甲状腺機能亢進症(バセドウ氏病)患者の看護計画

 甲状腺機能亢進症(バセドウ氏病)患者の看護計画

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#1甲状腺機能亢進症により、心身の安静や安楽の保持が困難である

目標:甲状腺機能亢進による不快な症状が緩和され、体力の消耗が抑えられることで心身の安楽を感じることが出来る

OーP(観察)

1 バイタルサイン(特に脈拍、血圧の変動)

2 甲状腺機能亢進症状

3 食欲、食事摂取量、体重、栄養状態

4 活動量、ADLの評価

5 休息、睡眠状態

6 精神状態

TーP(実施)

1 身体の清潔の援助を行う

 a 発汗があった場合、こまめに清拭する

 b 入浴ではなく、短時間のシャワー浴を勧める

2 環境調整を行う

 a 熱さを訴えた時は、発熱が無くても冷罨法を行う

 b 病室内の室温、湿度、騒音、採光の調整を行う

3 倦怠感がある時は日常生活全般の援助を行う

4 睡眠導入に対するケアを行う

EーP(教育)

1 心身の安静の必要性を説明する

2 治療の見通しや効果について、医師から正しい説明が受けられるようにし、理解を促していく

#2甲状腺腫・眼球突出があることで、ボディ・イメージが悪化する

目標:ボディ・イメージの低下を最小限にする為に前向きな対処行動をとるようになる

OーP(観察)

1 眼球突出・甲状腺腫大の程度

2 外見上の変化に対する患者の発現:戸惑い、劣等感、自信喪失など

3 外見上の変化に対する患者の行動

 a 外見の変化した部分を見ることが出来ているか

 b 外見の変化に関する話題を避けているか

4 ボディ・イメージの障害に対する患者の対処行動

5 家族やキーパーソンのサポート力

6 活動範囲、家族やキーパーソンとの面会の状況

7 睡眠、食事摂取の状況

8 治療の効果に対する理解や期待の程度

TーP(実施)

1 日ごろから医療従事者との信頼関係が築けるように関わる

2 患者が本音で感情を表出できるような落ち着いた雰囲気やプライバシーが保護できる環境をつくる

3 受け持ち看護師を中心に常に傾聴する姿勢で接する

4 同じ疾患や症状を持っている患者と交流する機会をつくる

5 患者が拒否しないことを確認した上で、家族や友人に面会に積極的に来てもらう

6 趣味やストレス発散方法を聴き、外出や気分転換を進める

EーP(教育)

1 外出時はスカーフやタートルネック、サングラスなどで眼球突出や甲状腺腫大のふくらみを目立たなくすることが出来ることを説明する

2 期待される治療の効果を説明する(医師からの説明が好ましい)

#3長期的な服薬の継続が困難になり、バセドウ病悪化の恐れがある

目標:服薬の継続と副作用のセルフモニタリングの必要性が理解できる

OーP(観察)

1 治療服薬に対する理解や認識を表す言動や行動

2 患者のパーソナリテイ

3 職業、経済状況、年齢

4 入院前の生活パターン

5 自己管理をしていく上で障害となる要素や要因

6 キーパーソン、同居家族の有無、家族の協力体制、フォーマルなサポートシステム

7 妊娠出産の予定

TーP(実施)

1 服薬継続のメリットを正しく理解できるように医師薬剤師と共働して関わる

2 薬剤師に依頼して、服薬指導を行う

3 医療チーム内で連携をとり、言動を統一する

EーP(教育)

1 バセドウ病の状態や患者に現れている症状を分かりやすい表現や手段で説明する

2 内服薬の量や1日の内服回数は変化することがあるので、間違えないように説明し定期的に薬剤師の服薬指導を受けることを勧める

3 入院中から副作用のセルフモニタリングができるように指導する

4 退院指導を行う

 a 異常を自覚した時の緊急受診の方法を説明する

 b 定期的な受診行動が取れるようフォローアップの方法と必要性を説明する

 c 妊娠は計画的に行い、事前によく相談することを説明する

#4甲状腺機能のコントロールが出来ない

目標:甲状腺機能が抑えられ手術が受けられる

OーP(観察)

