失語のある患者の看護計画
#1意思の疎通が図れないために、日常生活に支障をきたしやすい
目標:残存機能を利用して言語の獲得が出来、日常生活のニードが満たせる
O-P (観察)
1 失語症の種類と程度:言語の了解、自発的書字、文字の了解、書き取り、写字の可能、不可能
2 残存能力
3 原疾患に伴う症状の有無:運動麻痺、感覚機能(視力、聴力、皮膚感覚)の異常の有無とその程度
4 健康時の日常生活状態
5 入院後の日常生活状態
T-P(実施)
1 言語訓練の開始
a 出来るだけ早期に言語療法士STによる言語訓練を行う
b STと情報交換を行い患者の訓練状況を把握、病棟内でも訓練内容を取り入れ患者の意欲を高めるよう援助する
2 患者の安静度に合わせて訓練を進めていく
a 床上安静必要時は自らニードを満たすことは困難であり、看護師との意思疎通が図りにくいため患者のニードがつかみにくい。出来るだけ患者の表情、動作を注意して観察し患者のニードを把握する
b ベッドより離れ、歩行からリハビリテーションの段階になった時、患者が自分でニードを満たせない部分を援助する
c 言語訓練も積極的に行う
ウチの失語くん: 脳出血からの1年半。ふたりだからできたこと。 | ||||
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#2失語症を受容できず精神的不安、不満を持ち言語訓練に積極的に取り組めない可能性がある
目標:傷害を早期に受容でき治療訓練に積極的に取り組める
O-P (観察)
1 失語症の種類と程度:言語の了解、自発的書字、文字の了解、書き取り、写字の可能、不可能
2 残存能力
3 原疾患に伴う症状の有無:運動麻痺、感覚機能(視力、聴力、皮膚感覚)の異常の有無とその程度
4 健康時の日常生活状態
5 入院後の日常生活状態
6 患者の心理状態とその態度:疾患に対する不安、予後への不安、治療に対する不満など
7 患者の性格:健康時より
8 患者の健康時の生活環境:家族構成と家庭内での位置、職業とその役割、人間関係
9 趣味、レクレーション
10 教育レベル
11 家族の患者に対する反応、疾患に対する反応
T-P(実施)
1 患者の年齢性格、社会的地位などを知りそれに合わせた会話の内容、話し方を工夫して会話の場を多く持つ
2 言語訓練内容も患者の失語レベルのみ考えず、健康時の生活に合わせたものを選択して取り入れる
3 言語訓練時、個室の利用、他患者との交流できる場所などその患者に合った環境を整える
4 患者の興味を示すものを知り、その中から患者の刺激になるものを利用する:ラジオ、テレビ、音楽
5 患者が意思疎通困難により、不安定な精神状態が見られたり問題となる行動が見られた場合、まず患者のそばでじっくり聞く態度を示し苦悩を引き出すようにする
6 患者の成長面を深く励まし、患者に喜びを与え意欲を持たす
E-P(教育)
1 家族に対し言語訓練の必要性を説明し、家族も患者と共に積極的に取り組めるよう指導する
参考資料:標準看護計画
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