手術を受ける頸椎症性脊髄症患者の看護計画

手術を受ける頸椎症性脊髄症患者の看護計画

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#1頸椎症性脊髄症に基づく、運動麻痺や痺れによりADLに制限がある

目標:適切な援助が受けられ、円滑な入院生活が送れる

OーP(観察)

1 運動障害:神経支配領域、歩容(痙性跛行)握力低下、巧緻動作障害、膀胱直腸障害

2 知覚障害:しびれ、痛み、過敏、鈍麻、脱失、冷感冷汗

3 ADL

TーP(実施)

1 入院時聴収

2 障害の程度によりADLの援助:食事、排泄、清潔、起居、移動、更衣

3 頸部の固定:枕の工夫(厚さ3㎝程度のスポンジ使用)カラー装着の援助

4 転倒など危険のないように環境整備:ベッド周囲、ふろ、洗面所、トイレ

EーP(教育)

1 頸部の安静と保護のためカラー装着時は直接皮膚に当てないようにガーゼハンカチの使用を勧める

2 ADLの工夫をアドバイスする:下着は前開き、マジックテープのものを使用する、リハビリテーション用シューズを使用する

3 危険防止について説明する:廊下は手すりを持つ、風呂場、洗面所では滑らないよう手すりや椅子を利用する、転倒しやすい階段は避け、エレベータを利用する

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#2頚椎症性脊髄症の手術に関連する不安がある

目標:手術に対する理解が出来、術前練習を通して安心感が得られる

OーP(観察)

1 疾患の理解度

2 不安内容

TーP(実施)

1 手術説明後の理解度の確認

2 術前オリエンテーション

3 不安に対する説明

4 不安内容が口に出して言えるような雰囲気作りをする

EーP(教育)

1 術前練習の必要性と方法について指導する

a 呼吸:0,5キロの砂嚢を腹部に乗せ、腹式呼吸、深呼吸

b 安静:頸部の両側を2キロ×2個の砂嚢で固定し仰臥位をとる

c 含嗽:ガーグルベースを使用し仰臥位で行う

d 排泄:便器尿器を使用し床上排泄

e 体位変換:カラーで頸部を固定しまっすぐの状態になるよう枕を調整し側臥位をとる

f 起居動作:側臥位になり下肢をベッドより下におろしながら、ベッド柵を上肢でしっかり持ちゆっくり体を起こす

g 食事:ベッドミラーとターンテーブルを利用し串刺し食を仰臥位で摂取

h 下肢の運動:下肢挙上訓練、足関節の自動運動、等尺性の大腿四頭筋訓練

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#3ハローリング装着に関連する不安がある

目標:固定の必要性が理解でき、安心して処置が受けられる

OーP(観察)

1 ハローリング装着の必要性

2 不安内容

TーP(実施)

1 ハローリング装着の理解度の確認

2 ハローリング装着のオリエンテーション:方法、期間

3 ハローリング装着の介助

4 不安内容に対する説明

5 不安内容が口に出して言えるような雰囲気作りをする

 

#4ハローベスト装着に関連したストレスが生じる

目標:固定になれ苦痛が表出できる

OーP(観察)

1 ハローベスト装着状態:リングのネジのゆるみ、ベストの固定状態

2 リング装着の随伴症状:頭部の締め付け、圧迫感、疼痛、開眼、目の動き

3 精神状態:言動、行動、睡眠

4 ADL:特に起居、移動、更衣、食事動作

TーP(実施)

1 ハローベスト装着状態不良時、医師に報告

2 随伴症状出現時、医師に報告

3 精神慰安:動揺や不安を和らげ安心感を与えるように励ます

4 疼痛、不眠時、医師の指示により薬剤使用

5 ADLの援助:食事(配膳下膳セッテイング)清潔(ベスト内ケア:毎日、清拭、さらしの交換、下半身シャワー、アルコール洗髪、ドライシャンプー)

EーP(教育)