1 頻脈、動悸、発汗、皮膚の紅潮、眼球突出、頸部腫脹

TーP(実施)

1 抗甲状腺剤が確実に服用されていることを確認する

EーP(教育)

1 薬の必要性を説明する

#5不安、不眠、イライラ感などの神経症状がある

目標:夜間熟睡できイライラを口に出せ、ストレスを発散することが出来る

OーP(観察)

1 精神状態:興奮しやすい、静かにしていられない

2 行動様式:イライラして協調性にかけ、時に攻撃的である

3 表情

4 睡眠状態

TーP(実施)

1 術前の環境調整

 a 騒がしい部屋や窓際のベッドは避け静かな落ち着いた部屋を準備する

 b 活動が安全範囲を超える時や興奮している時は、医師の指示にて鎮静剤が与薬され心身の安静を図る

2 精神的援助

 a 手術に対する恐怖感を取り除き、過剰なストレスを避け不安を除く

 b 手術や術後経過、予後などについて不安を与えないように患者に説明する

 c 患者の質問に適切にこたえる

 d 夜間不眠時は医師の指示にて睡眠剤を与薬する

EーP(教育)

1 術前オリエンテーション

#6抗甲状腺剤による副作用(白血球減少症、無顆粒症)の恐れがある

目標:副作用が無く治療(内服)効果が維持できる

OーP(観察)

1 頬粘膜の腫脹、唾液腺の炎症、流涎過多、皮膚発疹、発熱、風邪様症状、胃腸障害

2 検査データ:WBC、CRP、血沈、胸部レントゲン

TーP(実施)

1 支持された薬剤の正確な与薬

2 副作用を説明し、症状出現時報告するよう指導する

3 感染予防、手洗い、マスク着用、含嗽

EーP(教育)

1 抗甲状腺剤は自己判断で増減しないよう説明する

#7創痛の為喀痰喀出困難となり、肺合併症を起こす恐れがある

目標:喀痰がうまくでき呼吸が楽になる

OーP(観察)

1 麻酔の覚醒状態

2 呼吸の状態:性状、呼吸音、喀痰の性状

3 VS

4 検査データ:血液ガス分析、胸部レントゲン

TーP(実施)

1 酸素吸入

2 含嗽

3 吸入

EーP(教育)

1 含嗽、深呼吸をし創部を押さえて喀痰を喀出するよう指導する

ウルトラ図解 甲状腺の病気
by カエレバ

#8術後出血による気道圧迫により呼吸困難を起こす可能性がある

目標:効果的なドレナージが出来、呼吸が楽になる

OーP(観察)

1 VS

2 創部の状態

3 呼吸状態

4 ドレーンからの排液量と性状

TーP(実施)

1 ドレーンの管理

 a ミルキング

 b 閉塞、屈曲に注意

 c 2日目:半抜糸

 d 3日目:全抜糸、ドレーン抜去

2 頸部の屈伸制限

3 安静:術後24時間はベッド上安静

EーP(教育)

1 頸部を伸展させないよう指導する

2 ドレーンを引っ張らないよう指導する

3 移動時のドレーンの持ち方について指導する

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#9甲状腺機能の脱落により一過性に低カルシウム血症を起こす恐れがある

目標:血中カルシウム値が正常範囲に保たれ、テタニー症状が無く経過する

OーP(観察)

1 前駆症状

 a 手指、口唇のしびれ感、違和感

 b 助産婦様手位

 c 動悸

2 検査データ:血中カリウム値

3 一般状態

TーP(実施)

