看護診断・栄養摂取の変調:必要量以下(成人)
看護診断名と要因
- #1 治療による嘔吐、倦怠感、発熱、食欲低下に伴う摂取量不足に関連した栄養摂取の変調:必要量以下(成人)
- #2 腸蠕動低下に伴う腹満感に伴う摂取量不足に関連した栄養摂取の変調:必要量以下(成人)
- #3 疾患による咀嚼、通過障害や嚥下困難に伴う摂取量不足に伴う摂取量不足に関連した栄養摂取の変調:必要量以下(成人)
- #4 持続する発熱に伴う食欲低下に伴う摂取量不足に関連した栄養摂取の変調:必要量以下(成人)
- #5 咀嚼困難(義歯不適合、欠損や障害のある歯)による摂取量不足に伴う摂取量不足に関連した栄養摂取の変調:必要量以下(成人)
- #6 疾患による代謝障害に伴う摂取量不足に伴う摂取量不足に関連した栄養摂取の変調:必要量以下(成人)
- #7 気管切開や気管カニューレ挿入による嚥下障害に伴う摂取量不足に伴う摂取量不足に関連した栄養摂取の変調:必要量以下(成人)
- #8 食道再建術に伴う嚥下障害に伴う摂取量不足に関連した栄養摂取の変調:必要量以下(成人)
- #9 手術操作による反回神経麻痺に伴う嚥下障害に伴う摂取量不足に関連した栄養摂取の変調:必要量以下(成人)
- #10 舌、頭部、頸部、胸部への放射線照射に起因する粘膜の炎症や潰瘍形成による口腔、咽頭、食道の痛みに伴う摂取量不足に関連した栄養摂取の変調:必要量以下(成人)
- #11 精神的ストレス、不安による食欲低下に伴う摂取量不足に関連した栄養摂取の変調:必要量以下(成人)
目標
- 体重が〇キロまで増加する
- 口腔内の障害が改善し、食事摂取がスムーズにできる
- 不快な刺激が最小限になり、食欲が増進する
観察項目
1 食事摂取量、食欲、内容、嗜好の有無と内容
2 悪心や嘔吐の有無、嘔吐の回数、吐物の性状と量
3 脱水症状の有無と程度(口渇、口唇、皮膚の乾燥状態、尿量減少、倦怠感、脱力感)
4 体重の変化
5 疼痛の程度(嚥下時、口腔内)
6 舌の腫脹や動きの状態、開口障害の有無と程度、歯の状態、義歯の不適合の有無、歯肉の状態
7 口腔内の状態(アフタ、舌苔の有無、唾液の粘稠度
8 咀嚼、嚥下の有無と程度
9 嚥下障害による随伴症状の有無と程度(咽る、咳、嚥下時痛、誤嚥、悪心、嘔吐、つっかえ感、食物残留感
10 排便状態、腹部膨満の状態
11 検査データ(総蛋白、電解質、血糖、尿中ケトン、CRP、WBC、レントゲン写真)
12 バイタルサイン(発熱など)
13 睡眠状態
14 基礎代謝率の低下症状(低体温、徐脈)
15 神経性食思不振症の場合は食事中や食後の表情、言動に注意
16 摂取動作
17 食事時の姿勢(体幹の安定性、頸部の角度、股関節の角度、膝関節の角度)
ケア項目
1 食事摂取困難な原因をアセスメントする
2 食事の工夫
1回の食事量、食事回数時間の調整、食事内容、食事場所、食器の工夫をする
患者の思考を聴き食べやすい形態に食事変更する
顔面や舌の麻痺がある場合は、健側に食物を入れて咀嚼させる
誤嚥しやすい時は半固形物に変くしたり、増粘剤を混ぜとろみをつける
3 悪心、嘔吐時には冷たく臭気のない食品を選び、有効に制吐剤を使用する
4 食事前後に含嗽を励行し、口腔内の清潔に努める
5 食べることが苦痛にならないように気分転換を図り環境を整え、精神的支援や励ましをする(家族にも協力を得る)
6 摂取姿勢の調整をする
