手術を受ける上肢切断患者の看護計画
#1突然の上肢切断に伴う不安が強い
目標:現状を理解し治療が受容できる
OーP(観察)
1 創状態
2 疼痛
3 腫脹
4 患肢の循環状態:出血、腫脹、皮膚色、チアノーゼ、冷感
5 全身状態:VS、貧血症状、苦痛顔貌
6 精神状態:言動、表情、ショックに対する反応
TーP(実施)
1 創痛や出血によるショック症状出現時は救急処置
2 患肢の安静、挙上
3 医師の指示により鎮痛剤の使用
4 患肢の循環障害出現時、医師に報告
5 精神慰安:動揺や不安を和らげ安心感を与えるように励ます
EーP(教育)
1 患肢の安静の必要性について説明
2 創痛増強時は報告するよう説明する
#2再接着術に伴う上司の循環障害が起こる可能性がある
目標:患肢の安静が守れ症状の変化が正しく報告できる
OーP(観察)
1 創痛
2 出血、ガーゼ汚染:ベンローズ、SBバック内の出血量
3 創状態:発赤、腫脹、熱感
4 患肢の循環障害:腫脹、浮腫、皮膚色、爪床色、皮膚温
5 患肢の神経障害:手指の動き、しびれ
6 肢位
7 ギブスシャーレによる固定状態
TーP(実施)
1 観察基準
2 輸液管理:医師の指示により説明
3 SBバックの管理
4 肢位調整:固定用伸縮性包帯、安楽枕を使用し挙上
5 出血、腫脹、疼痛増強時医師に報告
6 皮膚温、皮膚色悪化時医師に報告
7 医師の指示により鎮痛剤の使用
EーP(教育)
1 患肢の安静の必要性について説明
2 創痛、しびれ、冷感出現時、悪化時は報告するように説明する
3 禁煙の必要性について説明
#3上肢再接着術に伴う感染の危険性が高い
目標:感染徴候に注意が払え報告できる
OーP(観察)
1 創状態:発赤、腫脹、疼痛、熱感
2 上肢の腫脹、熱感
3 血液データ:CRP、WBC、ESR
4 発熱
5 患肢の汚染
TーP(実施)
1 入院時医師の指示により破傷風トキソイドの筋肉注射
2 ガーゼ交換介助:滅菌下巻合繊包帯、滅菌包帯、滅菌覆布、滅菌手袋の準備
3 医師の指示により鎮痛剤の使用
4 清潔の保持:全身清拭、手浴、足浴、洗髪
EーP(教育)
1 感染予防について説明、不潔な手でガーゼに触れない、水による汚染を避ける、包帯がぬれた時は報告するように説明
2 上肢腫脹、熱感、創痛出現時は報告するよう説明
#4上肢の機能回復への不安がある
目標:指示された運動が意欲的に継続できる
OーP(観察)
1 患肢の運動
2 ROM
3 運動時の創痛
4 患肢の腫脹
5 リハビリテーションに対する意欲
TーP(実施)
1 リハビリテーション開始前、患肢の温罨法:ホットパック
2 ROM測定
3 医師の指示により鎮痛剤の使用
4 リハビリテーションの進行に合わせて激励
EーP(教育)
1 ROMの拡大方法について指導:自動運動、患部以外の関節運動、患部は医師の指示により開始
#5上肢の機能障害が残るため退院後の生活に不安がある
目標:ADLの工夫が出来日常生活に自信が持てる
OーP(観察)
1 ROM
2 ADL
3 家族の協力度
TーP(実施)
1 医師、PT、家族との連絡調整
EーP(教育)
1 家族も含めて退院指導を行う、患肢の負担を避ける、患肢ROM拡大、筋力トレーニングの継続、定期的なリハビリテーション通院、家族によりADLの援助の必要性について説明する
参考資料:標準看護計画