外陰部癌患者の看護計画
#1外陰部腫瘍の症状に関連した身体的苦痛がある
目標:適切な処置により身体的苦痛が緩和される
OーP(観察)
1 腫瘍の状態
a 大きさ、範囲
b 色
c 浸出液
d 出血の有無
e 痛み、掻痒感の有無
f リンパ節の腫脹
2 排尿、排便状態
3 歩行障害の有無
TーP(実施)
1 安楽な体位
2 下着の工夫
3 指示された軟膏の塗布
4 外陰部洗浄による清潔の保持
5 必要時、鎮痛剤の与薬
6 必要時、車椅子、歩行器、円座の使用
7 ベッドサイドの環境を整備
8 トイレに近い部屋を選ぶ、ポータブルトイレの使用
EーP(教育)
1 早めにトイレに行くよう説明する
2 外陰部の清潔保持について指導する:ウオシュレットの使用など
#2外性器の疾患に関連した精神的苦痛の可能性がある
目標:苦痛が表出でき羞恥心を配慮することによってプライバシーが守られる
OーP(観察)
1 患者の性格
2 患者の言動、疾患に対する考え方
3 身体的症状:胃痛、下痢
4 精神的症状
TーP(実施)
1 診察時を配慮する
a スタッフの言動
b プライバシーの保持
2 手早く処置を行う
3 感情を表出できるように環境整備を行う
#3広範囲創による長期安静に関連した心身の苦痛がある
目標:苦痛が表出でき、適切な処置により安定した状態が保たれる
OーP(観察)
1 患者の言動、表情
2 睡眠状態
3 身体的症状
a 背、臀部のしびれ感、掻痒感
b 背、臀部の皮膚の状態
c 腰痛、筋肉痛の有無
d 疼痛の有無
TーP(実施)
1 医師の指示に基づく安静度に合わせた体位を工夫する
a 術後3日目まで絶対安静、軽く側臥位可
b 3~4日目、側臥位可
c 7日目~抜糸後は自力体位変換可
2 マッサージ、湿布の貼付・安楽枕を使用する
3 医師の指示により薬剤の投与を行う
4 ベッド周囲の環境を整える
5 家族の協力を得る
6 必要な日常生活の援助を行う
EーP(教育)
1 術後の経過に沿った安静度について説明する
#4外陰部創に関連した感染を起こす可能性がある
目標:創部の清潔が保たれ感染を起こさない
OーP(観察)
1 創の状態:発赤、皮膚の色、出血、臭気の有無、浸出液の有無
2 バイタルサイン
3 排泄物の汚染の有無
4 血液検査データ
TーP(実施)
1 消毒、ガーゼ交換時の無菌操作
2 抜糸後、排泄毎の消毒、洗浄
3 清潔保持の援助:清潔、シャワーなど
4 排便コントロール
EーP(教育)
1 清潔の保持の必要性について説明する
#5長期の尿留置カテーテルの留置に関連した尿路感染、排尿障害のおこる可能性がある
目標:尿路感染を起こさず排尿機能が自立できる
OーP(観察)
1 尿量、尿の性状と観察
2 バイタルサイン
3 閉塞感、尿意などの訴え
TーP(実施)
1 外陰部清拭及び洗浄
2 定期的に清潔なパッドに交換
3 毎日下着を交換する
4 排便後は外陰部の洗浄
5 尿流出不良時はミルキング及び洗浄又は尿留置カテーテルの交換
6 ウロガードの充満に注意
EーP(教育)
1 経口摂取可能になれば水分摂取指導する
2 尿漏れなど異常時は知らせるよう指導する
3 尿留置カテーテル留置の必要性を説明する
#6排泄の制限に関連した麻痺性ウイルスの可能性がある
目標:イレウスを起こさず制限解除後は排泄状態が回復する
OーP(観察)
1 腹部の状態
a 腸蠕動音
b 金属音の有無
c 排ガスの状態
d 腹部膨満感の有無
e 腹痛の有無
2 排泄状態、便の状態、性状、回数
3 バイタルサイン
4 水分出納:尿量、比重
5 レントゲン所見
6 吐気、嘔吐の有無
7 食事摂取量
TーP(実施)
1 経口開始後の浣腸、排便、腹壁マッサージ
2 医師の指示により与薬
EーP(教育)
1 排泄の習慣づけについて指導する:食事、冷水摂取
#7長期臥床に関連した肺合併症を起こす可能性がある
目標:予防的措置が取れることで肺合併症を起こさない
(広汎性子宮全摘出術を受ける患者の看護を参照)
#8表面的な変化に関連した退院後の生活に不安がある
目標:不安内容が表出でき、退院後の生活について積極的に取り組める
OーP(観察)
1 患者の背景、性格
2 患者の言動
3 入院中の生活動作
TーP(実施)
1 安静解除後の離床を進める
2 家族の協力を得る
EーP(教育)
1 退院指導
参考資料:標準看護計画
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