強皮症患者の看護計画

免疫系看護計画

目次

#1レイノー症状に関連する手のしびれと痛みがある

目標:レイノー症状に対する自己管理ができる

OーP(観察)

1 皮膚の色、しびれ、冷感、痛みの程度

2 レイノー症状の持続時間と部位、回数

3 誘発原因:冷水、寒冷、精神不安

4 サーモグラフイーの結果

TーP(実施)

1 室温を20度以上に保つ

2 換気は窓を少しづつ開け、急激な温度変化は避ける

3 処置時は室温、掛物を調整する

4 検査、処置、回診は事前に知らせる

5 入院時、日当たりのよい部屋を考慮する

6 プロスタンデイン製剤の点滴の管理をする

EーP(教育)

1 下記の指導を行う

a 常時手袋の着用

b 洗面、手洗いは温水の利用

c レイノー症状発生時、直ちにカイロ、手袋で温める

d プロスタグランデイン軟膏の塗布

2 パンフレットウィ使用し、日常生活指導を行う

3 レイノーノートの記載を指導する

#2末梢血液循環不良の為、皮膚が傷つきやすく感染しやすい

目標:皮膚の損傷を防ぎ清潔に保護できる

OーP(観察)

1 深爪、指爪、潰瘍、小さい傷の有無

2 皮膚の発赤、腫脹、疼痛、排膿、浸出液

3 発熱の有無

TーP(実施)

1 ベッド周囲の整備を行う

2 創がある場合は消毒を行う

3 全身の保清に努める

EーP(教育)

1 下記の指導を行う

a 常時手袋を着用する

b 刃物、針の取り扱いに注意する

c 動作はゆっくりと行う

d ローションクリームで乾燥を予防する

e ウオシュレットを利用し、陰部を清潔に保つ

f 含嗽、歯磨きで口内を清潔に保つ

#3抹消循環障害の為ADLに支障がある

目標:ADLが自立でき日常生活に支障をきたさない

OーP(観察)

1 皮膚の萎縮、硬化、浮腫、こわばり、疼痛、しびれ

2 四肢末端レントゲン

3 ADLの範囲

TーP(実施)

1 ナースコールを手元に置く、ナースコールは押しやすいものにする

2 全身の保清に努める

3 配膳、食事の準備をする

EーP(教育)

1 下記の指導を行う

a マジックテープ式の下着を利用

b 末梢から中枢に向かってマッサージする:1日2回

c 入浴中の四肢の屈伸、指折り運動

d スプーン、フォークを利用する

e 手袋靴下の着用を心がける

f ポータブルトイレ、尿器の利用

g 歩行器の利用

h 電気毛布、湯たんぽ、アンかの利用

#4抹消循環障害の為、壊死がある

目標:出血疼痛が無く組織の再生がなされ感染、悪化しない

OーP(観察)

1 潰瘍、壊死の部位、大きさ

2 皮膚の色、浸出液の量、色

3 皮膚の発赤、腫脹、浮腫

4 疼痛の程度

5 組織の脱落の程度

6 総蛋白値、アルブミン値

7 体重、食事摂取量

TーP(実施)

1 毎日消毒し軟膏塗布しガーゼ交換を行う

2 弾力包帯、ストッキネットで保護する:強く装着しない

3 体位変換:2時間ごと

4 全身の保温に努める

5 高カロリー輸液の管理を行う

EーP(教育)

1 補食の指導

2 長時間同一体位をとらない

#5外観上症状があり、コンプレックス、不安がある

目標:精神的に安定し、人間関係が良好で相談相手ができる

OーP(観察)

1 患者の言動

2 イライラ感、うつ状態、興奮状態

3 睡眠状態、睡眠時間

4 他の患者、看護師との人間関係

TーP(実施)

1 ベッドサイドでゆっくり話を聴く

2 おおらかな態度で話を受け止める

3 他の患者との人間関係の調整に努める

4 看護師と家族、患者が話し合う機会を持つ

5 不眠時、医師指示で睡眠剤の与薬を行う

6 状態が良く、希望があれば外出、外泊を計画する

EーP(教育)

1 読書テレビ雑談などで気分転換を図るよう指導する

#6抹消循環障害の為四肢切断を余儀なくされ、受容できない

目標:手術の必要性が納得できる

OーP(観察)

1 患者の言動、睡眠状態

2 手術に対して又は手術後の不安、恐怖、絶望感

3 将来の不安

4 ムンテラの理解度

5 家族の協力状態

TーP(実施)

1 医師患者家族を交えて手術に対するムンテラを行う。手術後の状態、生活能力についても十分話し合う

2 不眠を訴える場合は早めに薬物療法を行う

3話を聴く機会を多く持つ(気持ちを開放する)