1 発作時カルシウム値のチェック:緊急検査

2 カルシウム剤与薬の介助:グルコンサンカルシウム静脈注射

3 テタニー症状について説明し症状出現時は看護師に知らせるよう説明する

#10術後、反回神経麻痺となることがある

目標:嗄声が無く嚥下がスムーズにできる

OーP(観察)

1 嗄声の有無

2 嚥下の状態

3 呼吸状態

TーP(実施)

1 落ち着いて話を聴く

2 飲水後誤嚥していないことを確認し、食事は流動から開始となる

 a 1日目:流動

 b 2日目:5分がゆ

 c 3日目:全粥

 d 4日目:常食

EーP(教育)

1 ゆっくり食事をとるよう説明する

#11頸部に傷跡が残り美容上、気になる

目標:手術跡を目立たなくする方法をマスターする

OーP(観察)

1 創の状態

TーP(実施)

1 ハイネックの衣類、マフラー、スカーフ、ネックレスなどを利用し傷をカバーする

EーP(教育)

1 手術の1週間後よりバリケア指導

a パンフレット参照

#12入院にたいする不安があり情緒不安定になっている

目標:家族とともに入院の必要性と疾患に対しての理解が出来、自分から不安を表現できる

OーP(観察)

1 患者の表情、行動、言動

2 生活背景

3 病気に対する知識、理解度

4 現在不安に思っている事

TーP(実施)

1 主治医より病態、入院の必要性、今後の治療方針を説明してもらう

2 速く入院生活に慣れるよう頻回に訪室しコミュニケーションをとる

#13特殊検査が多いためとまどい、正確な検査ができない可能性がある

目標:検査の必要性、内容が理解でき不明な点が看護師に言える

OーP(観察)

1 表情、行動、理解度

2 不安、不明に思っている点

3 協力度

TーP(実施)

1 検査の説明を事前に行う

#14甲状腺ホルモンの過剰分泌による血圧上昇、脈圧の増加、頻脈がある

目標:クリーゼに移行することが無いように内服が確実に行え、安静の必要性が理解できる

OーP(観察)

1 VS

2 随伴症状の観察:眩暈、倦怠感、頭重感、動悸、息切れ、胸部不快感、食欲不振、吐気の有無

3 血中甲状腺ホルモン(T3、T4、FT3、FT4、TSH)

TーP(実施)

1 主治医指示で降圧剤の与薬を行い、患者が確実に内服していることを確認する

2 食事を変更し食塩摂取を少なくする

3 最高血圧が160以上の場合は深呼吸させベッド上安静にする

EーP(教育)

1 内服を確実に行うように説明する

2 発作が起こっても原因を知り動揺しないように説明する

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#15甲状腺機能亢進により熱が過剰産生され発汗がある

目標:皮膚が清潔に保たれ脱水が起こらない

OーP(観察)

1 熱型

2 CVP、水分出納チェック

3 振戦、発汗の有無

4 検査データのチェック:血沈、胸部レントゲン、血中甲状腺ホルモン

TーP(実施)

1 発熱時解熱剤の与薬、クーリングを施行

2 発汗時、入浴が制限されている場合は清拭寝衣交換を頻回に行い清潔に努める

EーP(教育)

1 脱水に傾きやすいので、できるだけ水分ビタミンなどを多くとるように指導する

#16甲状腺機能亢進により著明な羸痩があり体力が消耗しやすい

目標:倦怠感、下痢がなく排便コントロールができる

OーP(観察)

1 体重

2 皮膚の状態

3 食事摂取量

4 下痢の回数と性状

5 脱水症状(皮膚の乾燥、口渇、血圧低下、意識レベルの低下)

6 検査データ(血清アルブミン、たんぱく量)

7 水分バランス

TーP(実施)

1 食事が食べやすいように冷めたものはレンジで温め、また食べやすい内容に変更する

2 食事摂取が困難な場合は、濃厚流動食の飲用や指示により高カロリー輸液を行う

3 頻回に下痢をしている場合は、座浴等で臀部清潔を図る。また止痢剤の内服で調節する

EーP(教育)

