バルビツール療法中の患者の看護計画
#1脳浮腫の進行することに関連して脳ヘルニアの危険性がある
目標:バルビツール療法が有効に効き、脳ヘルニアを起こさない
OーP(観察)
1 神経学的徴候
a 意識レベル
b 瞳孔(瞳孔不同、瞳孔異常、眼球運動の異常)
c 対光反射、けいれん
d 四肢の動き
2 VS
3 脳室ドレーンの観察
a リコールの性状
b 量
c 拍動の有無
d 圧の設定
4 外減圧の状態:膨隆、平坦、陥没、ソフト、ハード
5 尿量、CVP、バランス
6 持続的脳圧チェック
7 ECGチェック(パースト、サプレッション)
8 検査データ
9 CT
TーP(実施)
1 チアミラールナトリウム量の確認
2 脳室ドレーンの管理
3 頭部10~20度挙上のセミファーラー位
4 骨片除去している場合は圧迫に注意
#2チアミラールナトリウムによる心筋抑制に関連して循環動態に変化をきたしやすい
目標:循環抑制を最小限にとどめられる
OーP(観察)
1 VS
a 血圧の維持:浸透圧利尿剤を多用する場合が多くhypovolemiaの状態に陥っていることが多い
b ST低下:血圧依存性に低下しやすいので血圧保持が先決、不整脈の出現
2 尿量:尿量、尿比重、水分出納チェック、CVP、電解質
3 抹消循環:チアノーゼ、冷感など
TーP(実施)
1 血圧上昇
2 血圧下降:カテコラミン、チアミラールナトリウム減量、輸血、アルブミン、、降圧因子除去
3 ECGチェック
4 末梢保温
#3咳嗽反射を抑制することに関連して肺炎や無気肺を併発しやすい
目標:肺合併症を起こさない
OーP(観察)
1 VS
2 熱型観察
3 呼吸状態:呼吸音、喀痰性状、量、喀痰培養
4 胸部レントゲン
5 血液ガス
TーP(実施)
1 2時間ごとの体位変換
2 吸引、ネブライザー、肺理学療法
3 口腔内ケア
4 喀痰培養提出
5 場合により、トイレツテイング、気管支ファイバースコープ
#4高調溶液、チアミラールナトリウムなどの薬剤使用に関連して電解質、代謝異常をきたしやすい
目標:脱水や電解質異常を起こさない
OーP(観察)
1 高張液投与前後のVSの変化
2 尿量、尿比重、性状チェック
3 水分出納
4 脱水症状の観察(皮膚、舌の乾燥、発熱、CVP)
5 検査データ:血清電解質、尿電解質、Hb、Ht
TーP(実施)
1 輸液管理
#5覚醒後の循環動態の変動に関連して再度脳圧が亢進する可能性がある
目標:循環動態が安定して脳圧の亢進が予防される
OーP(観察)
1 神経学的徴候:意識レベル、瞳孔反射、対光反射、けいれん、四肢の動き
2 VS
3 外減圧部の状態:頭蓋内圧降下剤使用前後の状態(膨隆、平坦、陥没、ソフト、ハード)
4 脳圧センサモニター
5 吐気、嘔吐の有無
6 CT
TーP(実施)
1 頭部挙上
2 外減圧部の保護
参考資料:標準看護計画
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