1 ハローベスト装着に関する説明

2 ピン刺入部痛、ベスト圧迫感など症状出現時は報告するよう説明

3 ベスト装着に関する随伴症状について説明し、異常時は報告するよう説明する

4 ADLについて指導する:起居(モンキーバー、力綱の利用を進める)排泄(車いす用トイレの利用を進める)移動(歩行器の使用を勧める)

 

 

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#5ハローリング装着のピン刺入に関連する感染の危険性が高い

目標:頸部の感染や感染徴候に注意が払え報告ができる

OーP(観察)

1 ピン刺入部の状態:疼痛、発赤、腫脹、浸出液

2 発熱

3 ガーゼ交換

4 血液データ:CRP、WBC、ESR

TーP(実施)

1医師の指示により抗生物質の与薬

2ガーゼ交換介助:ピン刺入部を消毒し裁きガーゼを巻く

3頭部清潔の保持:ドライシャンプー、アルコール洗髪

EーP(教育)

1 不潔な手でガーゼに触れないように説明

2 疼痛、掻痒時はすぐに報告するよう説明

 

 

#6手術による頚部周辺の腫脹の為、呼吸困難、嚥下困難が起こる可能性がある

目標:頸部の安静が守れ、症状の変化が報告できる

OーP(観察)

1 呼吸状態:呼吸パターン、咳嗽、喘鳴

2 VS

3 嚥下状態

4 食事摂取状態

5 ガーゼ汚染:SB バック内の出血量

6 創痛

7 創周囲の腫脹

TーP(実施)

1 観察の基準:VS

2 SB バックの管理、出血量の測定、SBバック内の陰圧保持、ミルキングローラでミルキング

3 喀痰喀出の促進、超音波ネブライザ吸入(手術後は2時間ごと、以後は6時、10時、19時を1週間続ける)体位変換時の背部タッピング、ハイブレーション、胸腹式呼吸

4 食事、前方固定の場合(手術後2日目より流動食開始)後方固定の場合(飲水し誤嚥がなければ術後1日目より開始)

EーP(教育)

1 深呼吸、胸腹式呼吸の必要性について指導

2 咳嗽は努責しないよう頸に手を当てて軽く行うよう指導する

3 呼吸困難、嚥下困難時はすぐに報告するように指導する

 

 

#7頚椎症性脊髄症の術後の肢位調節不良により神経症状の悪化が生じる

目標:頸部の固定が守れ、症状が順調な経過をたどる

OーP(観察)

1 術前の神経症状との比較:運動障害、知覚障害

2 疼痛

3 肢位、頸部固定状態

TーP(実施)

1 医師と共に肢位調整、体位変換、頭部の両側に砂嚢2個、頭部下にスポンジ枕を置き頸部の固定、体位変換

2 神経症状悪化(しびれの増強、知覚鈍麻、上下肢の運動不良)時、医師に報告

3 医師の指示による鎮痛剤や湿布の使用

EーP(教育)

1 仰臥位安静と頸部固定の必要性について指導する

2 創痛、しびれの増強時はすぐに報告するよう説明

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#8膀胱直腸障害が術前からある場合、排泄困難が出現する可能性がある

目標:感染亡く早期に排泄が自立する

OーP(観察)

1 留置カテーテル留置中、尿の流出状態(量、性状)、留置カテーテル挿入部の不快感、汚染、膀胱訓練時の尿意及び終末感、水分出納

2 留置カテーテル抜去後、排尿時間、量、性状、排尿時痛、残尿感

3 腸蠕動音

4 排泄状態

5 発熱

6 検査データ:CRP、WBC、ESR7尿培養

TーP(実施)

1 留置カテーテル留置時:長時間の留置が予測される場合は陰部の剃毛

2 留置カテーテル留置中、陰部洗浄、留置カテーテル交換、感染時は医師の指示により持続膀胱洗浄、膀胱訓練(翌日より開始し尿意が確実になれば留置カテーテル抜去)

3 留置カテーテル抜去後、排泄時、プライバシーを守る環境を整える、排尿困難時の工夫:排尿へ誘導

4 排便コントロール、腹部の温罨法:マッサージ、医師の指示により緩下剤の使用

5 経口的に水分摂取困難時医師に報告

EーP(教育)

