悪性リンパ腫患者の看護計画

看護計画

目次

悪性リンパ腫患者の看護計画

#1表在性リンパ節腫脹の為疾患に対する不安がある

目標:疾患が正しく理解でき、闘病意欲を持ち検査の必要性が分かる

OーP(観察)

1 表情、言動

2 理解度、病識

3 社会的背景

4 入院にたいする受け止め方

5 精神状態

6 リンパ節腫脹の部位、大きさ、硬さ、可動性、疼痛

7 肝、脾腫

8 黄染

9 呼吸、胃腸、皮膚症状

TーP(実施)

1 医師より疾患に対する説明を行い、理解不十分な点は看護師が再度説明補足する

2 医療者間でムンテラを統一する

3 コミュニケーションを図り信頼を統一する

#2診断決定の為のリンパ節生検に対し不安と苦痛がある

目標:出血傾向にあることを知り危険防止ができる

OーP(観察)

1 表情、言動

2 生検の受け止め方

3 生検後の状態:出血、浸出液、発赤、腫脹、疼痛、リンパ婁

4 運動障害の有無と程度

5 検査データ:貧血、好酸球増多、リンパ球減少、免疫グロブリンの低下、ツベルクリン反応-

6 病理所見:リードステルンべルグ細胞、ホジキン細胞の存在を知る

7 病期

8 レントゲン、リンパ管造影、CT,Caシンチグラム等の所見

TーP(実施)

1 日時が決定したら前日に剃毛し清潔にしておく

2 医師より生検の必要性と方法を説明してもらい、不明な点は患者の理解度に合わせて分かりやすい言葉で再度説明する

3 毎日消毒しガーゼを交換する:1週間

4 1週間後に抜糸しその翌日ガーゼ交換をする

5 それまでは入浴は禁止し清拭を行う

EーP(教育)

1 創部を不潔にしないように指導する

2 汚染した場合は看護師に報告するように指導する

図解でわかる 白血病・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫
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#3代謝亢進による発熱、体重減少、盗汗がある

目標:消化管出血時、動揺が少なく誤嚥などの事故防止ができる

OーP(観察)

1 体温、呼吸数

2 体重

3 盗汗の程度

4 皮膚の湿潤、乾燥、汚染の状態

5 口内炎の有無

6 食事摂取量

7 水分バランス

TーP(実施)

1 発熱時は苦痛を緩和する為に冷罨法を行う

2 発汗による皮膚の汚染が強いため、全身の保清に留意する

3 環境調整

4 エネルギー小網が激しくなるので安静を保てるように援助し、新陳代謝を最小限に抑える

EーP(教育)

1 脱水防止のため水分を摂取するよう指導する

2 盗汗があればすぐ汗を拭き更衣するよう説明する

 

#4化学療法開始により抗がん剤の副作用が出現しやすい

目標:鼻出血時の処置が分かり口腔内が清潔に保たれる

OーP(観察)

1 VS、尿量

2 各薬剤の副作用を知り観察する

a ステロイドホルモン:不眠、消化管潰瘍、精神障害、糖尿病

b シクロフォスファミド:出血性膀胱炎

c 塩酸ダウノルビシンアドリアシン、塩酸ドキソルビシン:心不全、当日の不整脈

d 硫酸ビンクリスチン:イレウス、末梢神経障害

e 硫酸ブレオマイシン:発熱、間質性肺炎

f Lアスパナギナーゼ:急性膵炎

g シスプラチン:腎不全

h シタラビン:下痢、発疹、結膜炎

TーP(実施)

1 使用薬剤、プロトコールを把握し症状の出現を早期に知り対処する

2 患者は不安になりやすいので正しい知識を持ち安心感を与えるような説明をする

3 副作用出現時には主治医に連絡して指示を受ける

4 水分バランスのチェックをする

EーP(教育)

1 水分を多く摂取する:500ml/1日以上

2  怒り得る副作用と対処方法の説明

#5免疫力低下による帯状疱疹による神経痛がある

目標:止血防止が分かり口腔内が清潔に保たれる

OーP(観察)

1 検査データ:CBC、CRP、ESR、免疫グロブリン、ツベルクリン反応

2 水疱の部位、状態、疼痛の程度

TーP(実施)

1 水疱は破らない:ポビドン消毒剤で消毒し、アシクロビル軟膏塗布後ガーゼで保護する

2 保清は患部を避けて行う

3 下着は刺激のない綿製品で、ゆったりとしたものを選び毎日交換する

4 ゴムなどによる圧迫を避ける

5 特に女性の場合治療後の瘢痕に対するストレスも強いため、プライバシーを守り受け持ち看護師が良き相談相手となるように努める

6 アシクロビル、Γグロブリン製剤は確実に輸液管理する

7 疼痛が強い場合は医師の指示で鎮痛、鎮静剤を与薬する。効果がなければ、三社神経領域の場合は星状神経節ブロック、また体幹のものでは持続硬膜外ブロックを併用する為処置の介助を行う

#6リンパ節腫脹による圧迫症状に為に食欲不振、鼓腸などの消化器症状がある

目標:異常の早期発見に努め安楽な呼吸ができる

OーP(観察)

1 食事摂取量

2 吐気、嘔吐、吃逆、腸蠕動音、排ガス、排便の有無

3 疼痛の有無と程度、部位

4 水分バランス

5 検査データ:電解質

TーP(実施)

1 個々の患者の嗜好に合わせて(少量で栄養価の高い食品を摂取させるため)食事変更する

2 食事時間を制限せず、希望した時に電子レンジで再加熱して用意する

3 吐気時には制吐剤を、下痢時には止痢剤を医師の指示で使用しその薬効を確認する

4 肛門を清潔に保つために下痢が続く時は座浴を行う

5 鼓腸に伴う疼痛時は温湿布、湯たんぽ、カイロ、熱気浴を用いて温め内臓の血管の拡張を促し蠕動運動を亢進させる

#7放射線治療により副作用がある

目標:ショックに陥らず意識レベルが改善される

OーP(観察)

1 照射部位、照射量

2 皮膚症状:発赤、痛み、ビラン

3 宿酔症状:吐気、嘔吐、下痢、体重減少

4 水分バランス

5 検査データ:WBC、PLTの低下

6 食事量

TーP(実施)

1 皮膚が発赤ビランした場合は医師の指示で副腎皮質合成剤

2 症状は照射によるものであり、照射が終了すれば消失することを説明し励ます

3 頭頸部の照射時には毛髪の脱落や咽頭炎、喉頭炎食道炎などを伴うことが可逆的現象であることを説明する

4 栄養価の高い消化吸収の良い食物を摂取させ体力の増強を図る

5 食欲のないときは患者の嗜好に合わせて食事変更する。摂取状況によりきざみ食分割食流動食にする

EーP(教育)

1 照射部位のスキンケアについて説明する

2 下着は糊のきいたものは避け綿の素材を選ぶように説明する

3 髭剃りは電気カミソリを使用するように説明する

#8寛解退院後、外来治療の継続が必要であるが自己管理に問題がある

目標:感染予防法が分かり、重篤な感染症に陥らない

OーP(観察)

1 理解度、家族の受け入れ

TーP(実施)

1 外来での継続治療の内容を把握しておく

2 主治医と相談し退院後の安静度を決定する

EーP(教育)

1 退院指導を行う

a 定期的に外来通院する

b 内服は確実に服用する

c 治療後1~2週間は特に感染を受けやすいことを説明し感染予防に努める

d 身体に異常のある場合には速やかに外来受診する

e 規則的な生活をし過労を避ける

参考資料:標準看護計画

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