#1四肢麻痺があるために食事自力摂取が困難である
目標:満ち足りた表情で食事をしている。全量摂取後の満足感がある
OーP(観察)
1 摂取時の状態
a 工夫した体位と食事内容で摂取できているか否か
b 疲労の有無:摂取量、所要時間
c 満足感がえられているかどうか
2 食事前後の全身状態
a 吐気、嘔吐の有無
b 排泄状態
3 利き手使用可能の有無
TーP(実施)
1 患者が一人で食べやすいよう食事内容、食器類を工夫する
a 食事内容:手で食べやすくしたもの(おにぎり、海苔巻き、パン)とり易くしたもの(一口大にしたもの)
b 食器類:とり易くする(スト路を固定したコップ、握りやすいスプーンやフォーク)
2 安楽な体位で食事をする
a 枕を利用し側臥位としたりベッドとテーブル、車椅子とテーブルなどを利用する
b 看護者は患者のそばに居て、工夫した方法で患者が食事を食べられることを確認し、できない部分は介助する。患者の態度も尊重し、焦らず強制せず傍から見守るようにする
c 完全身麻痺の場合:患者の嗜好に合わせて介助する
3 食事時の環境
aエプロンを使用する:ビニール製のもの
b 手拭きを準備する
c 室内の換気を良くし便器や汚れ物を目の届かないところに置き、整理整頓された気持ちの良い環境を整える
d 訓練の目的で食事摂取を試みる為に、食事のマナーに合わないことがあり、これにより他の患者からプライバシーが守られるよう病室で食事をする
EーP(教育)
1 工夫した食事内容と準備品で食事摂取を試みることは、機能訓練の効果アップにつながる
#2麻痺があるため清潔が保たれにくい
目標:落屑や発赤、発疹、脂漏、悪臭がない
OーP(観察)
1 麻痺の程度、清潔度
TーP(実施)
1 麻痺の程度、全身状態など個別的に方法を考える
a 清拭、シャワー浴を行う
b 寝衣交換は健側から脱がせ、患側から着せる
c 洗面が自分でできない人に対しては、モーニング、イブニングケアを行う
d 床上、身の回りを環境整備、検温、体位変換時に行う
#3麻痺があるため自力排泄が困難な場合がある
目標:オムツ交換ができ患者の苦痛を最小限にする。尿意を感じ尿失禁が改善される
TーP(実施)
1 歩ける場合
a トイレ歩行介助:転倒に注意
2 歩けない場合
a ナースコールを押してもらい排尿介助
b 尿器交換を行う
3 尿意のはっきりしない人
a 1~2時間ごとに尿失禁の有無を観察しおむつ交換を行う
b 安楽尿器の使用
c 留置カテーテル留置:膀胱訓練施行
4 プライバシーの保持
5 介助時の精神的ケア
#4歩行障害があり転倒の恐れがある
目標:事故無く安全性が保持される
TーP(実施)
1 床に水が漏れていないように注意する
2 廊下には歩行の妨げとなるようなものは置かない。車椅子ストレッチャーなどどうしても必要なものはストッパーをかけておく
EーP(教育)
1 履物は運動靴をはくよう説明
2 歩行状態に応じて、歩行器、手すりなどを使用するよう説明する
#5急性期、随意運動がなく筋緊張が低下している
目標:筋緊張低下を自覚し、他動的リハビリテーションが受けられる
OーP(観察)
1 麻痺の部位と程度
2 筋弛緩の程度
3 全身状態:栄養状態
TーP(実施)
1 正しい姿勢の保持と体位変換の実施
a せん足予防:毛布、箱又は尖足台にて直角に近い位置に置き下肢の位置や外旋しないよう両側を砂嚢で固定する。重い布団、毛布などは避ける
b 良肢位の保持:マットレスは硬めのもので、スプリントのききすぎるものは避ける。枕は厚すぎないもの。足関節は直角に保ち尖足予防の為垂直足板を用いるがかがとが痛くないようにマットレスと足板の間に溝をつくりかがとが落ちるようにする。
c 約2時間おきに体位変換を行う。麻痺側を下にした側臥位は、麻痺の肩関節を損なう危険があるので健側を下にした側臥位が望ましい
2 他動運動の実施
a 3時間以上の不快感や疼痛が残らない程度に行う。施行前にホットパックなどで関節を温めておく
b ゆっくり気長に行う。結合組織に十分に伸展を加えてひきのばす。
c 開始時期:医師の指示を受けるがレベルが339度方式の2桁程度ませ回復してから行うことがのぞましい。一般的には脳梗塞は発症の次の日から行うのが望ましい。脳出血は再発を考慮し数日後から開始する
#6回復期、筋緊張が回復してくると同時に拘縮の可能性が出てくる
目標:リハビリテーションを積極的に行い拘縮が予防できる
TーP(実施)
1 他動運動の角度を徐々に広げていき、各々の関節可動域内での運動をする
2 自動運動の実施:パンフレットを使用
3 座位訓練の実施
a 45度上半身を挙上し5分間位その状態を保ったのちに寝かせる
b 毎日角度を10度づつ増やすことと時間を10分くらい増やすことを交互に行う。
c 80度30分という状態に達したら、食後前後に2時間の座位をとらせるようにする
d 1日の大半は座った状態で過ごす
e 車椅子の座位、ベッドから背中を離して自力で座る
参考資料:標準看護計画
料理チャンネル→https://www.youtube.com/channel/UCmnwzyXL0ZcT–wDGFuMW5A
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