重症筋無力症患者の看護計画

1 重症筋無力症患者の看護計画

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#1眼筋障害に起因する眼瞼下垂、複視により外傷の危険性がある

目標:外傷の危険から身を守ることが出来る

OーP(観察)

1 眼筋障害の発症、程度、左右差

2 複視の程度、羞明感の有無

TーP(実施)

1 複視により生活に支障が生じれば、眼帯を使用する

2 出来る限り訴えに耳を傾け不安を軽減する

3 複視、眼瞼下垂の強度の場合は階段の昇降や自動車の運転は禁止する

4 ベッド周囲の整理

5 刃物などは使用しない

EーP(教育)

1 経過が長い場合は眼筋障害の程度に合った日常生活の工夫や、危険防止対策を自ら考えるように指導する

#2四肢脱力により日常生活に支障をきたしやすい

目標:脱力の強い時は、増強させる動作を自ら控え不自由なことは依頼できる

OーP(観察)

1 四肢脱力の程度

2 四肢の運動障害

3 ADLの程度

4 患者の言動

TーP(実施)

1 脱力の程度により必要に応じてADLの援助を行う

2 心身の過労、ストレスが症状を悪化させるので規則正しい日常生活を送る

3 運動することで症状が増強することもあるので注意する

4 普段からコミュニケーションを十分にとり信頼関係をつくる

EーP(教育)

1 筋脱力の少ない時間帯を有効に使い、なるべくエネルギーを消耗しない動作を保持させるように指導する

2 脱力の程度は日内変動があり、休息によっては一時回復することを説明する

3 症状憎悪時は医師又は看護師に報告するよう指導する

#3球麻痺症状により誤嚥し肺炎を起こす可能性がある

目標:嚥下困難が強い場合は経口摂取を自ら控え、誤嚥を未然に防止できる

OーP(観察)

1 嚥下、咀嚼状態

2 言語障害

3 食事の状況、食事内容

4 口腔内に食物がたまる感じの有無

TーP(実施)

1 食事時は必ず座位をとる

2 誤嚥時に備え、吸引器を準備する

3 嚥下障害が強い場合は、医師の指示により経管栄養の準備、管理を行う

4 薬効のある時は食事ができることを配慮し、内服時間を工夫する

5 患者の状態に応じて食事内容を工夫する(軟飯、きざみ食、粥、卵豆腐、ヨーグルトなど)

6 病院食が摂取困難な場合は家族に依頼し、差し入れを持参してもらう

EーP(教育)

1 嚥下困難が強い時は無理をせず絶食にするよう指導する

2 食事時はゆっくりと咀嚼、嚥下するよう指導する

#4気管切開の為発声できないので、コミュニケーションが十分に図れない

目標:自分に合った方法でニーズが表現でき意思の疎通が図れる

OーP(観察)

1 表情及び不安の程度

2 意思疎通について

TーP(実施)

1 筆談、文字盤を使用し意思の疎通を図る

2 簡単な合図を工夫する

3 家族に協力を依頼し、患者の精神的な苦痛、ストレスがたまらないようにする

4 訴えは一所懸命に聞く

EーP(教育)

1 焦らずゆっくりと意思を伝えるよう説明する

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#5鼻腔栄養チューブ挿入による疼痛、不快感がある。また口内が不潔になりやすい

目標:疼痛、不快感が軽減し口内の清潔が保たれる

OーP(観察)

1 鼻腔栄養チューブ挿入部の発赤、腫脹の有無

2 口腔内の状態

3 チューブ不快感、疼痛の有無

TーP(実施)

1 テープをしっかり固定し、チューブの動揺を少なくする

2 鼻腔栄養チューブが患者の視野を遮ったり、鼻粘膜をこすったりしないように固定する

3 朝夕食後の歯磨きができるよう援助し、含嗽を頻回に行う

#6ステロイドホルモン使用に関連して、副作用特に感染症を起こしやすい

目標:自覚症状出現時は、医師又は看護師に報告でき副作用が最小限にとどめられ感染予防に努めることが出来る

OーP(観察)

1 ステロイドホルモンの副作用の有無

TーP(実施)

1 身体を常に清潔に保つ

2 副作用出現時は医師に報告する

EーP(教育)

1 薬の量は正確に服用するように説明する

2 白血球減少時はマスクの着用、含嗽の励行を指導する

3 副作用について説明し、出現時は知らせるよう指導する

#7抗コリンエステラーゼ剤による副作用出現の可能性がある

目標:症状出現時は、医師又は看護師に報告でき副作用を最小限度にとどめることが出来る

OーP(観察)

1 発汗、流涙、下痢、腹鳴、腹痛

2 四肢の脱力、嚥下障害、胃部症状

TーP(実施)

1 嚥下障害が強い場合は医師の指示で経管栄養を開始

2 副作用出現時は医師に報告する

EーP(教育)

1 正しい服用方法と過剰服用の危険性を指導する

2 副作用について説明し、出現時は知らせるように指導する

#8クリーゼを起こす可能性がある

目標:症状出現時は早期に報告できる

OーP(観察)

1 筋無力症クリーゼ又はコリン作動性クリーゼ

2 呼吸状態、胸部症状

3 感情の変化

4 鎮静剤、抗生物質、筋弛緩剤使用のチェック

5 クリーゼについての理解度

TーP(実施)

