パルスオキシメータとは?パルスオキシメータの使用目的
- パルスオキシメータは血中の酸素飽和度を測定するものであり、チアノーゼが起こる前段階で動脈血中の酸素量の不足を把握することができる機器である
- また手指に挟むだけなので患者に苦痛を与えず簡便に何回でも連続的に実施できる利点がある
- 体内で必要な酸素は呼吸によって取り込まれ、動脈血の赤血球内のヘモグロビンと結合して末梢へ運ばれる。抹消組織のガス交換によって生じた二酸化炭素は、静脈血を通して心臓、肺まで戻る
- この循環が酸素の不足で阻害されると末梢(口唇、頬、耳たぶ)にチアノーゼが現れる。血液は酸素が十分に含まれると鮮紅色だが、低酸素濃度状態では暗赤色になる。それが皮膚粘膜の毛細血管を通して青紫色に見えるのが、チアノーゼである
目的
非侵襲的に動脈血酸素飽和度を測定するため、センサーを常時患者の指先あるいは耳たぶに装着するので、連続的かつリアルタイムな測定が可能になる
適応
① 麻酔中・後の患者
② 人工呼吸器装着中あるいは離脱後の患者
③ 新生児未熟児
④ 呼吸不全患者
⑤ 睡眠時無呼吸患者
⑥ 在宅酸素療法・在宅人工呼吸を行っている患者
⑦ 運動負荷試験における呼吸管理
⑧ 回復室やICUにおける呼吸管理
⑨ 鎮静薬を使用した検査における呼吸管理、以上の患者の呼吸管理を行う上で重要なモニターになる
技術の根拠と知っておきたい知識
パルスオキシメータの知識
・ 酸素は血液中ではヘモグロビンと結合している
・ 酸素と結合しているヘモグロビンを酸化ヘモグロビン、酸素と結合していないヘモグロビンを還元ヘモグロビンという
・ この2種類のヘモグロビンの光の吸収度の違いを利用して酸素飽和度を測定している
・ ブローブには発光ダイオードと光センサーが組み込まれている。発光ダイオードからは赤色光と赤外光の種類の光が出ており、この光が酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンに吸収され光センサーで検出される
使用前の準備
① 患者にあったブローブを選択する
② 同一製造業者の本体とブローブを接続する
③ ブローブのセンサー面の汚れを確認する
④ スイッチを入れ看護師の指につけてSPO2が96~98%を示すことを確認する
患者への説明
「血液の酸素の割合を調べる機会を指につけます」
「指にセンサーを挟んで測ります。数秒で終わります」
「体の力を抜いてできるだけ指を動かさないでください」
使用の手順
① 電源を入れる
② ブローブが患者の皮膚に密着していることを確認する。装着方法は使用する製品の取扱説明書の方法に従う
③ 装着にSPO2と脈拍数が表示されるのを確認する
※継続して測定する場合:ブローブ装着部を間欠的に観察し、装着部位を変える
※末しょう循環の悪い患者の場合:心拍出量の低下、低体温などのように末しょう循環が悪いと十分な脈波が得られず、正しい値が得られない。ブローブがきつく固定されていないかを確認する。また測定部位を変えてみる
使用後の点検
① ブローブを外して電源を切る
② ブローブを装着していた皮膚に損傷がないことを確認する
③ 本体やブローブに破損や汚れがないか確認する
④ 消毒滅菌については、製品の取り扱い説明書の方法に従う
パルスオキシメータの利点
・ 肉眼的には酸素飽和度が85%程度にならないとチアノーゼを発見できないことが多い低酸素症を早期発見できる。
・ 非侵襲性であり、いつでもどこでも苦痛を与えず連続して測定できる
・ 測定が数秒でできるので変化しやすい患者の呼吸管理がタイムリーに行える
・ 動脈血の脈波がプレティスモグラフとして表示される製品では、プレティスモグラフの波形を観察することで、抹消循環を把握することができる
参考資料:看護技術ベーシックス
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