水頭症の新生児の看護計画

小児看護計画

目次

 水頭症の新生児の看護計画

#1頭蓋内圧亢進の可能性がある

目標:脳機能を維持し、さらなる頭蓋内圧亢進を予防できる

OーP(観察)

1 バイタルサイン

2 脳圧亢進症状

a 瞳孔(大きさ、左右差、対光反射の有無)

b 落陽現象の有無

c 吐気、嘔吐

d 意識レベル、機嫌

e 易刺激性亢進、痙攣、四肢の筋緊張低下の有無・程度

f 腸や膀胱の機能低下

g 大泉門の膨隆と緊張の有無、骨縫合離開の有無

h 頭皮静脈怒張の有無

3 循環症状

a 頻脈、徐脈の有無

b 血圧上昇

c 水分出納

4 呼吸症状

a 無呼吸発作の有無

b 呼吸回数

c 経皮的酸素飽和度

5 頭囲の増減

6 検査結果:頭部エコー、CT、MRI

TーP(実施)

1 モニターを装着する:心拍数、呼吸数、血圧、経皮的酸素飽和度

2 安静を保持する:ポジショニングやホールデイング、おしゃぶりなど

3 上体を挙上する:20~30度頭部挙上する

4 大泉門のチェック:頭囲の測定を行う1回/日

5 8時間ごとの水分バランスチェックを行う

6 体重測定を行う1回/日

7 検査時の介助を行う

#2治療目的で行われる腰椎穿刺に関連した感染の可能性がある

目標:腰痛穿刺に伴う感染を予防できる

OーP(観察)

1 バイタルサイン:特に体温に注意

2 穿刺部の皮膚の状態:発赤、腫脹、髄液の漏出

3 髄液の性状:色調、量

4 検査結果

TーP(実施)

1 穿刺部は清潔操作とする

2 穿刺後2時間は水平位で臥床安静とする

3 穿刺後24時間はガーゼを当てておく

4 穿刺後の授乳は医師と相談して施行する

#3頭部皮膚の循環障害に関連した褥瘡、傷をつくる可能性がある

目標:皮膚損傷を予防できる

OーP(観察)

1 皮膚状態

a 頭皮の状態

b シャントチューブ周囲の皮膚の発赤、腫脹の有無・程度

TーP(実施)

1 皮膚管理を行う

a 体位変換時、皮膚の観察を行う

b 除圧マットを使用する

c 清潔保持に努める

#4シャント機能不全の可能性がある

目標:機能不全の徴候を早期に発見し対処できる

OーP(観察)

1 脳圧亢進症状

a 瞳孔:大きさ、左右差、対光反射の有無

b 落陽現象の有無

c 吐気、嘔吐

d 意識レベル、機嫌

e 易刺激性亢進、痙攣、四肢の筋緊張低下の有無・程度

f 腸や膀胱の機能低下

g 大泉門の膨隆と緊張の有無、骨縫合離開の有無

h 頭皮静脈怒張の有無

2 循環症状

a 頻脈、徐脈の有無

b 血圧上昇

c 水分出納

3 呼吸症状

a 無呼吸発作の有無

b 呼吸回数

c 経皮的酸素飽和度

4 腹部の状態、排便状態

5 検査結果:腹部エコー、CT

TーP(実施)

1 頭囲測定を行う:1回/日

2 シャント管理を行う

a シャント圧の確認を行う

b 皮下のシャントチューブ、シャントバルブの状態の確認を行う

c シャントチューブが屈曲しないように体位を工夫する

d 大泉門の陥没・膨隆が著しい場合は医師に報告する

e 切開部、皮下のシャントチューブ、シャントバルブの腫脹がある場合は医師に報告する

f 医師の指示の下、シャントバルブプッシュを行う

3 8時間ごとの水分バランスチェックを行う

4 体重測定を行う1回/日

5 ケアは最小限に行い体力の消耗を防ぐ

6 24時間以上排便がない場合は医師に報告する

EーP(教育)

1 家族にシャント管理について説明する

a 脳圧亢進症状の観察点について

b 日常の生活での注意事項について

c 皮膚状態の観察について

#5異物(シャントチューブ、シャントバルプ)挿入していることに関連した髄膜炎の可能性がある

目標:髄膜炎を予防できる

OーP(観察)

