密封小線源療法を受ける患者の看護計画
#1治療病室入室に対する不安がある
目標:入室までに不安の軽減を図ることが出来、スムーズに治療が受けられる
OーP(観察)
1 言動、表情、行動
2 不安感の程度
TーP(実施)
1 治療について分からない事、不安に思うことなど話を聴く
2 医師のムンテラ内容を看護師間に周知し言動の統一をする
EーP(教育)
1 医師より治療の必要性を説明。看護師への被爆の危険性があることも説明してもらい協力を得る
2 他病棟からの入室の場合、前日までに十分オリエンテーションを行う
#2放射線治療に起因する医療者への被爆の危険性により、訪室が限られるため精神的ストレスを感じる恐れがある
目標:被爆の危険性を理解するとともに、不安が軽減し精神的に安心している言葉が出る
OーP(観察)
1 訪室時の患者の表情、言動、行動
2 モニタカメラ内での患者の状態
TーP(実施)
1 常時モニタカメラで状態を把握する
2 観察により精神状態を把握する
3 ナースコールを利用して励ましの声をかける
4 家族による協力を得てナースコールによる患者と家族の会話を持つ
5 理解しがたい点、不都合な点を治療開始までに解決しておく
6 被爆対策:フイルムパッチ着用、放射線鉛防護用移動衝立を用いる、可能な限り作業は短時間で終了させる
EーP(教育)
1 放射性物質を使用するので遮断された部屋へ入室することの必要性を説明する
2 治療中は室外へ出ることが出来ないことを説明する
3 モニタカメラでいつでも状態の観察をしており、ナースコールで会話できることを説明する
4 入室中は被爆の危険性があるため、医療者が不必要に出入りできないことを説明する5安静度の範囲内で身の回りのことは自分で行うように指導する6ガーゼが外れたり異常時はナースコールするように説明する
7 ナースコール、照明、空調、トイレ、洗面所、テレビのリモコン操作など前日までに十分説明しておく
8 線源抜去後は周囲への汚染の心配のないことを説明する
#3イリジウム針刺入に際し、合併症を伴う危険性がある(感染、髄膜炎、頭蓋内出血、けいれん発作)
目標:合併症を未然に防ぎ異常を感じたら早急に報告することが出来る
OーP(観察)
1 VS
2 意識レベル
3 瞳孔、対光反射
4 麻痺の有無、状態
5 創部の状態、出血の有無
6 頭痛、創痛、吐き気、嘔吐
7 脳ヘルニアの症状
TーP(実施)
1 感染予防
2 頭蓋内圧亢進の把握と異常時医師に報告し対処する
3 けいれん発作
4 不穏又は体動の激しい時抑制することも考慮
EーP(教育)
1 頭部のガーゼ、三角布には触れないように指導する
2 頭痛吐気などの症状出現時、早急に報告するよう説明する
3 安静度を守るよう指導する
#4体動によりイリジウム針がずれたり脱落するおそれがある
目標:異常なく治療を受けることが出来る
TーP(実施)
1 処置時創や針の状態を医師に報告し対処する
2 線源がずれたりした場合、早急に医師に報告し対処する
EーP(教育)
1 安静度、体動の範囲は医師の指示に従い患者に説明:急激過激な体動は避けるよう説明する
2 針、挿入ガーゼなどに異常を感じたらすぐ看護師に知らせるように説明する
3 針が脱落しt場合は絶対に触れないように説明、指導する
#5放射線宿酔症状が出現する恐れがある
目標:宿酔症状の有無を看護師に告げられる
OーP(観察)
1 放射線宿酔症状
2 食事量の観察
TーP(実施)
1 安静
2 栄養の補充(食時の工夫、点滴など)
3 過度の水分補給
4 睡眠を十分とれるよう援助する
EーP(教育)
1 事前に宿酔症状について説明
2 症状出現時には正確な報告をしてもらうよう説明指導する
参考資料:標準看護計画