多発性骨髄腫患者の看護計画

看護計画

目次

多発性骨髄腫患者の看護計画

#1入院時疾患に対する不安がある

目標:闘病意欲を持つことが出来、入院生活を快適に過ごすことが出来る

OーP(観察)

1 表情、言動、不安に思っている点

2 医師のムンテラ内容

3 病名、検査の受け止め方、理解度

TーP(実施)

1 医師からのムンテラを把握し統一を図る

2 家族の話を聴き患者の不安を引き出す

3 頻回に訪室氏コミュニケーションを十分にとる

4 信頼関係を保ち患者の話を十分に聞く

5 患者の社会的背景を知り患者に合ったレベルで対応する

#2骨の痛みを伴うことが多く骨折しやすい

目標:病的骨折、骨粗鬆症を起こさずADLに支障がない

OーP(観察)

1 痛みの部位、程度、腫脹、熱感、発赤、機能障害、循環障害、神経症状、知覚異常

2 骨レントゲン所見:打ち抜き像、骨粗鬆症

3 検査データ:血性カルシウム、尿酸、γグロブリン値

TーP(実施)

1 患者の周辺の環境整備を行い、動きやすいようにする

2 危険物の除去をする

3 体動制限がある場合はADLの援助を行う

4 疼痛が強い場合は医師の指示で鎮静剤の与薬を行う

5 必要に応じて副木、コルセットを使用する。この時循環障害に注意する

EーP(教育)

1 身体各部に過重な負荷をかけないように説明する

2 疼痛のない場合には、骨の脱カルシウム化の進行を防止するため安静より適度な運動を行うように指導する

#3血液過粘調症候群により感染しやすい

目標:感染症状がなく発熱しない

OーP(観察)

1 検査データ:WBC、CRP、好中球、ESR亢進、Γグロブリン値

2 VS

3 発熱、倦怠感の有無

TーP(実施)

1 手洗いマスクを施行する

2 身体を清潔に保つ

3 発熱時、医師の指示で解熱剤の与薬を行う:温罨法、冷罨法

4 解熱時発汗が多ければ清拭し寝衣交換する

5 陰部の保清に努め、尿路感染を防止する

EーP(教育)

1 外出時マスクを着用するように説明する

2 含嗽の励行を指導する

#4過粘調症候群により出血傾向がある

目標:出血しても不安なく止血ができる

OーP(観察)

1 検査データ:WBC、RBC、FDP、出血時間、止血時間、Γグロブリン値

2 VS

3 出血部位、時間、量、性状

4 出血班、紫斑の有無

TーP(実施)

1 安静の保持をする

2 鼻出血、歯肉出血などがあればエビネフリンタンポン、オキセルガーゼ、トロンビン末などを使用して止血する

3 止血しなければ、医師の指示で止血剤の点滴、内服薬の与薬を行う

4 血小板が著明に減少すれば、血小板の輸血を行うため管理する

5 危険物を除去する

6 駆血帯を強く縛らないようにする

7 点滴抜針時は止血の確認をする

EーP(教育)

1 出血しやすい状態であることを説明し、注意事項を指導する

2 皮膚は強くこすらないように指導する

3 歯磨きの方法を指導する

#5血液過粘調症候群により貧血症状がみられる

目標:ヘモグロビン8g/dl以上で眩暈、ふらつきがない

OーP(観察)

1 血液データ:RBC上昇、Hb減少、Ht低下

2 眩暈、ふらつき、倦怠感、動悸、食欲不振、脱力感の有無

3 顔色、眼球結膜の色

TーP(実施)

1 貧血が強ければADLの介助を行う

2 輸血時副作用が出現すれば早期に対処する

EーP(教育)

1 動作はゆっくり行うよう指導する

#6血液過粘調症候群により脳血栓を起こす可能性がある

目標:脱水状態にならないように自己管理ができる

OーP(観察)

1 VS

2 尿量、性状

3 飲水量、水分バランス、皮膚の弾力性

4 意識レベル、瞳孔不同、対光反射、腱反射、不随意運動

TーP(実施)

1 水分バランスに注意し食事摂取困難時には摂取しやすい形態に変更する

2 食事摂取量が少ない時は医師に報告し補液が受けられるよう援助する

EーP(教育)

1 食事摂取時には必ずコップ1杯の水分を摂ることを説明する

#7高グロブリン血症により腎不全になる可能性がある

目標:1日の尿量が1000~2000mlに保たれ腎機能が正常値に近づく

OーP(観察)

1 尿量、性状、比重、回数

2 飲水量、水分バランス

3 検査データ:BUN上昇、クレアチニン上昇、総蛋白、ガンマグロブリン値上昇

4 VS

5 浮腫の有無

TーP(実施)

1 水分バランスに注意し医師の指示で利尿剤を適宜与薬する:原則的には水分制限をしない

2 身体の清潔と保護を心がける

3 必要があれば医師の指示で塩分制限をする

EーP(教育)

1 水分を十分にとるように指導する

2 皮膚を傷つけないように説明する

#8化学療法による副作用が出現しやすい

目標:吐気がなく食事が8割以上摂取できる

OーP(観察)

1 VS

2 吐気、嘔吐、胃部不快、胃痛、倦怠感、脱力感

3 食事摂取量

4 検査データ:総蛋白、アルブミン、CBC、Na、K、Cl、Γグロブリン値

5 尿量、水分バランス

TーP(実施)

1 治療の必要性が理解でき、副作用についても不安を与えないように事前に説明しておく

2 治療は内服で行うため確実に与薬する

3 吐気が強ければ医師の指示で制吐剤を与薬する

4 食事摂取量が少なければ医師の指示で補液を行う

EーP(教育)

1 水分は十分にとるように指導する

2 薬は自己判断で自分勝手に中断しないように説明する

#9小康状態であるが継続的な治療が必要である

目標:内服治療が確実に行え定期的に外来通院できる

OーP(観察)

1 患者の理解度、家族の受け入れ状態

TーP(実施)

1 医師と相談し、退院時の安静度を方針を決定する

EーP(教育)

1 退院指導を行う

a 内服薬を確実に服薬し勝手に中断しない

b 感染を受けやすいので含嗽を励行し人込みは避け外出時はマスクを使用する

c 規則正しい日常生活を過ごす

d 過労は避けるが適度な運動は必要である

e 病的骨折を起こしやすいので一部分に負担を掛けない:副木、コルセットの使用

f 定期的に外来通院するが、通院日以外でも異常があればすぐに受診する

g 皮膚を観察し浮腫の出現に注意する

参考資料:標準看護計画

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