シャイドレーガー症候群患者の看護計画
#1起立性低血圧があり転倒の危険性がある
目標:危険防止に努め、体動、歩行時は安全に留意し行動することが出来る
OーP(観察)
1 坐位、起坐位の血圧:1回/週
2 意識レベルの程度
3 歩行状態
TーP(実施)
1 ベッドギア、歩行器の使用を促すとともに転倒による危険防止に努める
2 ベッド柵の使用、身長にあったベッド下の高さの調整をする
3 環境整備に努める
4 スリッパを使用しないで運動靴をはく
EーP(教育)
1 体動はゆっくりと行う。またふらつきのひどい時は一人で動かないように説明する
#2運動障害があり日常生活が円滑に行えない
目標:残された機能を最大限に活用しADLを拡大する。または不自由なことは援助が受けられる
OーP(観察)
1 患者自身がどこまで自分でできるか把握する
TーP(実施)
1 日常生活の援助をする
2 時間を決めて自動運動、他動運動を行い筋力低下を最小限にするように援助する
a 軟球の握りしめ等により握力の回復に努める
b 下肢、上肢の挙上運動、屈曲運動など
3 適宜体位変換を行う
EーP(教育)
1 日常生活は、できる範囲のことは自分でするように説明する
もう一度ドラと歩きたい―シャイドレーガー症候群と言われて | ||||
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#3膀胱障害の為排尿障害がある
目標:用手、腹圧排尿方が習得でき自然排尿が確立される
OーP(観察)
1 尿:性状、回数、量のチェック
2 残尿感、膀胱炎症状
TーP(実施)
1 用手、腹圧排尿法が実際にできているかどうか確認する
2 排尿訓練の際、安心してできるよう環境を整える
3 膀胱炎にならないよう、陰部の清拭保持に努める
4 残尿感のある場合は残尿量のチェックを行う
EーP(教育)
1 自然排尿を試みる:スムーズにできない場合は手圧または腹圧をかけるよう指導する
2 排尿困難があるからと水分摂取を控えるよう説明する
#4間欠的自己導尿の実施に伴う感染の可能性がある
目標:清潔操作を習得でき、自ら感染予防に努めることが出来る
OーP(観察)
1 自己導尿時の手技
2 膀胱炎症状
3 尿の性状、量
TーP(実施)
1 手技については最初は看護師と一緒に行い、徐々に必要時介助し習得できるように援助する
EーP(教育)
1 間欠的自己導尿パンフレットを用いて指導する
2 手技について不明な点は聞くように説明する
#5直腸障害があり排便困難がある
目標:なるべく下痢や浣腸に頼らなく自然に排便ができる
OーP(観察)
1 便秘の有無、便の性状
2 腹部症状
TーP(実施)
1 時間を決めて車椅子トイレ、ポータブルトイレへ誘導する
2 腹部膨満及び緊満の程度により、患者に合った方法で排便の援助をする:浣腸、摘便、座薬の使用
EーP(教育)
1 温罨法及び腹部マッサージを指導する
2 食物は繊維性のものを摂取するよう指導する
3 適度な運動を促す
4 水分摂取をいつもより多く飲用するように説明する
#6構音障害があり意思の疎通が図れない
目標:負担を感じないで自分に合った方法でニーズを伝えることが出来る
TーP(実施)
1 根気よく患者の伝えようとしている言葉を理解するように努める
2 患者の発語は聞き流さず理解できるまで確認する
3 頻回に訪室しコミュニケーションを図る
4 障害の程度に合わせて文字盤、筆談を使用する
EーP(教育)
1 ゆっくりと大きく口を開け発生するように説明する
2 日中1回は50音の発声練習をするよう指導する
#7嚥下障害があり誤嚥の危険性がある
目標:食事内容を工夫することで誤嚥を起こさない
OーP(観察)
1 嚥下、咀嚼状態
2 食事摂取量、食事状況
TーP(実施)
1 食事は状態に応じてきざみ食とする
2 ベッドサイドに吸引の準備をしておく
3 水分を十分に補給し喀痰の喀出を援助する
4 適宜吸入などを施行する
5 食事は必ず坐位で摂取する
EーP(教育)
1 食事中は落ち着いた雰囲気でゆっくりと摂取するよう指導する
#8細かなことが出来にくく清潔が保てない可能性がある
目標:皮膚の清潔保持が出来二次感染を起こさない
OーP(観察)
1 皮膚の状態
TーP(実施)
1 入浴清拭陰部洗浄足浴などは、患者のADLに合わせて計画し清潔に努める
2 自律神経失調のため発汗も多いので、保清回数は状態に応じて検討する
EーP(教育)
1 時間がかかってもできるだけ自分で行うよう指導する(日常生活動作を行うことが一番効果的なリハビリであることを説明する)
#9経過が長いため精神的に不安定となり、闘病意欲を失う可能性がある
目標:不安は口に出して表現でき、精神的に安定した状態で入院生活が送れ闘病意欲を持ち続けられる
OーP(観察)
1 患者の言動、表情
2 精神状態
3 疾病、予後の理解度
TーP(実施)
1 看護師は統一した態度で接する
2 気分転換を図る:散歩、テレビ、ラジオなど
3 1日の生活パターンを患者と共に計画する
4 コミュニケーションを多く持ち受容の態度で接する
5 急激な症状の悪化は通常みられず、生命に危険性のある疾患ではないので医療の進歩により治療薬の開発される可能性もあることを話し希望を持たせる
EーP(教育)
1 医師より疾病、予後について説明を受けた後は患者の理解度を確認し不十分な点は追加指導を行う
2 不安心配なことは何でも話すように説明する
参考資料:標準看護計画
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