慢性糸球体腎炎患者の看護計画
#1診断・治療に対する不安がある
目標:診断・治療に対する不安を緩和できる
OーP(観察)
1 不安の徴候(生理的・心理的反応及び言動)
2 不安の程度
TーP(実施)
1 診断や治療について、患者の質問や疑問に答える
2 患者が不安を表出できるように、患者と落ち着いて話をする時間を持つ
EーP(教育)
1 疾患や病態について説明する
2 腎生検によって、疾患の状態や治療方針が決定することを説明する
3 気長に治療を続けていくことや、退院後も外来受診による経過観察が必要であることを説明する
#2血尿・浮腫・倦怠感の為に安楽の障害がある
目標:症状に伴う苦痛を緩和できる
OーP(観察)
1 肉眼的血尿の有無と程度
2 浮腫の部位と程度
3 頭痛や倦怠感の有無と程度
4 バイタルサイン(特に血圧、呼吸状態)
5 睡眠状態
6 食欲
7 検査前:たんぱく尿、血尿、腎機能、血液一般
TーP(実施)
1 安楽な体位を工夫する
a 四肢の浮腫がある場合は下肢の挙上
b 胸水や呼吸困難がある時はファーラー位か側臥位
2 冷水での含嗽や口腔内のケアを進める
3 食べられるものについて話し合い、冷やしたり温めたりして食欲増進に繋がる工夫をする
4 身体の苦痛、安静、食事制限から生じる苛立ちを理解する
5 急速が出来るように病室環境を整える
EーP(教育)
1 肉眼的血尿は不安感を助長させるため、病状や治療について適切な説明を行う
#3腎生検による苦痛がある(検査前・検査中・検査後)
目標:腎生検による苦痛を緩和できる
OーP(観察)
検査前
1 出血傾向
2 全身状態
3 バイタルサイン
検査中
4 脈拍
5 患者の状態
検査後
6 血尿の有無、疼痛の有無(穿刺部痛、腹痛など)
7 バイタルサイン
TーP(実施)
検査前
1 検査に対する不安を表出させる
2 穿刺部周囲を剃毛する
検査中
3 脈拍などによって患者の状態を把握する
4 患者の緊張感を緩和させるために声を掛けたり、手を握る等する
検査後
5 無事に検査が終了したことを伝える
6 出血を予防する為に穿刺部を伸縮性の絆創膏で圧迫固定し、穿刺部に砂嚢を当て、仰臥位で安静にさせる
7 ベッド上安静の為に食事、排泄、清潔に対する援助を行う
8 止血薬、輸液、水分の補給を行う
EーP(教育)
検査前
1 腎疾患の正しい診断、進行の程度の把握、治療方針の決定には腎生検が必要であることを説明する
2 検査前、検査中、検査後の注意事項を説明する
3 ベッド上安静時の排泄や食事の練習を行い、検査の為の準備状態を整える
4 腹臥位、呼吸を停止させる
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#4生活の規制の為にストレスがある
目標:生活の規制による入院中のストレスを緩和できる
OーP(観察)
1 睡眠状態
2 食欲
3 精神状態(苛立ち、怒りっぽい、うつ状態など)
TーP(実施)
1 患者が不安や心配事を表出できるように患者と話す時間を持つ
2 患者の疑問や質問に誠実に答える
3 患者の苛立ちや不満を受け止める
4 入院中の生活の仕方について患者と話し合う
EーP(教育)
1 安静臥床や保温を維持することの必要性を説明する
2 不安なことはそのままにせず、表出することの必要性を伝える
3 励ましあい、情報交換ができるように同じ病気を持つ患者を紹介する
4 患者相談室や患者図書館を紹介する
参考資料:疾患別看護過程
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