気管形成術を受ける患者の看護計画

看護計画

目次

気管形成術を受ける患者の看護計画

#1気管狭窄が著しく急激な呼吸困難を起こす恐れがある

目標:補助的手段などにより安楽な呼吸ができる

OーP(観察)

1 呼吸苦

 a 喘鳴、顔色

 b 胸痛、欠神、冷汗

 c 咳嗽

 d 血痰

 e チアノーゼの有無

 f VS

2 狭窄部位の把握

 a 上部

 b 縦隔内

3 狭窄の程度と推移:気管支ファイバーその他の検査にて何%の狭窄か知る

4 全身状態の把握:体重、食欲、精神状態

TーP(実施)

1 運動制限:入浴、歩行の制限

2 医師の指示により酸素投与する

3 気道確保の準備をする

 a 上部狭窄の場合:18G針、トラヘルバー使用、細い挿管チューブ

 b 縦隔内狭窄:細い気管内挿管チューブ挿入

 c ベッドサイドに常に上記物品および吸引、酸素の準備をする

4 医師の指示によりステロイドホルモンの与薬

5 必要以上に不安感を抱かせないように家族、同室者の協力を得る

EーP(教育)

1 呼吸困難出現時は直ちに知らせるよう説明する

2 指示された安静度を守るよう指導する

#2術後の頚胸部最大前屈位の必要性が理解できず不安がある

目標:術前オリエンテーションを受け、マジックギブスの使用に慣れて手術に臨むことが出来る

OーP(観察)

1 手術に対する不安感、理解度の把握

TーP(実施)

1 術前必要物品の点検

 a マジックギブスが陰圧に保てるか否か点検

 b 褥瘡予防マット、バスタオル5~6枚

 c その他、術前準備に準ずる

EーP(教育)

1 術前オリエンテーションの徹底:パンフレット使用

2 マジックギブスについて:パンフレット参照

 a 医師のムンテラ後説明する

 b 患者の性格などを考慮し装着時間を考える

3 マジックギブス使用にて

 a 呼吸訓練

 b 喀痰喀出練習

 c 含嗽練習

 d 床上排泄練習:シビアな安静を要する場合は2週間留置カテーテルを留置する場合もあることを説明する

4 誤嚥予防の為絶飲絶食し、IVH挿入することを説明する

#3吻合部に緊張が加わり吻合部の安静が保てず、縫合不全を起こす可能性がある

目標:吻合部減張の為頚胸部最大前屈位が保持できる

OーP(観察)

1 肺音、呼吸音、喘鳴

2 血痰の有無

3 血液ガスデータ

4 血液一般検査

5 胸部レントゲン所見

6 熱型

7 皮下気腫

8 ドレーン排液

9 呼吸苦の有無

TーP(実施)

1 頚胸部最大前屈位をマジックギブスにて保持する

2 原則として体位変換は行わない

3 頸から後頭部にかけての曲線にマジックギブスカーブを合わせる:頸の後ろに隙間の無いようにする

4 創傷処置時、清拭時は医師看護師3名以上の付き添いで、頚胸部最大前屈位保持のまま一時的にマジックギブスを除去する

5 不眠の対処:医師の指示により注射施行

6 気分転換を図る:ラジオ、雑誌、本、テレビ

7 必要に応じて家族の面会が頻回にできるよう考慮する

EーP(教育)

1 下顎を常に胸につけておく必要性を説明する

2 背中を曲げてベッドからずり落ちないように説明する

[ad]

#4頚胸部最大前屈位を強いられる為意識咳嗽が抑制され、去痰困難となり無気肺、肺炎を起こす恐れがある

目標:意識咳嗽による去痰が出来呼吸が楽になる。

肺切除を受ける患者の看護に準ずる。術後2週間は縫合不全予防の為気管支ファイバーは禁忌である

#5体位強制、経口摂取不可、視野の限定などにより心身ともにストレスが加わる

目標:不安苦痛が除かれ、精神的な安定を保つことが出来る

OーP(観察)

1 患者の言動、表情

2 睡眠状態

3 家族からの情報

TーP(実施)

1 医師、看護師、患者及びその家族間のコミュニケーションを良くし、患者の訴えやすい場面を作る

2 褥瘡予防マット、バスタオル使用により苦痛の緩和を図る

3 環境整備

 a 室温、温度調整

 b ナースコールをとり易い位置に置く

4 わきの下を支え体が下方にずれないようにする

5 マジックギブスのくぼみを枕、バスタオルなどで埋めて平坦にする:マジックギブスは空気を少し入れて中位の硬さの方が形を整えやすい

6 医師の指示により鎮痛剤、鎮静剤を使用する

7 処置を行う時には必ず声をかける

#6各ルートから二次感染を起こす恐れがある

目標:身体の清潔が保つことが出来る

OーP(観察)

1 VS:特に熱型

2 検査データ:CRP、WBC

TーP(実施)

1 清潔

 a 全身清拭

 b 背部清拭

 c 足浴

 d 口腔ケア

 e 陰部洗浄

 f 結髪、アルコール洗髪

2 排泄

 a 排尿:留置カテーテル挿入

 b 排便:ベッド上排泄、体位保持に注意して行う

3 栄養

 a マジックギブスを使用中、経口摂取禁止

 b IVH施行:ルート交換:週2回

#7マジックベッドによって体動が制限され、褥瘡ができる恐れがある

目標:全身の皮膚が良い状態に保たれる

OーP(観察)

1 皮膚の状態:時に好発部位、マジックベッドによる圧迫

2 背部の発汗の有無

TーP(実施)

1 塾創予防マット、円座などを使用し同一部位の圧迫を防止する

2 必要時、医師と共にマジックベッドを作り直す

3 清拭をし、リネンを交換する

4 マッサージをする

#8術後2週間でマジックギブスを外し、スムーズに行動範囲を広げられない

目標:通常2週間でマジックギブスが除去でき、体動、経口摂取が開始できる

TーP(実施)

1 術後2週間目に気管支ファイバー施行:縫合部の状態によってマジックギブスが除去され高枕使用となる

2 マジックギブス除去後、飲水食事摂取開始

 a まず飲水し誤嚥がないことを確認する

 b 2日ごとに5分がゆ、全粥、常食とする

 c 全粥摂取量にて輸液が中止となる

3 筋力低下に注意しながら行動範囲を広げる

 a ベッド上での自力による剤の保持

 b ベッド周囲の歩行

 c 上肢挙上運動

4 留置カテーテル抜去:自然排尿の確立

参考資料:標準看護計画

コメント

タイトルとURLをコピーしました