食道癌の看護計画

食道癌の看護計画

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#1嚥下困難や食欲低下の為に低栄養状態にある

目標:栄養が改善する。再建された食道の特徴に応じた食事摂取ができる

OーP(観察)

1 経口摂取量:1日摂取総カロリー、回数、内容

2 水分バランス:尿量、摂取水分量、中心静脈圧

3 電解質バランス

4 血性蛋白、アルブミン

5 貧血の有無:ヘモグロビン、Ht、顔色、結膜の蒼白

6 身長/体重比、体重の変化

7 食欲、吐き気、嘔吐の有無

8 つかえ感、嚥下困難感

9 誤嚥症状:むせ、発熱、喀痰の増加、肺炎症状

10 ダンピング症候群の有無:冷汗、手指振戦など低血糖症状、動悸、めまい、腹部膨満感

TーP(実施)

1 咀嚼しやすく適度な粘りがあり、密度が均一で食道壁にくっつかない食物を選ぶ

2 極端に熱いもの、冷たいもの、濃い味付け、油の多いもの、刺激物は避ける

3 消化の良い物を選択する

4 少量づつ、分割(6~8回/日)摂取させる

5 常態を30度程度起こすか姿勢よく座り、ゆったりした気持ちでよく噛み、ゆっくり摂取させる

6 食後30分以上はファーラー位か座位で保ち、夜間も状態を起こして就寝させる

7 炭酸の含まれた飲料水は避ける

8 前胸部で食物がつかえた場合は、片手で口を押え、一方の手で食道をなでおろすようにマッサージし、空嚥下をさせる

9 摂取中に湿性の嗄声があれば、咳ばらいをさせる

10 発熱やむせがひどいようなら、一時中止する

11 排便コントロールをさせる

12 食事時間は体力的に39分程度とする

EーP(教育)

1 禁止された飲食物はないことを話し、食べられるものを工夫して摂取することを勧める

2 変化した食道の形態に必ず慣れてきて、食べられるようになることを話し、希望を持たせる

3 経口摂取が困難な場合は、決して無理をせず一時的に高カロリー輸液や経腸栄養剤を使用すればよいことを説明する

4 散歩など適度な全身的運動も効果があることを説明する

5 ダンピング症候群が出たらすぐに飴などの甘いものを摂取することを説明する

#2術後合併症を起こしやすい(特に無気肺、肺水腫、肺炎などによる呼吸不全と縫合不全)

目標:術後肺合併症が起きない。術後縫合不全が起きない

OーP(観察)

1 呼吸状態:呼吸数、リズム、深さ、胸郭・横隔膜運動、息苦しさ、腹痛の有無、血液ガス分析値、酸素飽和度

2 肺炎症状:熱型、CRP、白血球数、胸部X線

3 喀痰:量と性状、呼吸音、喀出状況

4 循環動態:脈拍、血圧、不整脈の有無、尿量、水分バランス、中心静脈圧

5 人工呼吸器の設定条件と適応状態

6 肺塞栓症:急激な呼吸困難、ショック、チアノーゼ、胸痛、意識障害、低酸素血症などの有無

7 ドレーンからの排液量と性状

8 ガーゼ汚染の量と性状

9 熱型、CRP、頻脈

TーP(実施)

1 術前には禁煙と呼吸訓練を実施する

2 人工呼吸器を安全に管理する

 a 設定条件や作業状況の確認と記録

 b 回路や加湿器の定期的チェック

 c 気管内チューブのカフ圧の調整

 d 気管内チューブの固定位置の確認

3 喀痰を積極的に喀出する(気道浄化)

 a 酸素投与の際の十分な加湿

 b ネブライザー吸入(去痰薬も含む)の定期的な実施

 c 体位変換、体位的ドレナージ

 d 十分な鎮痛

 e 咳嗽が十分できるように両手掌で胸郭を圧迫する

 f セミファーラー位を保つ

 g 深呼吸や腹式呼吸を適宜促す

 h 胃管から空気や分泌物の排出、腸内ガスの排気により、横隔膜の挙上を防ぐ

 i 早期離床

4 口腔内の清潔を保つ

5 術中から深部静脈血栓症、肺塞栓症防止のため間欠的下肢空気加圧器を装着し、支持があるまで継続する

6 誤嚥を予防する

 a 食事摂取の方法を工夫する

 b 声帯訓練

7 胃管や創部ドレーンは減圧の為、支持があるまで抜けないように固定に注意する

8 創部の緊張をとり、胃液の逆流を防止する為にファーラー位をとる

9 術後暫くは絶飲食、唾液もなるべく飲み込まずに出す

10 経腸栄養開始時は少量からゆっくり始める

11 経口摂取時の体位もファーラー位とし、ゆっくり少量づつ摂取させる

12 栄養状態を良くする

13 十分な酸素を投与する

EーP(教育)

