#1栄養の消化吸収障害により、低栄養状態や脱水状態になりやすい
目標:貧血、電解質異常、低たんぱく血症状態が改善でき手術にのぞめる
OーP(観察)
1 栄養状態の把握、食事内容と摂取量、腹部症状、尿量
2 検査データ
3 輸血、輸液
TーP(実施)
1 検査のため禁食、延食が続く場合食事摂取量を観察し必要時には医師より輸液などの指示を受ける
2 術前オリエンテーション:術前標準看護柄計画参照
EーP(教育)
1 患者の嗜好などを把握し、経口食は消化の良いカロリーの高いものを摂取するように指導する
2 術前ムンテラの統一
3 高カロリー輸液について説明する
#2胃内容物が排除された状態でなければできない検査が多い
目標:絶飲食の必要性を理解し、術前に必要な検査がスムーズに行える
OーP(観察)
1 検査の対する不安の内容
TーP(実施)
1 禁食、延食の必要の有無を説明し下剤などの与薬を確実に行う
2 バリウム便の場合は便秘傾向となりやすいので、下剤を服用する
3 バリウム便、移行便、普通便の確認
4 検査後はガストログラフイン使用の場合は下痢を起こすこともあるのであらかじめ患者に説明し不安を抱かせない
#3術中の汚染や循環障害、死腔の存在が原因で創部感染を起こすことがある
目標:術後3日目には解熱し、創部の炎症症状がない
OーP(観察)
1 発熱
2 脈拍の増加
3 検査データ
4 創部の硬結、発赤、腫脹、熱感、圧縮
5 ドレーン排液の性状、量の異常
TーP(実施)
1 無菌消毒を第一とする
2 術創の十分な止血とドレナージによる血腫予防
EーP(教育)
1 自分でガーゼを除去しないよう説明する
#4栄養障害や吻合部の血行障害、胃内圧の上昇、感染などが原因で縫合不全を起こすことがある
目標:術後24時間から48時間以内に腸蠕動音が聴収されて、吻合部ドレーンより胃内容物の排出がない
OーP(観察)
1 ドレーンからの排液量、性状、流出状態
2 胃チューブからの量、性状
3 腹膜炎症状
4 創部の状態、色、腫脹
5 検査データ
TーP(実施)
1 ドレーンの管理、ドレーンの固定による自然抜去の予防
2 ドレーンの屈曲、圧迫を予防し指示された体位によりドレナージを図る
3 ドレーン切除後の頻回なガーゼ交換
EーP(教育)
1 ドレーンを自己抜去しないよう説明する
#5 術後2週目頃に吻合部浮腫や瘢痕製収縮により通過障害をきたすことがある
目標:食後の悪心、嘔吐、腹部膨満感などの症状がなく段階的に食事が摂取できる
OーP(観察)
1 食事摂取量
2 悪心、嘔吐
3 腹部膨満感、腸蠕動の性状
TーP(実施)
1 食事は分割摂取とする
2 腹部症状が軽減しない場合、食事中止または遅らせる
EーP(教育)
1 胃切除術後患者パンフレット参照
#6食事摂取により小腸への食物の急速な移動の為、相対的活動、血液量減少による小胃症状、ダンピング症候を起こすことがある
目標:胃切除後に起こり得る症状であることを離解し、食事療法が実施できる
OーP(観察)
1 食事内容
2 食事量
3 食事間隔
4 食後の胃腸症状、心悸亢進、眩暈、冷汗などの有無を食後1時間は注意深く観察する
TーP(実施)
1 食事は分割摂取とする
2 食事は30分以上時間をかけて摂取して食後1時間はベッド上安静が守れる
3 健康時の3分の1を目安に、腹部膨満感を生じない程度に摂取できる
4 ダンピング症状を起こした場合、温かい食事をゆっくりと一口ずつ、流動食は咀嚼するようなつもりで摂取する
5 1回に多量に、糖質の多いもの、脂肪性食品をとることを避け高たんぱくを中心に食べる
6 刺激の強いものは避ける
7 食後2,3時間に、低血糖が起こることがあるので血糖チェックを行う
EーP(教育)
1 パンフレットにて、食事指導を行う
2 退院時の食事指導をパンフレットを用いて再度説明する
3 胃全摘の場合、術後3年以上になるとビタミンB12吸収障害による高色素性大球性貧血が生じることがあるため、消化酵素、鉄剤、ビタミンB12、葉酸等を服用する必要が出てくることを患者や家族に説明しておく
4 栄養状態の指標にするため体重を定期的に測定する
#7幽門形成が行われていない場合は、十二指腸への移行が困難で逆流性食道炎を起こすことがある
目標:保存的療法により悪心、嘔吐、胸焼けなどの症状が軽減できる
OーP(観察)
1 悪心
2 嘔吐
3 むねやけ
4 夜中や明け方に症状が出やすいため夜間の症状もきく
TーP(実施)
1 上半身の挙上によって、食道への消化液の逆流を予防する
2 高たんぱく低脂肪食とし、コーヒー、チョコレート、煙草は控える
3 夜間の逆流に対処するため就寝前の服薬も望ましい
#8ビルロートⅡ法による吻合はまれに輸入脚症候群を起こすことがある
目標:保存的療法により嘔吐、上腹部痛などの症状が軽減し再手術とならない
OーP(観察)
1 上腹部痛
2 嘔吐
3 食欲低下
4 体重減少
5 検査データ
TーP(実施)
1 急性輸入脚症候群の場合手術適応となる:R-Y吻合
2 嘔吐による消化酵素の減少により脂肪の吸収障害が起こるため、低脂肪、高蛋白、高カロリー食とする
3 食後、上半身を挙上し左側臥位をとらせる
参考資料:標準看護計画
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