看護診断・排便の変調:下痢(成人)
看護診断名と要因
- #1 大腸粘膜の炎症、大腸の細菌感染による腸粘膜の水分吸収障害、腸液分泌促進に関連した排便の変調:下痢(成人)
- #2 入院のため環境が変わることにより生じるストレスに伴う大腸や小腸の蠕動運動の亢進に関連した排便の変調:下痢(成人)
- #3 術後の腸管の喪失による水分吸収能力の低下に関連した排便の変調:下痢(成人)
- #4 化学療法、放射療法による腸内細菌叢の変化に伴う消化吸収不良に関連した排便の変調:下痢(成人)
- #5 経管栄養による消化吸収不良に関連した排便の変調:下痢(成人)
- #6 薬物の副作用による腸蠕動、粘液分泌の亢進に関連した排便の変調:下痢(成人)
- #7 不適切な緩下剤の服用に関連した排便の変調:下痢(成人)
目標
- 便性が改善し下痢がなくなる
観察項目
1 排便の状態
2 食習慣、水分摂取状態、歯芽の状態
3 脱水症状
4 腹部症状
5 発熱の有無
6 検査データ
7 水分出納、発熱の変化
8 経管栄養の注入速度、温度、濃度、量
9 生活リズム
10 精神状態(ストレスの有無)
11 肛門周囲の皮膚状態
12 緩下剤の内服状況
ケア項目
1 下痢の原因をアセスメントする
2 腹部温罨法を行う
3 指示により指示剤を使用する
4 食事内容を工夫する(牛乳を温めたり、低脂肪食に変更したり、形態を変える)
5 歯芽の状態にあった食物を選択する
6 輸液を管理する
7 訴えを傾聴し精神的ストレスを軽減するように努める
8 経管栄養は温めたものを適した温度、速度で注入する
9 水分摂取を促す
10 保温や安静に努める
11 環境を整える(消臭剤の使用、換気、手洗い用具の準備)
12 ベッドサイドにポータブルトイレを設置し、排便後はすぐ片付ける
13 排便後は肛門周囲を清潔にし乾燥させておく。皮膚トラブルのある場合は、座薬や指示の軟膏を使用する
教育項目
1 便の性状が変化したら報告するよう説明する
2 食事は消化の良い物をよく噛んでゆっくり食べるよう説明する
3 刺激物、乳製品、線維の多い食品、冷たい食物、発行しやすい食品は避けるよう説明する
4 食後30分は安静にするよう指導する
5 リラクゼーションの方法を指導する
6 電気アンカや腹巻など保温の方法を指導する
7 止痢剤の服用方法について指導する
8 感染予防の方法を指導する
看護診断・排便の変調:下痢(小児)
看護診断名と要因
- #1 化学療法による腸内細菌叢の変化に関連した排便の変調:下痢(小児)
- #2 細菌感染による腸粘膜の水分吸収障害、腸液分泌亢進に関連した排便の変調:下痢(小児)
- #3 術操作の影響による肛門括約筋の弛緩、収縮に関連した排便の変調:下痢(小児)
- #4 腸管の喪失に伴う吸収不良に関連した排便の変調:下痢(小児)
- #5 薬物の副作用に関連した排便の変調:下痢(小児)
- #6 経管栄養に伴う消化吸収不良に関連した排便の変調:下痢(小児)
- #7 食物アレルギーに関連した排便の変調:下痢(小児)
目標
- 便性が改善し下痢がなくなる
観察項目
1 便の性状、量、出血の有無、便回数
2 食事水分摂取状態(食事内容、習慣)
3 肛門周囲の皮膚状態(発赤、ビラン)
4 脱水症状(尿量減少、口渇、皮膚粘膜の乾燥、大泉門の陥没)
5 随伴症状(発熱、胃痛、腹痛、腹部膨満)
6 検査データ(尿中ケトン、比重、胸部レントゲン写真、総蛋白、電解質、アルブミン、細菌検査、便潜血)
7 電解質異常の有無(痙攣、興奮、振戦、意識障害)
8 水分出納、体質の変化
9 ストレス、緊張の有無
ケア項目
1 下痢の原因をアセスメントし食事水分摂取を制限、禁止する
2 食事内容を工夫する
乳製品などを控え、番茶や電解質補給飲料などの水分摂取を徐々に行う
ミルクは希釈し量も徐々に増やしていく
半固形、固形物を徐々に増やしていく
3 排尿時のケトン体チェックは陰性になるまで行う
4 経管栄養の際は2時間程度かけてゆっくり注入する
5 食事開始により下痢が悪化する場合は医師に報告する
6 輸液管理を行う(水分出納バランス不良時は医師に報告する)
7 必要時温罨法を行う
8 指示により止痢剤、整腸剤を与薬する
9 肛門周囲発赤時には、番茶綿で清拭したり番茶浴を行う
10 伝染性疾患の疑いがある場合は、便は速やかに固形化して処理する
教育項目
1 水分摂取の必要性について指導する
2 感染予防の方法(手洗い、含嗽、食物の保存、とり扱い等)を指導する
参考資料:基準看護計画
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