MCTD(混合性結合織炎)患者の看護計画

免疫系看護計画

目次

#1非感染性の炎症による発熱とそれに伴う痛みがある

目標:体温が37度以下で痛みがなく安静にできる

OーP(観察)

1 全身倦怠感、脱力感

2 関節痛、筋肉痛、疼痛の部位、継続時間

3 痛みの種類:自発痛、圧痛、運動痛

4 痛みに伴う症状:腫脹、熱感、運動痛、運動制限

5 随伴症状(咳、喀痰、排泄状態、レイノー症状、朝のこわばりなど)

6 与薬時間と熱型との関連

7 検査データ:WBC、CRP、ESR、抗核抗体、補体:CH50、C3、C4

8 VS

TーP(実施)

1 心身の安静が保持できるような環境整備をする

2 保温に留意する

3 運動制限がある場合はADLの援助をする

4 身体の清潔:清拭、寝衣交換

5 発熱時医師の処方により、解熱剤を与薬する

EーP(教育)

1 指示された安静度を説明する

2 疾患の活動性によるものであるため、治療により症状が軽減することを説明する

#2レイノー症状に関連する手のしびれと痛みがある

目標:レイノー症状に対する自己管理ができる

OーP(観察)

1 皮膚の色、しびれ、冷感、痛みの程度

2 レイノー症状の持続時間と部位、回数

3 誘発原因:冷水、寒冷、精神不安

4 サーモグラフイーの結果

TーP(実施)

1 室温を20度以上に保つ

2 換気は窓を少しづつ開け、急激な温度変化は避ける

3 処置時は室温、掛物を調整する

4 検査、処置、開心は事前に知らせる

5 入院時、日当たりのよい部屋を考慮する

6 プロスタンデイン製剤の点滴の管理をする

EーP(教育)

1 下記の指導を行う

a 常時手袋の着用

b 洗面、手洗いは温水の利用

c レイノー症状発生時、直ちにカイロ、手袋で温める

d プロスタグランデイン軟膏の塗布

2 パンフレットを使用し、日常生活指導を行う

3 レイノーノートの記載を指導する

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#3皮膚が傷つきやすく感染しやすい

目標:皮膚の損傷を防ぎ清潔に保護できる

OーP(観察)

1 深爪、指尖、潰瘍、小さい傷の有無

2 処置後の創状態

3 皮膚の発赤、腫脹、疼痛、排膿、浸出液

4 発熱の有無

TーP(実施)

1 ベッド周囲の整理を行う

2 処置後の消毒を完全にする

3 全身の保清に努める

EーP(教育)

1 スキンケアについて指導する

a 常時手袋を着用する

b 刃物針の取り扱いに注意する

c 動作はゆっくり行う

d ローションクリムで乾燥を予防する

e ウオシュレットを使用し、陰部を清潔に保つ

f 含嗽歯磨きで口内を清潔に保つ

#4近位筋の変性により、筋肉痛と四肢の筋力低下があり、日常生活に支障をきたしやすい

目標:筋力が保持され身の回りのことが出来る

OーP(観察)

1 ADL

2 筋肉痛および筋力低下の部位、程度

3 筋電図の所見、筋生検の所見

TーP(実施)

1 ADL(起立、歩行、排泄、食事、洗面など)

2 身の回りの環境整備をする

3 筋肉痛、関節痛に対しては安静にする。医師の指示で湿布薬貼付、鎮痛剤与薬。

EーP(教育)

1 機能障害の改善の為リハビリテーションの指導を行う

a 最大限可動域まで動かす

b 翌日に痛みの残らない程度に行う

c 自動運動で行う

#5肺線維症、呼吸器感染症による咳嗽、呼吸困難、熱発がある

目標:体温が37度C前後に安定し、呼吸困難がない

OーP(観察)

1 VS

2 呼吸困難の程度、チアノーゼ

3 咳嗽、痰の量、性状、色

4 悪寒、戦慄、発汗

5 肺音、血液ガス、胸部レントゲン、WBC、CRP、ESR

TーP(実施)

