膝の靱帯損傷患者の看護計画

＃１靱帯損傷による膝痛や歩行障害がある

目標：膝への負担が軽減でき、円滑な入院生活を送ることが出来る

OーP（観察）

１　靱帯の損傷程度

2　スポーツ歴、スポーツ復帰の意志

3　炎症症状：疼痛、腫脹、熱感、発赤

4　ROM

5　歩行状態

6　膝の不安定性

7　筋力低下

8　肥満度

9　ADL：特に移動動作、トイレ動作

TーP（実施）

1　医師の指示により鎮痛剤使用

2　症状が強く、安静保持が必要な場合はADLの援助

3　必要時患部冷罨法

EーP（教育）

1　膝の安静の必要性と方法について指導

　a 　シャーレ、サポータなどの使用

　b　松葉づえ、車椅子使用

2　疼痛時は報告するよう指導

3　肥満度２０％以上に対しては体重コントロールの指導

＃２靱帯修復に関連する不安がある

目標：手術に対する理解が出来、術前練習を通して安心が得られる

OーP（観察）

1　患肢のROM

2　疾患の理解度

3　不安内容

TーP（実施）

1　手術説明後の理解度の確認

2　術前オリエンテーション

　a　手術に関連してのパンフレット使用

　b　疾患に関連してのパンフレットの使用

3　不安内容に対する説明

EーP（教育）

1　不安が言えるような雰囲気をつくる

＃3手術による膝周囲の腫脹が起こり、循環障害が起こる可能性がある

目標：患肢の安静が保持でき、症状の変化が正しく報告できる

OーP（観察）

1　創痛

2　出血、ガーゼ汚染：SBバック内の出血量

3　肢位

4　患肢の循環障害：腫脹、浮腫、皮膚色、冷感

5　患肢の神経障害：足趾・足関節の動き、しびれ

TーP（実施）

1　下肢を挙上する

　a　安楽枕を使用し膝軽度屈曲位をとる

　b　布団を患肢に直接かけないよう離被架を使用

2　術直後より膝窩部の冷罨法（２４時間）

3　出血、腫脹、創痛、出現時医師に報告

4　足趾・足関節の底背屈不良時、医師に報告

5　医師の指示により鎮痛剤の使用

EーP（教育）

1　創痛の増強、下肢のしびれ出現、足趾・足関節の動き不良時は報告するよう説明する

2　患肢の安静と挙上を守るように説明

＃4靱帯修復術直後は、過度の運動により再断裂の危険性が高い

目標：制限された運動が守れる

OーP（観察）

1　患肢の運動

2　運動時の創痛

3　患肢の腫脹

4　持続的関節他動運動装置の設置状況

5　二―ブレースの装着状態

TーP（実施）

1　持続的関節他動運動装置の装着と管理：運動開始時に角度を確認

2　創痛腫脹出現時、医師に報告する

3　リハビリテーション終了後、患肢の冷罨法

EーP（教育）

1　リハビリテーションのプログラムについて説明

　a　制限の必要な運動：等尺性の大腿四頭筋訓練（４週目より開始）

　b　持続的関節他動運動装置：２日目から２週間目まで施行

　c　自動運動：ROM練習（リハビリテーション室にて）

2　患肢免荷による杖歩行練習

3　歩行訓練時の二―ブレース装着

＃5膝の運動制限により靱帯の癒着や筋委縮が起こるため、ROMの拡大が遅れる可能性がある

目標：意欲的に継続したリハビリテーションンが行える

OーP（観察）

1　創痛

2　腫脹、熱感

3　ROM

4　筋委縮

5　リハビリテーションンに対する意欲

TーP（実施）

1　リハビリテーションン前：ホットパック、リハビリテーションン後：冷罨法

2　ROM測定：リハビリテーションン後（毎日）

3　医師の指示により鎮痛剤使用

4　リハビリテーションンの進行に合わせ激励

EーP（教育）

1　ROM拡大と筋力トレーニングを指導

2　退院指導を行う

　a  リハビリテーションンプログラムの説明

　b　二―ブレース装着

　c　患肢の部分荷重を開始

　d 　 リハビリテーションン

　e　定期的な外来受診の必要性

参考資料：標準看護計画