脾摘出前後の患者の看護計画

看護計画

目次

脾摘出前後の患者の看護計画

#1術前、ITPの場合、血小板減少により出血傾向が予測される

目標:出血を助長するような原因を除去し、手術ができる状態にコントロールする

OーP(観察)

1 皮下出血、歯肉出血、出血班、性器出血などの出現、増強の有無

TーP(実施)

1 検査データのチェック:血小板の変動に注意(術前は血小板が10万以下であることが多い)

a 出血時間:延長

b 凝固時間:正常

2 転倒など、身体を強くぶつけないように注意する

3 清拭時は強くこすらない

4 医師の指示によりグロブリン大量療法、血小板輸血

EーP(教育)

1 身体を強くぶつけたり掻いたりしないように説明する

#2 ITPの場合、副腎皮質ホルモン剤の長期服用患者が多く、副作用が出現する可能性がある

目標:確実な内服が出来、副作用の早期発見が対処できる

OーP(観察)

1 副作用の観察

a 感染

b 血糖症状の有無:肝でのグリコーゲンからブドウ糖の生成を促進するから

c 口渇、多飲など糖尿病臨床症状に注意

d 腹部症状

e 満月様顔貌、肥満

2 尿糖、血糖

3 吐血、下血、便潜血

4 潰瘍の有無:透視、内視鏡の結果を知る

5 検査データ

TーP(実施)

1 ステロイド剤の与薬量、服用のチェックを行う

2 感染症状、副作用出現時は医師の指示に従う

EーP(教育)

1 ステロイド剤の副作用について説明し、症状出現時は報告するように説明する

#3バンチ症候群の場合、脾機能症候群により血球破壊が進み、貧血が予測される

目標:手術ができる状態にコントロールされている:Hb10,0/dl以上

OーP(観察)

1 貧血の観察:顔色、ふらつきの有無

2 検査データ

TーP(実施)

1 栄養、睡眠を十分にとる

EーP(教育)

1 貧血症状出現時は報告するように説明する

#4バンチ症候群の場合、門脈圧亢進に伴う食道、胃、静脈瘤からの出血する可能性がある

目標:消化管出血を早期に発見でき、出血性ショックに落ちらない

OーP(観察)

1 肝硬変又は食道静脈瘤破裂時の看護を併用

#5バンチ症候群の場合、摘脾後、各血球数が安定するまでに貧血や出血傾向が起こりやすい

目標:貧血による自覚症状に対処し、事故無く回復期へと向かうことが出来る

OーP(観察)

1 出血傾向の有無、貧血の有無

TーP(実施)

1 血液検査データのチェック

a ITPの場合、血小板数で脾摘の効果を測定するが、血小板値が安定するには個人差があり、術後2~3週から3カ月はかかる

2 医師の指示により抗血小板剤の与薬:アスピリン

EーP(教育)

1 血液データなどを示し、病状について説明する

#6バンチ症候群後、摘脾後の死腔に血液や浸出液の貯留をきたしやすい

目標:発熱や腹痛を起こさない

OーP(観察)
1 熱型

2 腹部症状、腹痛の有無、吐き気、腹部膨満感

3 ガーゼ汚染状態、創部の状態、ドレーン挿入による排液量、性状の観察

4 出血傾向の有無

TーP(実施)

1 VSチェック

2 ガーゼ交換

3 水分バランス

4 ドレーンのミルキング

5 血液データのチェック

参考資料:標準看護計画

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