#1 ガス交換の障害、1回換気量低下に関連する呼吸不全が起きる
目標:適切な治療を受け呼吸不全が改善する
OーP(観察)
1 呼吸状態
a 呼吸様式、呼吸パターン、呼吸数
b 呼吸音
c 胸郭の動き:左右対称性、呼吸筋力低下の程度
d ファイテイング、バッキング等
e 気管内分泌物の量、性状
2 VS:血圧変動、脈拍、不整脈
3 意識状態:レベル低下、不穏など
4 全身状態:チアノーゼ、顔面紅潮、眼球結膜、腹壁の緊張度など
5 検査データ
a 胸部レントゲン
b 血液ガス
c 呼吸機能の評価
d 喀痰培養と感受性
6 人工呼吸器の作動状態
a 酸素濃度:FiO2
b 1回換気量(TV)分時換気量(MV)
c 作動方式
TーP(実施)
1 胸郭の聴診、打診
2 清潔操作による気管内吸引:吸引前後は必ず100%酸素で用手換気を行い呼吸音を聞く
3 加温、加湿
4 肺理学療法
a 肺葉別体位ドレナージ
b 胸郭、背部のタッピング又はバイブレーション
c 深呼吸、咳嗽の促進
d 吸入
5 確実な薬物与薬
6 人工呼吸器の管理:呼吸器使用手順については各説明書を参照する
EーP(教育)
1 挿管チューブの為に発声できないこと、人工呼吸器が装着されていることを説明する
2 安静度を説明する
3 各処置についての必要性と方法を説明し協力を得る
#2人工呼吸器使用に関連して内分泌循環器系への合併症を起こす
目標:合併症を併発することなく、より適切な人工呼吸を受けることが出来る
OーP(観察)
1 VS
2 循環器系の抑制
a 血圧低下
b 脳灌流圧低下
c 肝機能障害
d 腎機能障害
3 内分泌系への援助
a 尿量減少、水分出納、尿性状、比重、尿量減少
b 呼吸不全の憎悪
TーP(実施)
1 確実な薬物与薬:鎮静剤、筋弛緩剤、ジギタリス、抗生物質、ステロイドホルモン剤
人工呼吸器装着患者の看護 (広川 臨床看護シリーズ) | ||||
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#3呼吸器と同調しないことに関連した呼吸障害
目標:人工呼吸器と同調して呼吸不全が改善される
OーP(観察)
1 顔色、チアノーゼの有無、ファイテイングの有無
2 VS
3 呼吸モード:調節、補助、IMV
4 設定値:1回換気量、酸素濃度、呼吸数、最大換気量、PEEP値
5 回路のリーク、閉塞の有無
6 検査データ:血液ガス値、胸部レントゲン
TーP(実施)
1 自発呼吸の状態と呼吸器の設定の確認
EーP(教育)
1 機械で呼吸を助けていることを説明する
#4気管内挿管中に関連した気道粘膜の炎症と損傷の可能性
目標:気道を正常化でき、上気道感染を起こさない
OーP(観察)
1 VS:発熱の有無
2 気道、喉頭損傷の有無
3 鼻腔周辺のびらん、潰瘍の有無(経鼻挿管)
4 吸引物の性状、量
TーP(実施)
1 チューブ交換
a気管チューブの交換:週1回
b 気管切開用チューブ交換:3日に1回
2 回路交換
a 定期的回路交換:週2回
b 加湿器内蒸留水交換:1日3回
3 吸入の使用適宜
4 分泌物の吸引
a 1回吸引15秒
b 体位変換の前後とパッキング時
c 吸引圧:80~120mmHg程度
d 吸引後はアンビューバッグ、ジャクソンリース、回路を使用して準酸素で肺加圧を行う
5 体位変換は2時間ごと
6 タッピング
7 体位ドレナージ
8 気管内洗浄の準備と介助
#5気道内圧上昇に関連した肺損傷、気胸の可能性がある
目標:気道内圧の上昇をきたさず肺合併症を起こさない
OーP(観察)
1 ファイテイングの有無
2 過呼吸、不穏、発汗、チアノーゼ
3 胸壁の動きの左右差
4 患側の肺胞呼吸音減弱
5 CVP上昇
6 血圧低下、心拍数増加
7 最大吸気圧上昇
8 PaO2低下
9 胸部レントゲン上気胸像及び縦隔陰影の健側への圧排
TーP(実施)
1 ファイテイング、パッキング出現に注意し呼吸を調節する
#6人工呼吸器使用に関連した肺炎などの感染を起こしやすい
目標:感染の症状経徴候がない
OーP(観察)
1 発熱の有無
2 呼吸状態の観察、呼吸音、呼吸パターン
3 痰の性状と量
4 血液ガスデータ
5 胸部レントゲン
6 血液データ:WBC、CRP、総蛋白、喀痰培養
TーP(実施)
1 気道内吸引時清潔操作
2 定期的な喀痰培養検査
3 呼吸器回路交換:3日に1回
4 フイルタ交換毎日
5 加湿器蒸留水交換:各勤務帯
6 肺理学療法
7 吸入
8 口腔内ケア:各勤務帯
#7気管内挿管中に関連したコミュニケーション不足による不安
目標:コミュニケーションが取れ、不安が緩和されたことを表現できる
OーP(観察)
1 VSの変動
2 顔色、表情
3 異常行動
4 睡眠状態
TーP(実施)
1 コミュニケーションを図る
a 筆談、文字板、カードにより患者の訴えを把握する
b 周囲の状況、日付、天気などを知らせる
c 不用意な言葉を慎み信頼関係をつくる
d 家族を含めスキンシップを大切にする
e 身体言語より患者のニードを把握する
2 人工呼吸器について説明する
a 気管内チューブで気道が確保されて発語できない事
b チューブは呼吸器に接続されていること
3 状態に応じ面会時間を考慮する
4 無意識のうちに抜管する恐れのある場合は、抑制の必要性を説明し納得させる
EーP(教育)
1 家族とのコミュニケーションを図り信頼関係を築く
2 主治医よりの状態の説明は家族とともに聞く
#8人工呼吸器装着中であることに関連して家族の不安が強い
目標:家族が状態を正しく把握し不安が軽減する
OーP(観察)
1 家族の態度、言動、表情
2 家族の疾患に対する理解度を把握する
TーP(実施)
1 家族とのコミュニケーションを図り信頼関係を築く
2 主治医よりの状態の説明は家族とともに聞く
#9ウイニングに関連する呼吸状態の悪化の可能性がある
目標:スムーズに呼吸器から離脱できる
OーP(観察)
1 血液ガス、チアノーゼ、呼吸パターン、呼吸苦の有無
2 全身状態
3 VS変動
4 精神状態
5 飽和度モニタ
TーP(実施)
1 換気能力のチェック:ウイニングの目安
a 最大呼気圧:<-20CmH2O
b 肺活量:>10~15ml/kg
c 換気量:>10ml/kg
2 ウイニングの介助
3 抜管時にはジャクソンリースで十分酸素を与え気道内分泌物を良く吸引する
4 抜管後も再挿管の準備をしておく
5 抜管後は十分な呼吸訓練をしておく
EーP(教育)
1 治療の見通し、ウイニングの方法など医師から説明し、患者の協力を得られるように指導する
参考資料:標準看護計画
料理チャンネル→https://www.youtube.com/channel/UCmnwzyXL0ZcT–wDGFuMW5A
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