手術を受ける上肢神経麻痺患者の看護計画
#1上肢神経麻痺の為ADLに制限がある
目標:手に負担がかからないようADLの工夫ができる
OーP(観察)
1 知覚障害、橈骨神経:拇指、示指、中指背側、尺骨神経:手掌・手背における環指の尺側半分及び小指全体、正中神経:母指~中指及び環指橈側半分の手掌面、示指、中指及び環指橈側の遠位指節間関節~指尖部
2 運動障害、橈骨神経:母指の外転不能、手指関節伸展不能、手関節背屈負荷、尺骨神経:手指伸展不能、環指小指屈曲、骨間部特に中指及び小指球の筋委縮、正中神経:母指対立障害、母指示指屈曲不能、ピンチ動作の障害中指屈曲減弱、前腕の回内運動減弱、掌背屈力の低下、母指球筋部の萎縮
3 ADL
TーP(実施)
1 ADLの援助、食事:セッテイング、更衣:紐結び、清潔:入浴時健肢の介助
EーP(教育)
1 利き手交換の必要性について説明する
2 異常感覚出現時は速やかに報告するよう説明する
#2上肢神経移行術、肘関節形成術に関連する不安がある
目標:手術に対する理解が出来、術前練習を通して安心が得られる
OーP(観察)
1 ROM
2 知覚異常
3 疾患の理解度
4 不安内容
TーP(実施)
1 手術説明後の理解度の確認
2 術前オリエンテーション:手術に関連して、疾患に関連して
3 不安内容に対する説明
4 不安内容を口に出して言えるような環境つくりをする
EーP(教育)
1 術前練習についての指導:片手動作になれる
#3上肢神経移行時、肘関節形成術による患部周辺の腫脹の為、循環障害が起こる可能性がある
目標:患肢の安静が維持でき症状の変化が報告できる
OーP(観察)
1 創痛
2 出血、ガーゼ汚染:SBパック内の出血
3 創状態:発赤、腫脹、熱感
4 患肢の循環障害:腫脹、浮腫、皮膚色、冷感
5 患肢の神経状態:手指の動き、しびれ
6 良肢位
7 ギブスシャーレによる固定状態
TーP(実施)
1 SBバックの管理:SBバック内の除圧保持、ミルキングローラでミルキング
2 肢位調整:固定用伸縮性包帯、安楽枕を使用し挙上
3 出血、腫脹、疼痛出現時医師に報告
4 手指、手関節の動き不良時、医師に報告
5 医師の指示により鎮痛剤の使用
EーP(教育)
1 患肢の安静の必要性について説明
2 創痛、しびれの増強、手指の動き不良時は速やかに報告するよう説明
#4上肢神経移行術、肘関節形成術に伴う長期患肢固定の為拘縮が起こりやすい
目標:指示された運動が継続できる
OーP(観察)
1 固定状態
2 ROM
3 運動時の疼痛
4 腫脹
5 リハビリテーションに対する意欲
TーP(実施)
1 医師による肘関節の他動運動時の介助
2 肘関節運動開始時、肩の温罨法:ホットパック
3 医師の指示により鎮痛剤の使用
4 リハビリテーションの進行に合わせ激励
EーP(教育)
1 リハビリテーションのプログラムについて指導、手術直後より手指の屈曲伸展運動、手術直後より肩関節、3週目より医師の指示後持続的関節他動運動装置
2 創痛、しびれの増強手指の動き不良時は、速やかに報告するよう説明
#5上肢神経移行術、肘関節形成術後の機能回復に不安がある
目標:ADLの工夫が出来、日常生活に自信が持てる
OーP(観察)
1 ROM
2 ADL
3 家族の協力の程度
TーP(実施)
1 医師、PT、家族との連絡調整
EーP(教育)
1 家族も含めて退院指導を行う、患肢の安静について、患肢のROM拡大、筋力トレーニングの継続、定期的なリハビリテーション通院、家族によるADLの援助、ギブスシャーレ内の清拭
参考資料:標準看護計画
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