看護診断・身体損傷のリスク状態(外傷・成人)
看護診断名と要因
- #1 慣れない環境に関連した身体損傷リスク状態(外傷・成人)
- #2 麻痺による身体運動性障害に関連した身体損傷リスク状態(外傷・成人)
- #3 けいれん発作中のコントロールが出来ない硬直性や間代性の運動に関連した身体損傷リスク状態(外傷・成人)
- #4 肝性脳症や糖尿病性昏睡による意識レベル低下に関連した身体損傷リスク状態(外傷・成人)
- #5 脳組織の圧迫や変位による精神症状や意識レベル低下に関連した身体損傷リスク状態(外傷・成人)
- #6 ドレーンやルート類の留置による拘束感やストレスに関連した身体損傷リスク状態(外傷・成人)
- #7 脱水による電解質異常に伴う精神症状に関連した身体損傷リスク状態(外傷・成人)
- #8 不穏状態で体動が激しいことに関連した身体損傷リスク状態(外傷・成人)
- #9 視神経の圧迫や外傷、眼疾患による視野狭窄、視力低下に関連した身体損傷リスク状態(外傷・成人)
- #10 前庭機能障害や起立性低血圧による眩暈に関連した身体損傷リスク状態(外傷・成人)
- #11 末梢神経障害による感覚、知覚鈍麻に関連した身体損傷リスク状態(外傷・成人)
- #12 長期ベッド上安静や加齢に伴う筋力低下に関連した身体損傷リスク状態(外傷・成人)
- #13 装具、補助具使用のための不安定な歩行状態に関連した身体損傷リスク状態(外傷・成人)
- #14 術後の眼帯使用のための不安定な歩行状態に関連した身体損傷リスク状態(外傷・成人)
- #15 薬物やアルコールによるせん妄状態、見当識障害に関連した身体損傷リスク状態(外傷・成人)
- #16 痴呆などによる危険に対する認知力の低下に関連した身体損傷リスク状態(外傷・成人)
目標
- ベッドからの転落を予防できる
- 転倒や外傷が予防でき入院生活が安全に過ごせる
- ドレーンやルート類を自己抜去しない
- 日常生活を安全に送るための知識、行動が習得できる
観察項目
1 意識レベル、精神状態、理解力、認知力
2 麻痺、運動障害の有無と程度、ADLの状態
3 歩行状態と補助器具の使用状況
4 視力、聴力、視覚神経障害の有無と程度(眼鏡、補聴器の使用状況)
5 眩暈、含侵、ふらつき、気分不快の有無
6 環境(ベッドの位置と高さ、柵の有無、ポータブルトイレの位置、床頭台の位置、ベッド周辺や廊下の危険物)
7 活動しやすい衣服、履物である
8 検査データ(肝機能、腎機能、アンモニア、血糖、電解質、薬物の血中濃度
9 脱水症状、出血傾向の有無
10 ドレーン、ルート類の状態(固定状態、部位)
11 薬剤の使用状況と離脱症状の有無(振戦、せん妄、異常発汗、発熱、嘔吐、痙攣、不安)
12 はばたき振戦、けいれん発作の有無と状況、前駆症状
ケア項目
1 損傷を起こしやすい原因をアセスメントする
2 ベッドは4点柵とし低いベッドを使用する
3 必要時抑制帯などを使用し四肢を抑制する
4 けいれん発作や意識消失がある場合はヘッドギアを使用し、前駆症状の眩暈がある場合は安静を保持する
5 点滴の管理、水分摂取を促す
6 ドレーンや点滴ルート類の管理を行う
7 ベッド周囲、廊下の環境調整を図る
8 物品の位置を変えた時は必ず伝える
9 履物は滑りにくい運動靴を使用し、活動しやすい運動靴を使用する
10 身の回りのケアは必要時介助する
11 歩行が不安定な時は付き添い、必要時搬送する
12 状態に応じ尿器やポータブルトイレをベッドサイドに準備する
13 病室やトイレなどは表示し目印やラインを引く
14 手術をしていない目の視力が悪い場合、透明カッペなどを使用する
15 必要時夜間枕灯をつける
16 入浴シャワー時、お湯の温度を調節する
17 必要時安定剤や眠剤を与薬し鎮静を図る
教育項目
1 家族に抑制や鎮静の必要性を説明する
2 けいれんの前駆症状を説明し、患者と家族にその対応ができるように指導する
3 ドレーンやルート類の必要性を説明する
4 障害物や段差について説明する
5 危険な場合は、一人で動かないように説明する
6 起立性低血圧の場合は、急に立ち上がらないように説明する
7 歩行状態に合わせ、歩行器、杖、車椅子の使用を促す
8 片目時は遠近感がつかめにくいので、触って確認してから行動するように指導する
9 ベッド周囲に危険物が内容に整頓するように、面会時家族に指導する
「身体損傷リスク状態」の看護計画はこちらです→看護計画
看護診断・身体損傷リスク状態(外傷・小児)
看護診断名と要因
- #1 防衛反応が未熟であることによる環境への適応困難に関連した身体損傷リスク状態(外傷・小児)
- #2 光線療法により、網膜の損傷を起こす危険性に関連した身体損傷リスク状態(外傷・小児)
- #3 術後や外傷による視野欠損や視力障碍に伴う転倒や転落の危険性に関連した身体損傷リスク状態(外傷・小児)
- #4 ギブス包帯、装具装着等による不安定な歩行状態に関連した身体損傷リスク状態(外傷・小児)
- #5 転換や起立性低血圧などによる意識レベル低下やふらつきに伴う転倒の危険性に関連した身体損傷リスク状態(外傷・小児)
- #6 ドレーン類や点滴ルート留置による体動制限に関連した身体損傷リスク状態(外傷・小児)
目標
- 転倒や転落などで身体損傷がなく、安全に過ごせる
- 網膜損傷が起きない
- ドレーン類や点滴ルートを自己抜去しない
観察項目
1 危険に対する防衛反応の程度
2 運動障害の程度、意識レベル、歩行状態、理解力の程度
3 装具やドレーン類、点滴ルートの留置の有無
4 ADLの障害の程度
5 ベッド周囲の環境(部屋の位置、床頭台、トイレなどの位置)
6 点滴ルート類
ルートの長さ
点滴台ととっての位置(動かしやすいか)
点滴ルートは整理されているか
7 検査データ(視力や視野欠損の程度、ビリルビン、脳波など)
ケア項目
1 ベッド周囲や廊下の環境を調節する
2 光線療法中にアイマスクがズレている場合は張替えを行い、点滴ルートが首に巻き付かないように整理する
3 透明カッペを用いて術眼を保護する
4 点滴について
台は足台が大きく軽いものを選ぶ
児の動きを妨げないよう点滴ルートは長くする
点滴ルートは輪ゴムを付けた洗濯ばさみで止め、動きやすくする
5 ドレーンバックは袋に入れ方にかける
6 履物は滑りにくい運動靴を使用する
7 パジャマのズボンはすそを引きずらないように折るか、半ズボンを着用
教育項目
1 ベッド周囲に危険物が内容整頓するよう家族に指導する
2 ドレーンやルート類の必要性を説明する
3 歩行状態に合わせ、歩行器、杖、車椅子の使用を説明する
4 片眼時は遠近感がつかみにくいので触って確認してから行動するよう患児家族に指導する
参考資料:基準看護計画
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