1 食事療法を行う

 a 食事の分割摂取や濃厚流動食の飲用また、自分の好みのものをできるだけ摂取する

 b 消化の良い高カロリーの食品(卵豆製品など)を摂取する

 c 脱水に傾きやすいので水分やビタミンを多くとるようにする

#17不安不眠イライラ感などの神経症状がある

目標:夜間熟睡でき、イライラを口に出せストレスを発散することが出来る

OーP(観察)

1 表情、言動、睡眠状態

TーP(実施)

1 患者とコミュニケーションをとり不安やイライラが口に出せる場を持つ

2 心身の安静が保てるように環境を整える

3 家族以外の面会をできるだけ制限し大部屋の場合、同室者の面会はデイ―ルームを使用してもらう。時には外出や外泊、散歩などで気分転換を図る

4 不眠時は主治医の指示で睡眠剤の与薬を行う

5 症状の程度により精神安定剤を主治医の指示で与薬する

6 体温が高いため、同室者の配慮をしたうえで病室を決定する

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#18抗甲状腺剤与薬の副作用による肝機能障害がある

目標:安静の必要性が理解できる

OーP(観察)

1 倦怠感、食欲不振、皮膚の掻痒感、黄染

2 検査データ:GOT、GPT、TBIil

3 腹部エコー

TーP(実施)

1 主治医指示で安静度の制限を行う

2 場合により主治医指示で薬剤の変更、肝庇護剤の与薬を行う

3 肝臓食に食事変更する

4 黄疸による掻痒感に対して清拭、指示された皮膚保護剤の使用、抗ヒスタミン剤を使用する

EーP(教育)

1 高たんぱく高カロリーの食事を摂取し食後は安静が守れるように指導する

#19ヨードアレルギーにより発疹の発現がある

目標:掻痒感が自制でき、発疹が増強しない

OーP(観察)

1 発疹の部位、程度、掻痒感の有無

2 VS

TーP(実施)

1 清拭入浴による皮膚の清潔:掻痒感が自制できない場合はアルコール清拭を行う

2 処方された軟膏の塗布

EーP(教育)

1 皮膚を傷つけないように爪を短く切り掻かないように説明する

#20無機ヨードが飲みにくいため服用できない

目標:内服の必要性を理解し自己管理できる

OーP(観察)

1 内服の確認

2 検査データ:血中甲状腺ホルモン:T3、T4、FT3、FT4、TSH

TーP(実施)

1 飲みにくい薬剤であるため場合により原液を希釈して用いる

2 自己管理できない場合は看護師管理とする

3 飲みやすいように工夫をする

EーP(教育)

1 与薬指導をする

 a 指導を行う薬は勝手に中断変更しない

 b 血中濃度を保つため分割与薬しているので時間量を確実に服用する

 c ルゴール液内服時は他の薬剤を一緒に内服しない

#21非密封療法を受ける為不安がある

目標:非密封療法の必要性が理解できる

OーP(観察)

1 疾患の理解度

TーP(実施)

1 主治医より非密封療法を行う必要性を説明してもらい理解度により補足する

2 準備物入室期間、入室時のADLをパンフレットを使用して非密封療法の予定をあらかじめ説明しておく

#22甲状腺摘出術を受ける為不安がある

目標:手術の必要性を理解できる

TーP(実施)

1 手術の必要性を主治医から説明してもらい理解度により補足する

2 非密封室の事前見学とオリエンテーションを行う

EーP(教育)

1 手術前の予定(検査、処置、排泄練習など)をパンフレットを使用してオリエンテーションする

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#23甲状腺クリーゼを起こしている

目標:体温が37度以上に保たれる。血圧90~160/40~80mmHg、呼吸15~25/分、心拍100/分以下であり不整脈を起こさない

OーP(観察)