1 術前から術後管理について具体的に説明し、イメージできるようにしておく

2 喀痰喀出の必要性と方法を説明する

3 痛みは我慢する必要が無いことを話し、疼痛コントロールの方法を説明する

#3予後不良の為に不安がある

目標:心配や気がかりが軽減して精神的に安定したと述べることが出来る。不安を回避する効果的なコーピング行動をとることが出来る

OーP(観察)

1 不安を示す言動(そわそわ、イライラ、抑うつ的言動)

2 疾病や治療についての受け止め方

3 過去の危機に伴う対処行動

4 キーパーソンの有無

5 サポートシステムの有無、家族の対処能力

6 睡眠状態

7 食欲低下

TーP(実施)

1 患者の訴えを良く聴き、その都度丁寧に情報を提供し、共感的態度で関わる

2 医師から十分な説明が受けられるように調整する

3 感情を表出できるような環境を提供する

4 気分転換活動を提案する(散歩。読書、入浴など)

5 キーパーソンや家族と共に取り組む

6 気管内挿管時は、声が出ないので筆談や文字盤利用などを術前からトレーニングしておく

7 ICUについて説明や見学を通して予備的知識を提供する

8 社会復帰や経済的問題については、医療ソーシャルワーカーの支援を依頼する

EーP(教育)

1 不安は当然のことなので、できるだけ自分の気持ちを言葉にしてみることを伝える

2 不安の程度を把握しながら、計画的に情報提供する

3 十分な情報提供を受け、納得して治療を受ける権利あるいは、治療に参加し自らが選択する権利を持っていることを伝える

#4適切な健康管理行動をとることが困難である

目標:禁酒禁煙や術前の呼吸訓練などを自発的にできる。栄養管理を自立してできる

OーP(観察)

1 過去の受療行動の特徴

2 非効果的な選択の有無

3 管理行動の効果の有無、程度

4 病気の症状の悪化の有無

5 意欲や理解力、学習力の有無、程度

6 サポートシステムの有無

TーP(実施)

1 術前呼吸機能訓練、理学療法を行う

 a 禁煙

 b 呼吸機能訓練

 c 腹式呼吸

 d 歩行(1日500メートル程度)と階段昇降

 e 両ひざの屈伸運動

 f 大殿筋の運動(ブリッジ)

 g ネブライザー吸入と喀痰喀出訓練

 h 口腔ケアの必要性と訓練

2 ICU入室オリエンテーションを行う

 a ICU管理の必要性

 b ICUの環境

 c ドレーンの種類と目的

 d 人工呼吸器装着の目的

 e 気管内挿管中のコミュニケーション方法とその訓練(筆談、口話法、文字盤、ジェスチャーなど)

3 食事摂取についての学習を行う

 a 効果的な摂取方法の学習とシュミレーション

 b 分割摂取

 c 食物の適切な形態や粘度、温度

 d トラブル時の対処方法

 e 誤嚥及び誤嚥性肺炎の徴候

 f 補助食品の活用

 g 中心静脈栄養、経腸栄養法の自己管理

 h 嚥下障害リハビリテーション

EーP(教育)

1 キーパーソンや家族と一緒に取り組むことを説明する

2 学習の必要性、効果について説明する

参考資料:疾患と看護過程

#5嚥下傷害、嚥下時痛、食欲不振などの胃腸症状が出現することにより、経口摂取が困難となり低栄養状態となりやすい

目標:栄養状態の改善が図れ、最良の状態で手術に望める

OーP(観察)

1 咽頭痛、胸痛の有無

2 嚥下時の違和感、不快感、通過障害な有無

3 嘔吐、下痢の有無

4 食事摂取状況

5 体重

TーP(実施)

1 術前よりIVHカテーテル挿入し高カロリー輸液似て栄養状態の改善を図る

2 輸液の管理を行うとともに低高血糖の主具現に注意する

3 食事は食べやすい流動~軟飯にする

4 検査データチェック

5 血液製剤による栄養、貧血改善

EーP(教育)

1 高カロリー、高蛋白、高ビタミン職を勧める

#6術前に放射線治療を行うことが多く、副作用の出現が考えられる

目標:放射線照射による副作用が少なく治療の効果が得られる

OーP(観察)

1 食欲不振、吐き気、嘔吐など放射線宿酔の出現の有無

2 照射中の皮膚の状態:発赤、発疹、色素沈着、潰瘍など

3 検査データ:白血球減少の状態

4 発熱の有無

TーP(実施)

1 放射線治療の必要性について医師より説明する

2 放射線科に照射部位、位置を決め行う

EーP(教育)

1 照射部位の皮膚を傷つけないように説明する

2 入浴時も石鹸などで印を消さないよう説明する

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#7手術侵襲が大きく、手術後肺合併症を起こす可能性が高い

目標:術前からの呼吸訓練により肺機能が十分となり術後の呼吸不全を起こさない

OーP(観察)