#7肺線維症、呼吸器感染による咳嗽、呼吸困難、熱発がある

目標:感染予防が出来安静がたもて安楽である

OーP(観察)

1 VS

2 呼吸困難の程度、チアノーゼ

3 咳嗽、痰の量、性状、色、咳嗽による筋肉痛

4 悪寒、戦慄、発汗

5 呼吸音、血液ガス、胸部レントゲン、WBC、CRP、ESR

TーP(実施)

1 安楽なセミファーラー位をとる

2 安静の保持

3 医師の指示で酸素吸入を開始する

4 医師の指示で去痰剤の与薬を行う

5 タッピング、体位ドレナージをする

6 咳嗽が激しい時医師の指示で、鎮咳剤の与薬を行う

7 発熱時は冷罨法と医師の指示で解熱剤の与薬を行う

8 保温、保清の介助、発汗時は寝衣、シーツ交換をする

EーP(教育)

1 以下の指導を行う

a 1日2回、朝夕深呼吸を行う

b 効果的な咳の仕方、痰の出し方

c 咳嗽、歯磨き

d 外出時マスクを着用する

#8ステロイドパルス療法により副作用が出現しやすい

目標:イライラ感が無く、副作用の症状が分かり自己管理できる

OーP(観察)

1 VS

2 食事摂取量

3 便の回数、性状、便潜血

4 吐気、嘔吐、吐血、下血の有無

5 血糖値、飲水量、尿量、口渇の有無

6 呼吸器感染症状、尿路感染症状

7 睡眠状態

8 精神状態:イライラ感

9 表情、言動

TーP(実施)

1 医師の指示で抗潰瘍剤の与薬を確実に行う

2 便潜血陽性の場合は食事を変更する

3 吐血下血があれば絶食とする為、補液を管理す安静が保てるよう援助する

4 イライラ、不眠が強い時は医師の指示で安定剤、睡眠剤を与薬する

5 精神状態が不安定になるため自殺などの危険防止にちゅいする:巡視時の確認

6 高血糖であれば医師の指示で治療食に変更し、インスリン血糖降下剤の与薬を行う

EーP(教育)

1 以下の指導をする

a 便の色、性状を観察する

b 含嗽の励行

c 傷をつくらない

d 高血糖がある場合、糖尿病のパンフレット参照

#9悪性高血圧症による頭痛、吐気がある

目標:収縮期血圧150以下でコントロールでき、随伴症状が無い

OーP(観察)

1 VS

2 吐気、嘔吐、食事摂取量

3 頭痛の程度、気分不快、動悸、眩暈

TーP(実施)

1 検査、食事、トイレ以外はベッド上安静となる

2 医師の指示で減塩食に変更する

3 排泄物や吐物はすぐに取り除く

4 医師の指示で制吐剤、鎮痛剤の与薬

5 医師の指示で降圧剤の確実な与薬

6 血圧上昇時、絶対安静し医師に報告する

7 安静、食事療法の必要性を説明する

EーP(教育)

1 飲水チェック指導

2 検査で絶食する時の正しい降圧剤の飲み方の指導

#10悪性高血圧症による腎不全の可能性がある

目標:生活上の注意点が理解でき、自己管理できる

OーP(観察)

1 尿量、飲水量、水分出納

2 浮腫、体重

3 BUN、クレアチニン

4 VS、意識レベル

5 吐気、嘔吐、倦怠感、頭痛などの症状

TーP(実施)

1 安静、およびADLの介助を行う

2 医師の指示で正確な輸液管理と利尿剤の与薬を行う

3 全身の保温に努める

4 医師の指示で高カロリー、低たんぱく、低ナトリウム食とする

5 水分を1日600~800ccに制限する

EーP(教育)

1 安静、食事療法の必要性を指導する

#11腸管委縮による消化不良症候群を起こしやすい

目標:便通が自己コントロールでき、肛門周囲が清潔に保たれる。また適切な食事摂取ができる

OーP(観察)

1 便の回数、量、性状、排ガス、腸蠕動、腹部膨満感、腹痛

2 腹部レントゲン

3 痔の有無、肛門痛、出血及び皮膚の状態

4 尿量、尿比重、水分出納、皮膚の状態、CVP

5 倦怠感、脱力感、口渇

6 しびれ感、電解質データ、意識レベル

TーP(実施)

1 腹部、腰部の保温に努める

2 消化しやすく柔らかい食事にする

3 高蛋白、高ビタミン、高カロリー食とする

4 医師の指示で整腸剤の与薬を行う

5 正確な補液、IVHの管理を行う

6 口腔内のケア、含嗽の介助をする

7 沐浴剤、オリーブ油で皮膚の保護をする

8 血圧下降時、下肢を挙上し医師に報告する

9 便秘で苦痛時は医師の指示で緩下剤の与薬を行う

EーP(教育)