1 水分摂取:1日1500ml以上の飲水を勧める

2 腹部マッサージの方法を説明

3 留置カテーテル留置中の尿意終末感があればすぐに報告するよう説明する

4 排尿時痛、残尿感出現時は報告するよう説明する

 

参考資料:標準看護計画

 

#9頸部の安静に伴う仰臥位を強いられるため苦痛が大きい

目標:床上生活になれ制限がストレスとならないように援助が受けられる

OーP(観察)

1 体位

2 創痛、頸部痛

3 褥瘡好発部位の皮膚状態

4 ストレス:精神状態、身体的制限

TーP(実施)

1 仰臥位安静:砂嚢を頸部の両側に置き頸部をまっすぐに保つ

2 体位の工夫、医師同伴による体位変換、医師の指示により自力体位変換、側臥位時の固定:背部に安楽枕、レザーまくらを置き倒れないようにする,医師の指示によりベッドアップを開始

3 褥瘡予防、褥瘡予防用シーツを使用,側臥位時に背部清拭、マッサージ

4 清潔保持、側臥位時:背部、陰部、臀部清拭、全身清拭、手浴、足浴アルコール洗髪、ドライシャンプー、枕カバー、ロールタオル、背部バスタオル交換

5 食事の援助、串刺し食に変更、自力摂取不可の場合は食事介助

6 精神的援助、家族の面会考慮、訪室回数を多くし訴えをよく聴く

EーP(教育)

1 仰臥位安静の必要性について説明する

2 体位変換の方法を説明

3 気分転換:雑誌、ラジオなどの娯楽を勧める

4 カラー装着の必要性と方法について指導する

5 食事方法の指導、ターンテーブル、ベッドミラーの利用、スプーン、フォーク、ストローの使用

 

 

#10頸部の安静に伴う長期臥床から安静度拡大時、起立性の低血圧が起こる

目標:慎重に安静度拡大ができる

OーP(観察)

1 VS:特に安静度拡大前後の血圧値

2 眩暈、吐き気、冷感、倦怠感、脱力感

3 神経症状の変化

TーP(実施)

1 医師の指示によりベッドアップ開始

2 安静度拡大開始時は必ず医師、看護師が付き添う

3 危険防止:環境整備、衣服、シューズの準備

EーP(教育)

1 起居動作はゆっくりと確実に行う方法を指導

2 気分不良、めまいなど出現時はすぐに報告するよう説明する

 

 

#11術前からの頚椎症性脊髄症による運動麻痺と長期臥床による筋力低下があるため、起立歩行が困難である

目標:早期からリハビリテーションの意欲が持て、積極的に自動運動が行える

OーP(観察)

1 上下肢の知覚障害、運動障害

2 創痛、頸部痛

3 上下肢筋力

4 起立、歩行

5 リハビリテーションに対する意欲

6 カラー装着状態

TーP(実施)

1 リハビリテーションプログラムを計画、ROM訓練、自動他動運動

2  ADLの援助:特に起居動作、移動動作

3 車椅子、歩行器歩行が安定するまで付き添う

4 リハビリテーションの進行に合わせて激励

5 ベッド周囲の環境整備

EーP(教育)

1 リハビリテーション室での訓練の必要性について説明する

2 病室での自動運動方法について説明

 

 

#12頚椎症性脊髄症による症状が継続したまま家庭での生活に不安がある

目標:家族の協力を得て、日常生活における注意点が習得できる

OーP(観察)

1 上下肢の知覚障害、運動障害

2 ADL

3 家庭の生活様式

4 家族の協力の程度

TーP(実施)

1 医師、PT、家族との連絡調性

2 カラー装着方法の確認

EーP(教育)

1 退院指導、頸への負担を避ける、上下肢筋力トレーニングの続行、手すり、洋式トイレ、ふろなど家庭での生活様式の変更、改善を進める、定期的外来受診:異常時は連絡する

 

参考資料:標準看護計画

 

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