看護診断・皮膚統合性障害リスク状態:褥瘡
看護診断名と要因
- #1 低たんぱく血症による腹水貯留、組織循環の減少に伴う皮膚の脆弱化に関連した皮膚統合性障害リスク状態:褥瘡
- #2 身体可動性の低下に伴う長時間の組織への圧迫に関連した皮膚統合性障害リスク状態:褥瘡
- #3 機械的刺激(ドレーン類による圧迫や治療用固定器具など)に関連した皮膚統合性障害リスク状態:褥瘡
- #4 発汗や便尿などの排泄物、分泌物による湿潤と皮膚への刺激に関連した皮膚統合性障害リスク状態:褥瘡
- #5 栄養障害に伴う脱水、るい痩など保護的防衛機能の低下に関連した皮膚統合性障害リスク状態:褥瘡
目標
- 皮膚の損傷が起きない
- 皮膚の異常を早期に伝えることが出来る
観察項目
1 全身の皮膚の状態
2 機械的刺激の有無
3 疼痛、掻痒かん、感染の有無
4 麻痺や身体可動性の状態
5 排便、尿失禁の状態
6 ガーゼの汚染状態、皮膚の湿潤の程度
7 検査データ(ESR、CRP、総蛋白、アルブミン)
ケア項目
1 褥瘡を起こしやすい原因をアセスメントする
2 体位変換を最低2時間おきに行う
3 体圧分散を図る
4 身体の清潔を保つとともに、皮膚の観察を行う
5 便尿失禁が続く場合は失禁パターンを判断し、失禁が起こる前に介助し、長時間排泄物が皮膚に当たらないようにする
6 ガーゼ汚染が多い時は交換を定期的に行い、汚染したシーツや衣類は早期に交換し皮膚の湿潤を防ぐ
7 軽度の場合は皮膚保護剤を使用する(ハイドロサイト系を使用することで治癒の速度が速まることが多い)
8 石鹸は刺激の少ないものを選ぶ
9 シーツや衣類のしわを伸ばす
10 浮腫のある場合は皮膚を保護する
11 ルート類やドレーンの固定は定期的に位置を変更する
12 低栄養状態の時は食事摂取が進むように援助する(高カロリー高たんぱく食に変更)
13 褥瘡形成時は客観的に評価を行い、上体に応じたケア内容を計画し次の評価日までに具体的な目標を決定しケアを行う
教育項目
1 体位変換の必要性を説明する
2 疼痛や痺れや痒みの部位、性質、程度を知らせるように説明する
3 清潔の必要性について説明する
参考資料:基準看護計画
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