1 バイタルサイン:特に体温に注意

2 感染症状:活気の有無、哺乳力低下

3 呼吸状態:無呼吸発作の有無、経皮的酸素飽和度

4 循環症状:脈拍、血圧、尿量、皮膚色、浮腫の有無

5 腹部症状:嘔吐の有無、腹部膨満

6 皮膚の状態

a 創部発赤、腫脹、離開、浸出液の有無

b シャントに沿った発赤、腫脹、熱感の有無

7 検査結果:血液検査、胸腹部X線検査、培養検査

TーP(実施)

1 創部管理を行う

a 創部の消毒は清潔操作で行い、創部の保護を行う

b ガーゼ周囲の腫脹、ガーゼ汚染がある場合は医師に報告する

c 洗髪は抜糸後に、医師の許可を得て施行する

2 必要に応じて酸素投与ができるように準備しておく

3 医師に指示された抗生物質を確実に与薬する

4 体温管理を行う:至適環境温度に保つ

5 痙攣時は医師に報告し医師の指示にて抗痙攣薬・鎮静薬を使用する

#6抗痙攣薬使用に関連した副作用の可能性がある

目標:副作用出現時には適切な対応が受けられる

OーP(観察)

1 バイタルサイン:血中濃度の高い時は低血圧、無呼吸症状がある

2 神経症状:傾眠

3 胃内容物の量、性状

4 尿テープチェック:たんぱく尿に注意

5 皮膚の状態:発赤、腫脹、壊死

6 検査データ:血中濃度、血性ALP、Ca、p、NH2

TーP(実施)

1 モニターを装着する:脈拍、呼吸数、経皮的酸素飽和度

2 輸液管理:薬剤の確実投与、ルート管理を行う

#7家庭でのケアに対し、両親が不安を持つ可能性がある

目標:両親がケアを修得し安心して退院できる

OーP(観察)

1 両親の言動

TーP(実施)

1 ケア、退院後のフォローアップの必要性について理解度を把握する

2 問題解決のため医療スタッフ間でのカンファレンスを持ち、退院指導計画の立案を行う

EーP(教育)

1 医師から定期受診の必要性及びシャントの再建術の必要性について説明、補足、助言を行う:2年間に1~2回あること、また成長すると長いチューブに入れ替えなければならない

2 退院後の生活について指導する

a 抱いてもかまわない

b 食事、遊びなど制限はない

c 携帯電話はシャント挿入側での使用は控える

3 異常症状の説明をする

a 補入力低下、嘔吐、大泉門の膨隆・陥没、創痕やシャントチューブに沿って発赤のある時、遊ぶ様子が変わり元気が無く機嫌が悪くなった時には必ず連絡する

4 便秘予防について指導する

5 内服薬の必要性を説明し、確実に内服させる

#8水痘発症の潜伏期間や感染力に関連して、院内感染の可能性がある

目標:痂疲形成まで隔離に他の患児に感染しない

OーP(観察)

1 水痘の状態:部位、痂疲形成状態

2 バイタルサイン

3 発熱

4 一般状態:活気、機嫌

TーP(実施)

1 隔離の必要性を患児の年齢に応じてわかりやすく理解できるように説明する

2 他への感染防止をはかるため、院内感染マニュアルに基づいた取り扱いを行う(痂疲形成するまでは隔離する)

3 感染時期が発疹の出現する以前の為、その時期に接触したものも感染扱いとして取り扱う

4 面会謝絶の札をドアに表示する

EーP(教育)

1 面会制限について説明する

2 隔離の必要性について説明する

3 手洗いの励行、ガウンの着用について説明する

#9口腔粘膜の発疹に関連した疼痛の為経口摂取が困難になる

目標:必要なカロリー水分量が維持できる

OーP(観察)

1 食事、水分摂取量

2 口腔粘膜にある発疹の状態

3 口内痛

4 食事中の患児の表情

5 輸液量

6 必要カロリー量、水分量

TーP(実施)

1 患児の好む柔らかい食事を与える

2 熱いものつめたいものは避けて、刺激の少ない食物を選んで与える

3 歯ブラシによる歯磨きはしないで、綿棒による口腔内の清拭を行う

4 点滴管理を行う

5 体重測定を同一条件下で行う

EーP(教育)

1 食事摂取の方法、注意点について説明する

2 補食について説明する

3 口腔内の清拭方法について説明する

参考資料:標準看護計画

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