1 呼吸困難発見時は適切な呼吸管理を行う(気道確保、挿管の準備)

2 喀痰が気道閉塞の原因となるため、吸引準備をする

3 コリン作動性クリーゼ発症時は、医師の指示で抗コリンエステラーゼ剤を中止する

EーP(教育)

1 クリーゼの症状について医師より説明してもらう

2 感染、疲労、ストレスがクリーゼを誘発するので、健康管理の重要性を説明する

#9疾病、生活環境の変化、治療に対する不安やそれがある

目標:入院生活に適応でき、病識を持つことで不必要な不安を抱かない

OーP(観察)

1 入院生活態度

2 睡眠状態

3 患者及び家族の言動

TーP(実施)

1 看護師を信頼できるよう患者のそばに居て、適切な心身の接触を通じ、無関心でないことを示す

2 不安が表出しやすい雰囲気づくりに努める

EーP(教育)

1 治療法やその効果について説明し、疾病の理解を深める

2 適切な方法で経過と看護について説明する

3 予測される治療や看護の順序、特別な処置、検査、入院期間などについて前もって説明する

4 医師看護師は常にそばに居ることを説明する

5 精神が身体に及ぼす影響を説明し、ストレスが病状に悪影響を及ぼすことを説明する

参考資料:標準看護計画

#10眼瞼下垂や疲労の為に、身体の動作に障害がある

目標:動作と疲労の程度を理解することで、日常生活リズムを整えることが出来る

OーP(観察)

1 眼瞼下垂の症状と程度

2 複視の症状と程度

3 眼球運動障害の程度

4 眼症状の日内変動

5 脱力感、疲労感の部位、程度と日内変動

6 歩行又は運動障害の程度

7 患者が希望する活動内容と程度

TーP(実施)

1 生活環境を整理し、動作がスムーズに行えるようにする

2 経過表に症状や服薬内容、時間、治療内容を記す

3 疲労や脱力の為動作が十分でない時はナースコールをすぐに押せるような場所に置く

4 移動時は転倒を予防できるように、いぇすりや歩行器などの使用を勧める

EーP(教育)

1 症状軽減時に生活動作を行うことを勧める

2 症状の出現に対して説明する

3 症状変化管理ノートを記録するように勧める

4 1日に数回の休憩をとるよう説明する

#11筋力低下の為にセルフケア不足である

目標:症状の変化に合わせ、自助具の使用や手助けを求めることが出来る

OーP(観察)

1 症状や治療による変化

2 四肢体幹の筋力、上肢や下肢の挙上時間の測定

3 脱力感、疲労感の部位・程度

4 誘発筋電図反応

5 ADL

6 日内変動

7 ADLに対する希望

TーP(実施)

1 症状軽減時にできるケアを計画する

2 残存機能や自分でできる動作を生かした援助を行う

3 症状の変化に合わせ、こまめに患者とセルフケア援助内容について話し合う

4 患者が必要なADL援助を決定できるように意思を尊重する

EーP(教育)

1 症状について医療者や家族に伝えるように説明する

2 動作時に日常生活を自分で行う満足感や介助による快適さを感じてもらえるように説明する

#12病気の進行や予後に不安がある

目標:病気に対する感情や思いを表出できる

OーP(観察)

1 病気の予後治療についての意志からの説明内容と患者の理解

2 病気に対する感情や思い

3 不安の生理的徴候(表情、睡眠状態など)

4 不安の程度

5 患者が気持ちを表出しやすい人

TーP(実施)

1 患者が思いを表出しやすい雰囲気をつくり関わる機会を多くする

2 患者の話を聴き支援したいと思っていることを態度で示す

3 患者の希望があれば病気と共存できている他の患者と話ができる機会を設ける

4 苦痛を緩和できるよう環境を整える

5 家族や友人などの協力を得、落ち着ける空間をつくれるよう配慮する

EーP(教育)

1 症状が強い時は軽減できるので、我慢せずに伝えるように説明する

2 家族に患者の病気の理解と根気強い介助が必要であることを説明する

3 クリーゼの前駆症状について説明し、症状出現時は早く受診するかもしくは医療者に伝えるよう指導する

4 クリーゼが起こった時の為に、家族に救急法の指示を行う

5 薬物を決められたとおりに服用することの重要性や副作用について説明する

6 患者が希望すれば重症筋無力症患者の会を紹介する

#13胸腺摘出術の術後合併症が出現する恐れがある(感染、出血、疼痛など)

目標:手術後に出血や感染を起こさない

OーP(観察)

1 創部の状態:創周囲の腫脹・発赤の程度

2 創部の出血の有無塗料、性状

3 手術中の出血量

4 創部痛の程度(安静時と体動時)

5 創部痛のADLや活動、睡眠への影響

6 鎮痛薬の種類と量

7 血液検査

8 バイタルサイン

9 ペインコントロール

10 創があることでのボディ・イメージ

TーP(実施)

1 体動時は創部を抑えるようにすると痛みがやや軽減する

2 体位を工夫する。安静時には安楽な体位都市、起き上がり時は痛みが少なくなるように介助する

3 患者の疼痛は医師に報告し、我慢しすぎないようにする

4 点滴管理を行う

5 無菌操作で創部ドレッシングを交換する

EーP(教育)

1 痛むときは我慢せず伝えるように説明する

2 術後の頚かについて説明する

参考資料:疾患別看護過程

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