1 VS、発熱、頻脈、不整脈、呼吸困難

2 意識レベル、精神状態、下痢、嘔吐などによる脱水症状

3 浮腫、胸痛

4 検査データ:T3、T4、電解質

TーP(実施)

1 部屋を暗くするなど環境整備を図り精神興奮状態を落ち着かせる

2 面会人の制限を行い患者を疲労させないように努める

3 ショック脱水状態に陥りやすいので救急時処置が出来るように酸素吸入、救急カートの準備をしておく

4 症状悪化の場合は挿管し全身管理を行う:手技は救急蘇生マニュアルを参照

5 処置毎に説明を十分におこない、不安を抱かせない

6 発熱が著明な時は強力な全身の冷罨法を行う

#24退院後再び病識が薄れ治療に消極的になりやすい

目標:内服が確実に行え定期的に外来通院することが出来る

OーP(観察)

1 家庭環境

2 疾患に対する理解度

3 入院前の生活環境

EーP(教育)

1 退院指導を行う

 a 甲状腺機能が正常に近づき、食欲不振、発汗、下痢などが改善することにより、体重が増加しやすいので肥満に気を付ける

 b ストレス等により甲状腺機能亢進症の悪化を招くことがあるので過労は避ける

 c 定期的に外来で所検査を受ける

 d 内服は確実に行う

 e 女性は妊娠により甲状腺機能の亢進がみられる場合があるので注意し、自覚症状のある場合は外来を受診する

参考資料:標準看護計画

アセスメントの視点と根拠・起こりうる看護問題

1全身状態の把握

起こりうる看護問題:症状の出現に関連したADLの歩行困難

甲状腺ホルモン分泌過剰によって、循環器系、呼吸器系、消化器系、運動器系、神経系などの症状が全身へ及ぶことが加わることが考えられ、全身状態の観察が必要となる。さらに身体的精神的ストレスが加わると、こうじょうせん

・ 全身状態の把握

・ 出現症状によってどのようなADLに支障が出現しているか把握する

・ 身体的精神的ストレスが加わっている状況にないか把握する

2症状の出現状況・程度の把握

起こりうる看護問題:症状の出現に関連したADLの歩行困難/代謝亢進、下痢に関連した栄養状態の低下/精神症状や疾患、症状、治療に関連した不安/睡眠障害

どのような症状が出現したか、その程度を把握することで日常生活の援助や精神面における援助など看護計画の立案に有効である

(一般症状)

・ 発熱、易疲労感、甲状腺腫大が一般的にみられる

・ 甲状腺刺激ホルモン受容体の持続的な刺激によって甲状腺膿疱細胞が増殖し、甲状腺が全体的に軟らかく腫大する。また甲状腺内の血管内皮細胞も増殖し、血管が拡張して血流が増加する

・ 代謝亢進により発熱、易疲労感が出現する。易疲労っ感が強い場合はADLに支障をきたす

(循環器系の症状)

・ 交感神経が刺激され、交感神経系の亢進症状として動悸、息切れ、頻脈、不整脈、高血圧、心不全などの循環器系の症状が出現する

・ 代謝が亢進されることから、酸素消費量も増加する。これらの症状は日常生活の活動耐性を低下させる要因となる。またカテコールアミンへの感受性も高まるため収縮期高血圧をきたす

(神経・筋系の症状)

・ 神経筋系の亢進により手指振戦が出現する。ADLや書字に支障をきたす

・ 周期性四肢麻痺は黄色人種の男性患者に出現しやすい。当分の過剰摂取から低カリウム血症となり、四肢麻痺が出現する

(消化器系の症状)

・ 食欲亢進、体重減少、下痢、肝機能障害などが見られる

・ 腸管運動が亢進され、食欲亢進や下痢が出現する。代謝亢進のため食欲が更新しているにもかかわらず体重は減少する

(眼症状)

