くも膜下出血患者の看護計画

看護計画

くも膜下出血患者の看護計画

#1血圧変動の為に、脳動脈瘤再破裂のおそれがある

目標:ベッド上安静を守り、適正な血圧を保てる。頭蓋内圧を維持し再破裂を予防できる

OーP(観察)

1 意識レベル、見当識、不穏状態の有無

2 バイタルサイン

3 瞳孔の状態、対光反射

4 呼吸状態

5 頭痛、吐き気の有無と程度

6 髄膜刺激症状

7 視力、視野障害、眼球運動

8 痙攣の有無

9 水分出納、尿量、尿比重、CVP値

TーP(実施)

1 個室でベッド上安静とする(動作を最小限にする、排泄も床上でする)

2 静かな環境を整え、外的環境刺激(照明、騒音、温度)を最小限にする

3 落ち着けるような声かけをする

4 正確な降圧薬の与薬、鎮痛薬の与薬を行う

5 頭部を15~30度挙上し、安楽な体位をとる

6 薬剤による血圧コントロール効果を確認する

7 家族以外の面会を制限する

8 排便コントロールを行う

9 強い咳嗽は避け、痰が切れるように吸入を行う

EーP(教育)

1 疾患治療など現状について説明する

2 ベッド上安静期間の必要性・期間について説明し安静の同意を得る

3 血圧上昇につ長る因子について説明し、防止するための指導を行う

#2頭痛によって安楽が保たれる

目標:頭痛などの苦痛症状ができるだけ緩和される

OーP(観察)

1 頭痛の部位、程度、推移

2 吐気の程度、推移

3 表情(苦痛様顔貌)

4 ベッド上安静に伴う身体的苦痛(様背部痛)の有無

5 睡眠状況(不眠の有無)

6 鎮痛薬の効果、持続時間

7 精神状態

TーP(実施)

1 鎮痛薬を定期的に予約し、苦痛増強時は指示の鎮痛薬を追加し、我慢させない

2 不安を表現できるような傾聴的態度で関わる

3 受容的態度で安心感を与えられるコミュニケーションに努める

4 湿布やマッサージを行い、緊張感の緩和を図る

5 家族への言葉かけを欠かさず行う。必要に応じて家族が医師に相談・質問できるようにする

6 良眠に繋がる援助を行う

EーP(教育)

1 疾病・治療・検査について、患者・家族が理解しやすい言葉で説明する

2 率直に不安を表現するように伝える

#3脳浮腫、脳血管攣縮合併の恐れがある

目標:脳浮腫や脳血管攣縮などの生命に関わる合併症の予防・早期発見ができる

OーP(観察)

1 意識レベル、見当識の有無

2 瞳孔の状態、対光反射

3 バイタルサイン

4 呼吸状態

5 頭痛、吐気の有無

6 髄膜刺激症状

7 視力、視野障害、眼球運動

8 痙攣の有無

9 水分出納、尿量、尿比重、CVP値

10 排泄障害の有無(失禁、便秘の状況)

11 運動障害の有無と出現部位

12 感覚障害の有無

13 髄液ドレーンの排液量、性状

TーP(実施)

1 薬剤による血圧コントロール効果を確認する

2 正確な酸素吸入の援助を行う

3 正確な頭蓋内圧降下薬の与薬を行う

4 頭部を15~30度挙上する

5 髄液ドレナージ中はドレナージの管理を行う

6 体温の調節を行う。発熱時は早期に解熱を図る

EーP(教育)

1 現在の安静度、治療、ドレナージなどについての必要性を説明する

2 身体に異常を感じたら、すぐに知らせるように説明する

#4見当識障害がある

目標:見当識障害による危険行動を予防し、安全を保つことが出来る

OーP(観察)

1 見当識、高次能機能障害の程度

2 他者とのコミュニケーション状況(会話のつじつま)

3 危険行動、問題行動の有無

4 感情の変化

5 1日の生活パターン

6 睡眠状況

7 家族の患者に対する接し方

TーP(実施)

1 ベッドサイドを離れる時はベッド柵を必ずあげておく

2 点滴やチューブ類は抜去されないよう視界に入らない手の届きにくいところに配置する

3 カレンダー、時計、写真などをベッドサイドに置く

4 家族との接触を増やし慰安を与える

5 生活リズムを整え、できるだけ一貫した日課で過ごせるようにする

6 夜間はできるだけ静かな環境をつくり睡眠を促す

7 言葉以外のコミュニケーション手段も利用する

8 患者の言動に巻き込まれず、患者が理解納得できるように関わる

9 患者の変化に家族が不安に感じている場合には相談に乗り精神的に支援する

EーP(教育)

1 患者・家族に現在の状況について説明する

2 点滴・チューブの必要性や安全な動作について説明する

3 家族に対し、患者にとって家族との触れ合いが大切であることを説明し協力を得る

4 家族に対し、不安なことがあればいつでも相談に乗ることを伝える

参考資料:疾患別看護過程

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