慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の看護過程アセスメント

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アセスメントの視点と根拠・起こりうる看護問題

1症状の部位、出現状況、程度の観察

症状の状態や程度を観察することにより、重症度や緊急度を判断することができ看護計画の立案に有効である

 

・主な症状は呼吸困難と痰、咳である

・呼吸困難は空気の呼出が障害されることにより、息を吐ききっても空気が肺に残り、ガス交換が十分に行えないために生じる。ガス交換障害の程度により重症度は異なるが徐々に増悪することが多い

・ガス交換の効率は血液ガス分析による動脈血酸素分圧、動脈血炭酸ガス分圧、pH値を指標として評価する

・スパイロメータによる排気量測定では1秒率の低下を認める。呼気流速と排気量の関係を見るフローボリューム曲線では後半のスピードが低下する特徴的なパターンを示す

・強い呼吸困難がある場合には死への不安を抱くなど心理的問題も現れる

・本疾患は初期には高炭酸ガス血症を伴わず、軽度から中度の低酸素血症を認める。進行すると低酸素血症が増強し高炭酸ガス血症を伴い運動や睡眠などによって増悪する

・重症な低酸素血症では肺動脈圧が上昇し、肺高血圧症から右心不全を起こすことがある

・気道の閉塞やねんちょうな分泌物の貯留により、気道の浄化に障害をきたす。重症例では窒息の危険を伴う

・ガス交換障害により日常生活に必要な酸素の供給が不足するため活動に対する耐性が低下し、活動レベルが低下する

・呼吸時のエネルギー増加や食事摂取時の呼吸困難、疲労感により食事摂取量が低下し栄養障害によりやせ形になる

起こりうる看護問題:呼吸困難、窒息に対する恐怖に関連した不安、効果的な咳嗽が行えない、ADLに必要な酸素供給の低下、不適切な栄養摂取量による体重減少

 

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2治療の効果、急性増悪の徴候の観察

治療効果の観察は、病状や全身状態を管理するうえで重要な視点である。急性増悪の徴候を観察することは症状悪化の早期発見、早期対処につながる

 

・行っている治療を理解する

・酸素投与中や気管支拡張薬投与後に呼吸困難が軽減しているか、血圧や脈拍などのバイタルサインは安定しているかなど治療の効果を観察する

・気管支拡張薬の使用時は動機や頻脈に注意する

・テオフイリンは血中濃度の上昇により副作用が発現することが多いため、定期的に血中濃度を観察し副作用の出現に注意する

・活動中の呼吸困難や疲労感、チアノーゼの有無などを観察し適切な活動レベルであるかをアセスメントする

・急性増悪は気道感染を契機に起こる場合が多い

・痰の性状や量、PaCO2値は重症度を判断する指標となる

・黄色や緑色の痰は呼吸器感染を示す兆候である

・喫煙は最大の危険因子であるため喫煙歴を確認する

・在宅酸素療法の施行にあたってはライフスタイルの変更を余儀なくされたりボディイメージの変化や経済的負担などの問題を生じる

起こりうる看護問題:症状、治療、感染予防、急性増悪の徴候についての知識不足、在宅酸素療法に関連した不安

 

 

3患者家族の心理・社会的側面の把握

患者家族の疾患についての理解の程度を観察する。継続的に治療を行っていくうえで疾患をどのように認識し、どのような不安を抱えているかを知ることは、療養生活に質にも影響するため重要である

 

・患者や家族の疾患についての理解の程度や不安などを観察する

・心理的なストレスに対してどのようなコーピング行動をとっているか、またこれまでストレスに対してどのようなコーピングをとっていたかについて観察することは、効果的な支援を行う上で重要である

・長期的な療養生活を送るうえで問題となることがないかを観察する

起こりうる看護問題:療養生活への支援に関連した身体的、情動的、社会的、経済的な家族の不安

 

 

慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の看護計画はこちらです

 

参考資料:疾患別看護過程