・ 眼球突出、眼光鋭利、瞬目反射の減少、上眼瞼下降不全などが見られる

(皮膚症状)

・ 発汗過多、皮膚湿潤などが見られる

・ 代謝亢進により発汗過多となる。体重減少、頻脈とともに夏季に症状が憎悪する

(精神症状)

・ 中枢神経系が興奮状態となり、イライラ、怒りっぽい、情動不安、不眠、集中力低下といった症状が出現する

・ その他に月経異常が見られる

(バセドウ病)

・典型的な症状・所見として眼球突出、頻脈、甲状腺腫が挙げられる

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3日常生活習慣の把握

起こりうる看護問題:不適切な生活習慣に関連した症状の増悪/症状の出現に関連したADLの遂行困難

甲状腺機能亢進症の悪化を招く食生活や嗜好品を控えるなど生活習慣の改善が必要である

(ヨード含有食品)

・ 甲状腺ホルモン産生にヨードは必要だが、過剰摂取は抗甲状腺薬の効果を不安定にすることがあるので注意する

・ ヨード含有食品:海藻類、魚介類、肉、昆布加工縮品、観点を含んだ食品など

(飲酒・禁煙)

・ アルコール摂取は頻脈・熱感などの症状を悪化させる

・ 喫煙は呼吸循環器系の症状を悪化させ、眼球突出を進展させると言われている

4薬の効果の観察

起こりうる看護問題:内服の自己中断に関連した症状の増悪

バセドウ病の大半は抗甲状腺薬による薬物療法がおこなわれるが、内服の効果がない場合や副作用が出現して内服が継続できない場合は、放射線療法や外科的治療が施行されるため薬の効果を継時的に観察する必要がある

・ 抗甲状腺薬は1年程度内服する必要があるが、症状が改善したからと言って内服を中断してしまうと、コントロール不良となり症状が悪化する危険性がある

・ 内服していても症状が改善しない場合には、治療に対する不安や不信感が高まり服薬コンプライアンスの低下に陥りやすい

・ 症状出現の状態⇒症状の出現状況・程度

5薬の副作用の観察

起こりうる看護問題:副作用による感染リスク状態/服薬コンプライアンスの低下

甲状腺薬による副作用の有無を観察し、副作用が出現した際は迅速に対処することが重要である

・ 副作用が出現すると治療に対する不安や恐怖が増強され服薬コンプライアンスの低下に陥りやすい

・ 抗甲状腺薬の副作用には、顆粒球減少症、肝障害、じんましんがある

・ 顆粒球減少症が起こると重篤な感染症を引き起こす危険性が高いため注意する

6ボディイメージ変容に対する心理面の把握

起こりうる看護問題:眼球突出、甲状腺腫大に関連したボディイメージ変容の受け入れが困難/精神症状や疾患、症状、治療に関連した不安

若年女性に発症例が多く、眼球突出、甲状腺腫大などの外観に現れる症状に対して強い嫌悪感や混乱を招く恐れがある。さらに人目を過度に気にし外出を避けたり活動範囲の縮小につながる危険性がある

・ 発症症状に対し、どのように感じているか、それによって日常生活に支障となっていることはないか

7社会的側面・家族内役割の把握

起こりうる看護問題:症状の出現に関連したADLの遂行困難/精神状況や疾患、症状、治療に関連した不安/疾患によって今までの役割を遂行することができない

結婚適齢期の若年女性に発症しやすく、結婚出産を機に発症するケースが多い。今後の治療や症状に不安を持つことが考えられ、患者がライフスタイルのどの時期に当たるかを把握することが重要である

・ 症状の出現状況によっては、活動を制限する必要があり、家庭社会での役割や活動状況を把握する

・ 家庭内での役割とその遂行状況、キーパーソンを把握する

・ 職業の有無、就労内容を把握する

参考資料:疾患と看護過程

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