1 以下の指導を行う

a 排便後ウオシュレット使用又は塩化ベンザルコニウムで肛門部を消毒する

b 飲水チェック

c 便の性状の観察

d 便秘時、腹部マッサージまたは適度な運動、十分な水分補給、線維の多いものをとる

#12腸管委縮に起因する麻痺性イレウスによる苦痛がある

目標:腸管の機能が正常化し腹痛が無い

OーP(観察)

1 腸蠕動、排ガス、便の回数、量、性状

2 腹痛、腹部膨満感、吐き気、嘔吐

3 腹部レントゲン

4 VS、冷感、ショック症状

TーP(実施)

1 絶飲食とする

2 絶対安静とする

3 イレウス管挿入時の管理:確実な固定、排液の量と性状の観察

4 上半身を挙上し安楽な体位をとる

5 医師の指示でパンテチン、ジノブロストを正確に与薬する

#13メタルカプターゼ内服による腎機能障害がある

目標:日常生活の注意点を理解し実行できる

OーP(観察)

1 尿量、水分出納

2 BUN、クレアチニン

3 吐気、嘔吐、倦怠感、頭痛、浮腫

TーP(実施)

1 適度な安静、保温に努める

2 利尿剤の正確な与薬を行う

3 メタンカプターゼの増減は確実に行う

4 検査データにより医師の指示で減塩食に変更する

EーP(教育)

1 塩分制限、安静の必要性を理解する

#14メタルカプターゼ内服により、血小板減少がある

目標:日常生活の注意点を理解し自己管理できる

OーP(観察)

1 血小板値

2 全身の皮膚、粘膜の出血班の有無

3 採血、処置後の止血状態

4 出血時間

5 消化器症状、便潜血

TーP(実施)

1 採血、処置後の確実な止血をする

2 医師の指示で抗潰瘍剤、胃粘膜保護剤の与薬を行う

3 清拭時は強くこすらない

EーP(教育)

1 歯ブラシは柔らかいものを使用するよう指導する

2 下着は柔らかい綿類を使用するよう指導する

3 入浴時は強くこすらないよう指導する

#15メタルカプターゼ内服により肝機能障害がある

目標:指示された安静を守り療養できる

OーP(観察)

1 GOT、GPT、LDH、ALP

2 倦怠感、食事摂取量、腹部症状、便通

3 黄染、掻痒感

TーP(実施)

1 安静の必要性を説明しさらに食後2時間の安静を保持させる

2 医師の指示で高カロリー、高ビタミン、高たんぱく食とする

3 発汗、発熱などで掻痒感が増すのでこまめに清拭する

EーP(教育)

1 高カロリー、低脂肪食の指導をする

#16ステロイドホルモン使用に関連する副作用が出現しやすい

目標:副作用の症状が分かり、自己管理できる

OーP(観察)

1 VS

2 食事摂取量、便の回数、性状

3 吐気、嘔吐、吐血、下血の有無、便潜血

4 血糖値、口渇の有無、飲水量、尿量、体重

5 呼吸器感染症状、尿路感染症状

6 睡眠状態、イライラ感、精神状態

TーP(実施)

1 吐血、下血時の安静と絶食、補液の管理をする

2 いらいら、不眠が強い時医師の指示で睡眠剤を与薬する

3 高血糖であれば医師の指示で糖尿病食に変更して、インスリン、血糖降下剤の与薬を行う

EーP(教育)

1 以下の指導を行う

a 便の色、性状の観察

b 含嗽の励行

c 傷をつくらない

d 標準体重を保つ

#17退院後も継続治療と自己管理が必要である

目標:自己管理方法を十分理解し、日常生活に不安が無い

EーP(教育)

1 退院指導を行う

a 寒冷を避け、部屋は快適な温度、湿度を保つ

b かためのベッドを使用し関節を伸展位に保つ

c 運動障害がある場合は家の中を整備し、危険防止に注意する

d 過労は避けるが適度な運動は心がける

e レイノー症状出現時は速やかに保温する

f レイノーノートの記載に心がける

g 水仕事、洗濯時は手袋を使用する

h 疲労感の強い時はなるべく早く睡眠をとり休息を心がける

i 寒い季節の外出や強い冷房の効いた場所期は近寄らない

j 含嗽を励行する

k 下着は刺激の少ない吸湿性の良い綿類を使用する

l 食事は高カロリー、高蛋白、高ビタミン、固いものは避け消化しやすい食品を摂取する

m 嚥下困難がある場合は少量づつ数回に分けて摂取する

n ステロイドホルモン剤治療薬は確実に内服する

o 定期受診を怠らない

参考資料:標準看護計画

料理チャンネル→https://www.youtube.com/channel/UCmnwzyXL0ZcT–wDGFuMW5A

コメント

タイトルとURLをコピーしました