1 心肺機能の把握

 a 心電図、呼吸機能、胸部レントゲン、血液ガス

2 喫煙の有無

3 咳嗽、喀痰の有無

4 呼吸音、胸部不快の有無

5 呼吸練習の様子

TーP(実施)

1 術前7日目よりインスピレックスによる呼吸練習を行う

2 ネブライザーなどを使用し気道内分泌物の喀出を図る

EーP(教育)

1 入院直後より禁煙指導を行う

2 呼吸法の指導を行う

 

#8手術直後手術侵襲が大きく、循環動態が安定しない

目標:術後、異常の早期発見をし対処ができる

OーP(観察)

1 呼吸状態

 a 呼吸パターン、呼吸数、呼吸音

 b 呼吸音

 c 胸郭の動き:左右対称性、呼吸筋力低下の程度

 d ファイテイング、パッキング等

 e 気管内分泌物の量、性状

2 VS:血圧変動、HR、不整脈

3 意識状態:レベル低下、不穏など

4 全身状態:チアノーゼ、顔面紅潮、眼球結膜、腹壁の緊張度等

5 検査データ

 a 胸部レントゲン

 b 血液ガス

 c 呼吸機能の評価

 d 喀痰培養と感受性

6 人工呼吸器の作動状態

 a 酸素濃度:FiO2

 b 1回換気量(TV)、分時換気量(MV)

 c 作動方式

TーP(実施)

1 手術後2,3日間は人工呼吸器装着による呼吸管理が行われる

2 気管切開を行胃酸その供給が十分にできるようにする

3 吸引による喀痰の喀出を行う

 a 循環:動脈ライン、ECGモニタ装着、CVPの測定、水分出納のチェック

食道がん 術前・術後の100日レシピ―回復までの食事プラン (100日レシピシリーズ)
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#9術後3~4日頃に吻合部内圧上昇や術前より続いていた低栄養状態、吻合部の循環不良時により縫合不全を起こしやすい

目標:栄養状態の改善と予防的な処置をすることにより吻合部の血流改善が図れ、縫合不全の徴候を認めない

OーP(観察)

1 創部のガーゼ汚染、性状、量、臭気

2 胃管チューブ、各ドレーンよりの排液状態

3 検査データ:TP、ALB、Hb、Ht

TーP(実施)

1 アルブミン製剤輸液、FFP、輸液によるTPの改善

2 胃管チューブを適宜吸引し減圧を図る

3 吻合部の安静を図るため激しい胎動は避ける

EーP(教育)

1 含嗽、去痰、唾液の喀出などの必要性を説明し指導する

#10開胸手術となった場合、喀痰喀出困難により肺合併症を起こしやすい

目標:肺の拡張がスムーズで胸腔ドレーン抜去が手術後1週間以後にならない

OーP(観察)

1 酸素の供給が正しく行われているか

2 血液ガスデータ

3 痰の喀出状態

4 呼吸状態、回数、リズム、エア入りの状態

5 胸腔ドレーンからの排液の性状、量

6 エアリーク、呼吸移動

TーP(実施)

1 喀痰喀出を積極的に行う

2 吸入

3 塩酸ブロムヘキシンなどの去痰剤、鎮咳剤の与薬

4 排痰困難時、吸引を施行

5 呼吸音聴収、肺雑音の有無

6 バイブレータ、タッピング

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#11手術後1週間は胸腔ドレーン、人工呼吸器、動脈ラインなど多くのルートが留置されている為、体動が制限され離床が遅れがちとなる

目標:各ルートが早期に除去され離床が図れる

TーP(実施)

1 各ルートが整理され事故が起こらないよう注意する

2 患者の体動制限を最小限にとどめるよう配慮する

3 体位変換介助する

4 清潔の保持

EーP(教育)

1 ベッド上での上下肢の運動、筋力低下、関節拘縮予防を図るよう説明する

#12気管内挿管及び気管切開されていることが多く、コンタクトがとり難いため精神障害が現れる可能性がある

目標:コミュニケーションがスムーズにはかれ、見当識障害などが現れない

OーP(観察)

1 行動、発言異常の有無

2 ICUシンドローム出現の有無

TーP(実施)

1 筆談文字盤などを使用し、コミュニケーションを図る

2 家族との面会を許可する

3 夜間睡眠を十分にとれるようにする

4 人工呼吸器について説明する

5 事故防止

EーP(教育)

1 外部からの刺激を与えることにより見当識障害から予防されることを家族に説明し協力を得る

#13食事開始に伴い、反回神経麻痺による誤嚥を起こしやすい

目標:食事摂取方法を理解でき、肺合併症を起こさない

OーP(観察)

1 食事摂取状況

2 誤嚥による嘔吐

3 逆流感

4 嚥下困難の有無

TーP(実施)

1 食事内容の工夫

2 反流動食(プリン、ヨーグルトなど)喉当たりの良いものから練習する

3 体位は座位にて摂取

4 環境:落ち着いてゆっくり時間をかけて食べられるようにする

参考資料:標準看護計画

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