看護診断・悲嘆/予期悲嘆

看護計画(看護診断)

 看護診断・悲嘆/予期悲嘆

看護診断名と要因

  • #1 感覚、運動障害に起因する機能障害に関連した悲嘆/予期悲嘆
  • #2 外傷、手術による身体一部の喪失に伴うボディイメージの変化に関連した悲嘆/予期悲嘆
  • #3 今後予想される喪失に関連した悲嘆/予期悲嘆
  • #4 突然の発症、手術に関連した悲嘆/予期悲嘆
  • #5 疾患による社会的立場の危機感に関連した悲嘆/予期悲嘆
  • #6 生命に関わる病状、今後の経過予後に関連した悲嘆/予期悲嘆
  • #7 キーパーソンの喪失に関連した悲嘆/予期悲嘆
  • #8 職業地位の喪失に関連した悲嘆/予期悲嘆
  • #9 ライフスタイルの変化に関連した悲嘆/予期悲嘆
  • #10 家族間のサポート不足に関連した悲嘆/予期悲嘆
  • #11 老年期の身体の変化、役割の変化、ライフスタイルの変化、希望の喪失に関連した悲嘆/予期悲嘆
  • #12 奇形児の出産に関連した悲嘆/予期悲嘆
  • #13 気管切開や喉頭摘出で声を失ったことに関連した悲嘆/予期悲嘆

目標

  • 悲しみを表出できる
  • キーパーソンと悲しみを分かち合うことが出来る
  • 現状が受け入れられて希望が持てる
  • 何かしたいと訴え実行できる
  • 身体機能の喪失が受容でき家庭、社会復帰への意思決定に参加できる

観察項目

1 悲嘆プロセスの段階を示す言動、行動、表情、食欲、睡眠状態、身だしなみ

2 悲嘆の原因及び寄与因子

3 患者の性格、帰室、経口、今までの喪失体験、趣味、ライフスタイル

4 患者が疾患や予後についてどう理解しているか

5 キーパーソンの有無

6 説明内容の把握、それを聞いたときの本人や家族の反応

7 家族関係

8 地位、社会での役割の状況

9 経済状況

10 将来に対する希望

11 信仰の有無

ケア項目

1  喪失の原因をアセスメントし悲嘆作業(否認、怒り、取引、抑うつ、受容)を促進できるよう、悲嘆プロセスの段階を評価し援助していく

2 悲嘆プロセスの段階に応じた対応をする

・否認の段階

 やさしい穏やかな声で話す

 温かい思いやりのある態度で患者のそばに付き添い静かに見守る

 共感を示す

 喪失に対しては、他の人も同じような悲しみを経験していることを話す

 静かな環境を整える

 患者の言動行動に留意する

 必要時鎮静剤や精神安定剤の与薬、安楽を図る

・怒りの段階

 患者を寛容に受け入れ理解する

 怒りの原因を理解しそれを個人のせいにしない

 強制せず患者の訴えに耳を傾ける

 罪の意識は正常な悲嘆の一部であることを説明し安心を与える

・取引、抑うつの段階

 患者の話をよく聞き激励する

 家族と協力し元気を出すように励ます

・受容の段階

 新しい自己イメージの価値観を築き、具体的に今後の生活について考えるよう援助する

 専門的知識、技術の提供を行う

 公的福祉の利用方法について説明する

 同じ疾患や喪失体験を持つ患者の話を聴く場を設ける

教育項目

1 重要他者に悲嘆プロセスの段階を説明し家族に支援することの必要性を説明する

2 今後予想される処置や治療などによる喪失については、患者の状態に応じて前もって説明する

3 患者自身に悲しみを素直に表出するよう説明する

 看護診断・悲嘆/予期悲嘆:家族

看護診断名と要因

  • #1 生命に直結する手術を患者が受ける事に関連した悲嘆/予期悲嘆・家族
  • #2 予後不良で患者を喪失するのではないかという思いに関連した悲嘆/予期悲嘆・家族
  • #3 先天性奇形、染色体異常の児が成長経過とともに、機能喪失する可能性に関連した悲嘆/予期悲嘆・家族
  • #4 家族間のサポート不足に関連した悲嘆/予期悲嘆・家族
  • #5 病状の回復の兆しがないことに関連した悲嘆/予期悲嘆・家族

目標

  • 悲しみを言葉で表出できる
  • 患者のために何かしたいと述べ、実行できる

観察項目

1 家族の表情、言動、キーパーソンの有無、患者への接し方

2 疾患症状についての理解度

3 行動パターン(入眠状態、疲労度、食事の摂取状態、身だしなみ、落ち着きはあるか)

 一人の人間としての生活が営めているか

4 コミュニケーションパターンの変化(同じことを繰り返せ居ているか、アイコンタクトは取れているか)

5 病状説明時の反応と理解度

6 他の家族との交流の程度

ケア項目

1 喪失の原因をアセスメントしフインクのききモデルを使用して悲嘆作業(衝撃、防御的退行、承認、適応)を促進できるよう悲嘆プロセスの段階を評価し援助していく

2 悲嘆プロセスの段階に応じた対応をしていく

・衝撃の段階

 家族を椅子に座らせ環境を整える

 安全を考え必ず付きそう

 面会時間を増やす

 共感的受容的態度で接する

・防御的退行の段階

 説明を繰り返し、看護師からも分かりやすく説明する

 家族が怒り、死の否認、敵意を示す場合はそれを否認せず温かく接する

 家族の中の支持者の存在を把握し、その人に働きかける

・承認の段階

 家族に対する励ましや慰めの言葉をかけ積極的な介入を行う

 ケアを一緒に行い、患者の役に立ちたいという家族の欲求を少しでも満たす

・適応の段階

 院内や地域の支持団体などを紹介する

 死の場面、患者の容姿の変化を最小限にとどめられるようにする

 臨終が近づいたときには家族とともに静かに死をみとることが出来るよう環境を整える 

3 同じ疾患を持つ家族と交流が持てるよう病室を配慮する

4 不眠が続く場合は少しでも休息が取れるように面会時間を配慮する

5 食事がとれているかを尋ね、取れていない場合は食べられるように環境を整えたり面会の交代など環境を整える

教育項目

1 自分の思いを我慢せず表出するように指導する

2 患者への接し方を説明する

参考資料:基準看護計画

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