7 舌の動きが障害されている時は口腔内の後方に食物を置くために、適切な補助具を工夫する(柄の長いスプーン)
8 嚥下困難を起こす恐れのある食物は避ける
9 体重測定を行う
10 食道再建術の場合は用手的にしごいて嚥下を促す
11 気管カニューレがある場合はカフの空気を多くし、食事中と食後に吸引する。食後にカフを元に戻す
12 点滴時には指示された輸液の管理をする
13 便通を整える
教育項目
1 嗜好を取り入れ高カロリー高蛋白消化の良い物を差し入れしてもらうよう家族に説明する
2 食事摂取時はリラックスして焦らず自分のペースでゆっくり飲み込むよう指導する
3 十分な水分と栄養が必要であることを説明する
「栄養摂取消費バランス異常:必要量以下」の看護計画はこちらです→看護計画
看護診断・栄養摂取の変調:必要量以下(小児)
看護診断名と要因
- #1 持続する高熱、悪心、嘔吐に伴う食欲不振に関連した栄養摂取の変調:必要量以下(小児)
- #2 頻回な咳き込みによる嘔吐に関連した栄養摂取の変調:必要量以下(小児)
- #3 腸蠕動亢進による腹痛に伴う食欲不振に関連した栄養摂取の変調:必要量以下(小児)
- #4 化学療法、放射線療法の副作用による口腔粘膜の損傷と味覚障害に関連した栄養摂取の変調:必要量以下(小児)
- #5 神経麻痺、脳障害、頸部リンパ節腫脹、口蓋裂、口唇裂に伴う咀嚼や嚥下障害に関連した栄養摂取の変調:必要量以下(小児)
- #6 活動制限による食欲低下に関連した栄養摂取の変調:必要量以下(小児)
- #7 思考に合わない治療食に関連した栄養摂取の変調:必要量以下(小児)
目標
- 食事摂取量や哺乳量が増え、体重が増える(日標準体重〇キロ)
- 美味しく自分の好みのものが食べられる
観察項目
1 水分や食事摂取状態、内容、量と哺乳量
2 発熱の有無
3 悪心嘔吐の有無、回数、吐物の性状と量(咳嗽反射との関連の有無)
4 水分出納(尿量、性状)脱水症状(大泉門の陥没の有無と程度、皮膚の状態、口唇口腔内の乾燥)
5 検査データ(電解質、総蛋白、WBC、CRP)、尿の性状(比重、ケトンの有無)
6 腹部症状(腸蠕動の有無、腹部膨満、緊満の有無、便の性状)
7 体重の変化
8 口腔粘膜の状態(アフタや舌苔の有無、唾液のねんちょう度、歯肉の状態)
ケア項目
1 食事の摂取困難な原因をアセスメントする
2 患者の好みで消化の良い食物を頻回に(5~6回)少量づつ与える
3 指示された輸液を管理する
4 嚥下や咀嚼困難、むせがある時は患児の一番楽な体位で誤嚥に注意しながら食事ミルクを与える
5 経口摂取が困難な時は医師の指示により経管栄養の管理をする
6 食事が食べられた時はともに喜び励ます
7 口腔粘膜が損傷している場合は口腔内を清潔に保つ。痛みがある場合は表面麻酔薬を塗布する
8 味覚の変化がある場合は、味がしっかりある好きな食べ物を取り入れる
9 口唇や口蓋裂の児に対してはネラトンカテーテルを用いて哺乳を行う
10 哺乳後は生き不十分な場合は吐きがあるまでねかせない。誤飲防止に体位は右側臥位にとる
教育項目
1 患児家族に脱水状態になる危険性を説明し、場合によっては必要水分量を輸液で補う必要性があることを説明する
2 家族に食欲はなくても水分を勧めることと、水分摂取量を把握することを説明する
3 家族に哺乳方法や哺乳後の排気の必要性を説明する
参考資料:基準看護計画
コメント