関節可動域(ROM)訓練の方法について

関節可動域(ROM)訓練の方法について

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関節可動域(ROM)訓練目的

① 関節を動かさないことによる拘縮予防

② 静脈血栓、浮腫の予防

③ 関節運動感覚への刺激を図り、随意運動を誘発する

関節可動域(ROM)訓練適応

① 意識障害や運動麻痺、筋力低下などにより、自分で関節を関節可動域まで十分に広げることができない患者

② 脳血管障害の患者

看護技術の手順

関節可動域訓練の準備

1 次のような視点でアセスメントを行う

① 患者の随意運動

どこまで自分で身体を動かせるかを確認する。また、正常な関節可動域も理解しておく。可動域の数値は個人差があるので、一応の目安として知っておく

② 身体状態

開始前のバイタルサイン測定で、実施が可能かどうか確認する

③ 患者は認識できるか

何を行うのかを説明して患者の了解を得る。意識障害のある場合は家族に説明する

④ 衣服は適切か

動かしやすい服装で、できる限りズボンを着用してもらう

⑤ 環境的な状況は整っているか

なるべく排便排尿は済ませておく。点滴や尿道留置カテーテルの接続状態は安全か、関節を動かすだけのスペースがベッド上に確保されているか。

2 運動前に、できれば患者の局所もしくは全身を温めておく

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他動的関節可動域訓練の実施方法

① 手指関節

・ 母指の屈曲・・・手のひらを上に向け4本の指を保持して母指を小指の付け根に触れる

・ 母指の伸展・・・両手で母指と4本の指を持ちそれぞれを外側に開く。さらに母指を回転させる

・ 4本の指の屈曲伸展・・・母指を固定して、その他の指を手の平側に曲げたり、手の背側に伸ばす

② 手関節

・ 前腕の回外、回内・・・患者の肘を90度に曲げる。手首をもって内外に回転する

③ 肩関節

・ 肩関節の伸展・・・一方の手で患者の手首を持ち、もう一方の手で肩甲骨の裏側を保持する

・ 肩関節の屈曲・・・前腕がベッドに垂直になる程度、肩甲骨を持ち上げるように押し上げる。その後、そのまま頭の上まで屈曲する

④ 肘関節

・ 肘関節の伸展屈曲・・・患者の手のひらを上にする。介助者は一方の手で手首を持ち、もう一方の手で上腕を支えて伸ばす。次に、上腕を保持したまま肩まで屈曲する

⑤ 足関節

・ 足関節の背屈底屈・・・片手で足首を保持しもう一方の手で踵部をもち、アキレスけんを伸ばすように背屈させる。次に元に戻し、足首を保持したまま、もう一方の手を足指の部分に持ち替えて伸ばす

⑥ 股関節

・ 股関節の伸展屈曲・・・膝と足関節を持つ。足を延ばし膝を伸ばしたまま挙上する

・ 股関節の外旋内旋・・・同様に膝と足関節を持ち、膝を曲げて持ち上げて外旋内旋運動をする

・ 股関節の外転内転・・・同じように膝と足関節を持ち、今度は膝を伸ばしたまま足を開閉する

他動的関節可動域訓練終了後

  •  「お疲れさまでした。とても熱心に取り組まれていましたね」など、患者の姿勢を評価してねぎらう
  •  ※医療者によって一方的に訓練させられるという感覚を持ち、抵抗感を覚える患者も少なくない。従って、可能な限り患者が自発的に取り組めるような雰囲気づくり、および方法を工夫することが望まれる。
  •  例えば料理好きの患者の場合、手関節の掌屈や背屈を行うよりは「包丁を持つ操作をしてみましょう」など、その人の日常生活動作になぞらえて運動するような工夫をする。
  •  患者にとって目的や動機が明確になり、患者のやる気に合わせて実施することができる

片麻痺患者の関節可動域訓練

1 痙性麻痺のある患者の関節可動域訓練

  •  痙性麻痺のある患者はほぼ100%が筋短縮を合併する。
  •  ゆっくりと時間をかけながら可動域いっぱいに他動運動を行い筋を伸長する。
  •  可動域の最終域は特にゆっくりと動かす。
  •  1動作を5~10秒ほどで行うのが目安。
  •  ただし肩関節は関節包の損傷や上腕骨の亜脱臼を予防するため、90度以上の屈曲・外転は行わない

2 弛緩性麻痺のある患者の関節可動域訓練

  •  患側の肩関節亜脱臼などを起こさないように可動域の半分程度にとどめる

参考資料:看護技術ベーシックス

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