看護診断・思考過程の変調
看護診断名と要因
- #1 急激な環境の変化に関連した思考過程の変調
- #2 気管内チューブによるコミュニケーションの障害に関連した思考過程の変調
- #3 点滴ルートや尿道カテーテル、ドレーン留置による拘束感に関連した思考過程の変調
- #4 麻酔や長期持続鎮静剤の使用の影響に関連した思考過程の変調
- #5 アルコール中毒の禁断症状に関連した思考過程の変調
- #6 睡眠障害による論理的思考の欠如(夜間せん妄)に関連した思考過程の変調
- #7 痴呆の影響に関連した思考過程の変調
- #8 睡眠や失業などによる社会的孤立に関連した思考過程の変調
- #9 意識障害(脳虚血、蘇生の影響、電解質のアンバランス)に関連した思考過程の変調
- #10 ステロイドの長期使用の影響に関連した思考過程の変調
- #11 肝疾患によるアンモニア上昇(肝性昏睡)に関連した思考過程の変調
目標
- 現実と非現実を区別することが出来る
- 夜間持続した睡眠がとれ、昼間の活動が増大する
- 自分の感情や考えを表現することが出来る
観察項目
1 言語、行動、表情、コミュニケーションの状態
2 発熱、脱水、電解質異常の有無
3 疾患や手術についての理解と受け入れ状況
4 入院前、手術前の理解力や痴ほう症状の有無と程度、性格
5 アルコールの飲酒量、向精神薬やステロイドの使用、状況と副作用
6 疼痛の有無と程度
7 昼夜の睡眠状況
8 幻覚、妄想、作話の有無
9 抑うつ状態(会話の減少、引きこもり、自発性の減少)
10 点滴ルート、ドレーン、気管内チューブの有無と状況
11 検査データ(電解質、アンモニア)
12 家族の面会状況と面会時の反応
13 キーパーソンの存在の有無
14 入院前の生活環境、家族関係
15 排便の状態
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ケア項目
1 患者が一番反応する方法をアセスメントする
2 夜間せん妄がある時は、日中は覚醒しているように働きかけ、睡眠のリズムを取り戻す
3 家族との面会を多く持ち精神的安定を図る
4 家族の写真や家庭で見慣れたものをそばに置く
5 日時や場所を繰り返し告げたり、カレンダーや時計をみえる場所に置く
6 治療、検査前のオリエンテーションは難しい内容の話をしない
7 意思疎通が図れるようコミュニケーション手段を工夫する
8 有効なペインコントロールを行う
9 夜間、眠剤の使用と環境調整を行う
10 ベッド周囲の整頓など危険防止に努める
可能なら夜間は点滴をヘパリンロックする
患者家族の承諾を得たうえでナイフ、ハサミ、ライターは看護師が管理する
11 点滴ルートやドレーン類の整理をし、体動可能な長さにする
12 ゆったりとした態度で接し、話し相手になったり患者のそばに居る時間を多く持つ
13 患者が自分でできることは自分で行ってもらい、迷っていればその都度介助し行う
排泄方法(トイレの使い方、尿器の使い方)
食事(食道の利用、食事の食べ方)
清潔(入浴、洗面方法、身だしなみ)
14 気分転換を図る(音楽、手芸、散歩、読書など患者の趣味を取り入れる)
15 排便を調節する
16 部屋の前に目印をつけたりトイレへの経路に印をつける
教育項目
1 家族に、せん妄状態は多くの場合一過性であり、その間は十分な保護が必要であることを説明する
2 情緒の安定のため家族の面会が必要であることを説明し、なるべく面会の機会を多くとるよう説明する
3 処置や治療について分かりやすく説明する
4 日時環境の状況について繰り返し説明する
参考資料:基準看護計画
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