錯乱、興奮、情緒異常
2 抗コリン作動薬
a 口腔乾燥
b 視力障害
c 尿閉、便秘
d 精神錯乱
e 緑内障の患者は禁忌
3 メシル酸プロモクリプチン
a 胃腸障害
b 眩暈、動悸、血圧低下
c 幻覚、妄想、興奮
d 過敏症
e 妊婦は禁忌
TーP(実施)
1 副作用出現時は医師に報告し対処する
2 精神症状出現時は危険防止に努める
EーP(教育)
1 副作用について説明し、出現時は医師又は看護師に報告するように指導する
2 医師の指示通り、確実に内服するように指導する
#6細かなことが出来にくく清潔が保てない可能性がある
目標:皮膚の清潔保持が出来、二次感染を起こさない
OーP(観察)
1 皮膚の状態
TーP(実施)
1 医師の指示にて入浴、清拭、陰部洗浄、足浴などを施行し清潔に努める
2 つめ切る:週1回
3 患者の負担にならないように短時間の清潔方法を試みる
#7疾病及び長期療養に対して不安がある
目標:不安を表出することが出来る
OーP(観察)
1 言動
2 不安や分からないことについて、会話や態度から観察する
TーP(実施)
1 医師より疾病や治療について説明してもらう
2 ムンテラが理解できているか確認する
3 常に温かい励ましを与え、患者の心の支えになる
EーP(教育)
1 心配や不安がれば訴えるように説明する
参考資料:標準看護計画
#8筋力低下・筋委縮の為に、身体損傷の恐れがある
目標:外傷や骨折を起こさず、安全に日常生活が送れる
OーP(観察)
1 症状の程度
2 ADLの自立度
3 ベッドや居室、廊下、通路などの環境
4 患者の安全に対する理解度
5 意識レベル
6 嚥下、咀嚼の状態
TーP(実施)
1 住環境の点検と整備を行う
a 床は練れていないか、滑りやすくないか
b 移動を妨げるものは無いか
c ベッドのストッパーはかかっていないか
2 移動時の介助を行う
a 手すりを持つ、足を出す介助、声掛けなど
3 補助装具を選択する
4 ベッド柵を設置し体動時に支持しやすくする
5 経管栄養時は、チューブを確実に胃内に挿入し確認する
6 誤嚥や窒息時は速やかに吸引を行う
EーP(教育)
1 足に合った履物を選ぶように話す
2 自分の薬効を把握しながら活動するように説明する
3 自分のペースでの散歩など、運動を続けていけるように提案する
#9筋力低下・筋委縮の為に、セルフケア不足である
目標:必要な食事を誤嚥なく楽しみながら摂ることが出来る。必要に応じて介助を受けながら清潔が保持できる
OーP(観察)
1 食事時の姿勢や方法、形態
2 摂取時間と薬効時間
3 嚥下咀嚼状態
4 咳嗽や喘鳴の有無
5 食事・水分摂取量の内容
6 体重とその変化
7 検査データ
8 口腔内の状態、義歯の有無
9 排尿・排便回数、間隔、方法、使用している物品
10 清潔や行為に関するADL状況
11 清拭や入浴の間隔、工夫状況
12 皮膚状態
TーP(実施)
1 食べやすい環境を工夫する
2 食事前には座位をとり、嚥下しやすい姿勢を保つ
3 補助用具を使用し、必要時は食事介助を行う
4 食事形態を工夫する
5 必要時タッピングや吸引を行う
6 食後には口腔内を保清する
7 誤嚥の心配がある時は、経管栄養、経腸栄養、輸液管理を行う
8 ADLに合わせて排泄を介助する
a パットやおむつ使用時は定期的に尿量の有無を確認し汚染時は速やかに交換する
b 尿閉の為に残尿が多い場合は、時間的に排尿誘導や圧迫排尿、導尿などを取り入れる
c 陰部の清潔保持に努める
d 3~4日に1回は排便があるようにし、必要時には下剤、腹部マッサージ浣腸、摘便などをおこなう
9 シャワー浴や入浴介助を行う
10 衣服は吸湿性に富んだゆったりとした伸縮性のある、着やすく着せやすいものを選ぶ
11 時間がかかってもなるべく自力で行えるように援助する
12 入浴が困難である時は全身清拭、陰部洗浄を行う
EーP(教育)
1 ゆっくり落ち着いて食べるよう指導する
2 家族にも食事介助の方法や留意点を説明する
3 食事摂取も薬効に影響することを説明する
4 尿意や便意を感じたら、早めにトイレに行きたいことを伝えるように話し、日ごろから習慣付ける
5 水分を摂ることの必要性を説明する
6 水分補給、運動、食事内容にも留意していくように、患者や家族にも説明するようにする
7 出来ないことは伝えてほしいことを説明する
8 家族にもできるだけ患者のペースを尊重し見守るようにしてもらう
9 在宅での清潔行為で、家族の負担が大きすぎていないかを聞き相談に乗る
#10幻覚や妄想があるために、状況を正確に把握できない
目標:服薬の拒否や異常行動が無く、療養生活を送ることが出来る
OーP(観察)
1 表情や言動
2 夜間の入眠状態
3 精神状態
4 家族や周囲の人間関係、ほかの患者との関係
5 家族及びキーパーソンの面会状況
6 食事摂取状況
TーP(実施)
1 訴えを良く聴く
2 精神的安定が図れるように援助する。訴えの内容がなんであるかを知る
3 服薬を拒否する場合には、落ち着くまで待ってから服薬してもらう。必要性を話しても困難な場合には医師に相談する
4 患者の状態を観察し、患者の自尊心を傷つけないように注意しながら必要な場合は監視する
5 受け持ち看護師を中心に日ごろから良い人間関係が保てるように工夫する
6 混乱している時は焦って関わろうとしない
7 患者が快いと思えるケアを考え試す
EーP(教育)
1 家族もしくは同室者に、患者に異常な言動があれば直ぐ知らせるように説明する
2 可能ならば外泊など気分転換を図ることも大切であることを説明する
3 患者会、家族会があることを紹介する
#11疾患の性質や繰り返される入退院の為に、家族内での役割が果たせない
目標:患者もしくは家族は、疾患を持つ家族に対するケアができる。必要な時は適切な社会資源を求めることが出来る
OーP(観察)
1 患者と家族との役割、これまでの関係
2 患者本人や家族それぞれの疾患に対する理解度、協力の度合い
TーP(実施)
1 家族の介護負担に関する思いを聴く
2 病状についての説明や今後の見通しについて、担当医に随時説明を依頼する
3 家族の表情言動を観察し、問題が生じていないか把握する
4 必要時ケア提供者での合同カンファレンスを開く
EーP(教育)
1 家族やその他のケア提供者に対し、正しい疾患の理解をしてもらえるように指導する
2 可能な時に一緒にケアを行い、入院中の様子を知ってもらえるように調整する
3 病気の進行をある程度先取りした指導を提供する
4 疾患により生じがちな認知症の症状や幻覚やうつ状態、依存などに対する対応の仕方を話し合う
5 必要に応じて医療ソーシャルワーカーやケアマネージャーと話し合えるように調整する
参考資料:疾患と看護過程
参考資料:患者参画型看護計画
料理チャンネル→https://www.youtube.com/channel/UCmnwzyXL0ZcT–wDGFuMW5A
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