1 安楽なセミファーラー位をとる

2 安静の保持

3 医師の指示で酸素吸入を開始する

4 医師の指示で去痰剤の与薬を行う

5 タッピング、体位ドレナージをする

6 咳嗽が激しい時医師の指示で鎮咳剤の与薬を行う

7 発熱時は冷罨法と医師の指示で解熱剤の与薬を行う

8 保温保清の介助、発汗時は寝衣、シーツ交換を行う

EーP(教育)

1 1日2回、朝夕に深呼吸を行い外出時マスクを着用するよう指導する

2 効果的な咳の仕方、痰の出し方を指導する

3 含嗽、歯磨きを指導する

#6腸管委縮による消化不良症候群を起こしやすい

目標:便通が自己コントロールでき、肛門周囲が清潔に保てる。また適切な食事摂取ができる

OーP(観察)

1 便の回数、量、性状、排ガス、腸蠕動、腹部膨満感、腹痛

2 腹部レントゲン

3 痔の有無、肛門痛、出血及び皮膚の状態

4 尿量、尿比重、水分出納、皮膚の状態、CVP

5 倦怠感、脱力感、口渇

6 しびれ感、電解質データ、意識レベル

TーP(実施)

1 腹部、腰部の保温に努める

2 消化しやすくやわらかい食事にする

3 高蛋白、高ビタミン、高カロリー食とする

4 医師の指示で整腸剤の与薬を行う

5 正確な補液、IVHの管理を行う

6 口腔内のケア、含嗽の介助をする

7 沐浴剤、オリーブ油で皮膚の保護をする

8 血圧低下時、下肢挙上し医師に報告する

9 便秘で苦痛時は医師の指示で緩下剤の与薬を行う

EーP(教育)

1 以下の指導をする

a 排便後、ウオシュレット使用、又は塩化ベンザルコニウム綿で肛門部を消毒する

b 飲水チェックをする

c 便の性状を観察する

d 便秘時、腹部マッサージ又は適度な運動十分な水分補給、線維の多い物をとる

#7腸管委縮による麻痺性イレウスによる苦痛がある

目標:腸管の機能が正常化し腹痛がない

OーP(観察)

1 腸蠕動、排ガス、便の性状、回数、量

2 腹痛、腹部膨満感、吐き気、嘔吐

3 腹部レントゲン

4 VS、冷感、ショック症状

TーP(実施)

1 絶飲食とする

2 絶対安静とする

3 イレウス管挿入時の管理:確実な固定、排液の量と性状の観察

4 上半身を挙上し安楽な体位をとる

5 医師の指示でパンテチン、ジノブロストを正確に与薬する

6 腹痛時は鎮痛薬の使用

#8慢性疾患で退院後も継続治療と自己管理が必要である

目標:自己管理法が十分にわかり、日常生活に不安がない

EーP(教育)

1 以下の指導をする

a 寒冷を避け、部屋は快適な温度、湿度を保つ

b 固めのベッドを使用し関節を伸展位に保つ

c 運動障害がある場合は家の中を整備し危険防止に注意する

d 過労を避けるが適度な運動は心がける

e レイノー症状出現時は速やかに保温する

f レイノーノートの記載に心がける

g 水仕事、洗濯時は手袋を使用する

h 疲労感の強い時は、なるべく早く睡眠をとり休息に心がける

i 寒い季節の外出や強い冷房の効いた場所には近寄らない

j 含嗽を励行する

k 下着は刺激の少ない吸湿性の良い綿類を使用する

l 食事は高カロリー、高蛋白、高ビタミンで固いものは避け、消化しやすい食品を摂取する

m 嚥下困難がある場合は少量づつ数回に分けて摂取する

n ステロイドホルモン剤治療薬は確実に内服する

o 定期受診を怠らない

参考資料:標準看護計画

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