胃がん患者の看護過程アセスメント

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アセスメントの視点と根拠・起こりうる看護問題

1全身状態の把握

心身の状態を把握し、看護計画の立案につなげる。疼痛や苦痛、疾患のとらえ方など心理的な要素は、身体的問題や治療意欲に関係してくる

・手術麻酔の影響により、術直後は状態が不安定なので、頻回なバイタルサインチェックやモニタリングが必要。また意識状態の確認も必要となる。特に増井総監や疼痛に伴う呼吸器合併症、術後出血が起こりうるので、呼吸循環動態の観察が必要となる

・疼痛や悪心などの苦痛が増強する可能性がある

・手術が無事終わったのかといった不安を抱きやすく、疼痛などの症状により不安が増強する可能性がある

共同問題:術後出血

起こりうる看護問題:呼吸器合併症を起こす危険性/疼痛や悪心による安楽障害/患者家族の回復過程や予後に対する不安

 

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2術直後に起こりうる合併症に関する観察

起こりうる術後合併症を念頭に置きながら観察し、アセスメントしていくことが必要になる

(呼吸機能)

・吸入麻酔や挿管により呼吸抑制が起こったり、気道内分泌物が増加しやすい。呼吸状態や痰の量・性状など観察する必要がある

・術前の喫煙歴、肺機能、年齢に着目する必要がある

・体液の不足により、気道分泌物のねんちょう度が増すので水分出納を観察する

・疼痛による呼吸抑制や咳嗽反射の低下が起こる可能性があるので、疼痛の様子を観察しケアしなければならない

起こりうる看護問題:呼吸器合併症を起こす危険性/呼吸パターンの変調

 

(循環動態)

・吻合部の止血や切離端の結紮が不十分であると、吻合部により後出血を起こし循環血液量が不足する。バイタルサインの変動や創部・ドレーン排液の観察を行う必要がある

・麻酔や疼痛の影響により血圧が上昇すると吻合部への圧が増加するため疼痛やバイタルサインに注意する必要がある

・術前の血圧や出血傾向がないか着目する必要がある

起こりうる看護問題:組織循環の変調

 

(創部の状態)

・じゅつぜんから低栄養状態であることが多く、術後の絶飲食によりさらに栄養状態が悪化する可能性がある。また、手術侵襲による免疫力低下も考えられるため、感染や縫合不全などの創部のトラブルが起こりやすい

・縫合部の過緊張による血行障害により、縫合不全を起こしやすいため、胃管やドレーンの排液、消化器症状を観察する必要がある

・創部やドレーンからの感染を防ぐため、観察し管理を適切に行う。また、清潔が保たれるように創部の保護や清拭を行う必要がある

共同問題:縫合不全のリスク

起こりうる看護問題:創部感染の危険性/呼吸パターンの変調

 

(疼痛・不快症状)

・手術による組織の損傷やドレーン留置による疼痛が起こりやすい

・体動や咳嗽による刺激によって疼痛は増強するので、創痛だけでなく体位や喀痰の状況などにも注意する必要がある

・麻酔薬や腸管麻痺、消化管内圧の上昇による悪心が現れることがあるので、観察ケアが必要になる

起こりうる看護問題:手術や処置による疼痛/薬物の副作用による悪心・嘔吐

 

 

3食事開始後の観察

手術により吻合部の浮腫や朝刊麻痺といった消化管のトラブルが起こりやすい。また消化吸収機能が低下しており、食事に伴い合併症が起こる可能性が高い。食事摂取方法の変更に際しては、入院前の食生活の状況を把握する必要がある

(消化管症状)

・麻酔による腸管運動の抑制、術中の腸露出による平滑筋運動低下により、イレウスが起こる可能性がある

・疼痛に伴う活動量低下により、腸管運動が低下するため疼痛や離床状況を確認しケアしていく必要がある

・胃切除により貯留機能喪失や低下、塩酸やぺプチン分泌機能の低下に伴い下痢を起こしやすい

・吻合部の浮腫、狭窄による消化液の停滞や逆流が起こる可能性がある

共同問題:イレウスのリスク/吻合部狭窄のリスク/逆流性食道炎

起こりうる看護問題:活動量低下による便秘/消化機能の低下による下痢

 

(栄養状態)

・術前から栄養状態が低下している場合が多く術後の悪心、通過障害、食欲不振などによる低栄養状態に注意する必要がある

・胃の貯留機能低下により高張な食物が急速に小腸に流入するので、腸管への水分移動やセロトニンなどのホルモンが分泌され、自律神経のバランスが乱れる。また糖質の急速な吸収により高血糖状態となりそれに伴いインスリンが過剰分泌されて低血糖状態に陥る

・食事摂取方法や内容の変更は長年培った食生活の変更であり、入院前の食生活を中心とした生活状況を理解し、個人に合った指導をする必要がある

・長期的には胃酸減少による鉄の吸収障害による貧血、カルシウム、ビタミンDの吸収障害による骨障害にも注意し、食事指導を行う必要がある

共同問題:ダンピング症候群

起こりうる看護問題:適切な食事摂取が行えないことにより低栄養を起こす危険性/鉄分吸収障害による貧血/カルシウム・ビタミンD 吸収障害による骨障害

 

 

4患者家族の心理社会的側面の把握

患者が疾患についてどのようにとらえているか把握する必要がある。術後は機能変化に伴い生活の再編成を行う必要があり、患者の闘病意欲にも関係する。また家族の協力が必要であり、家族の認識や理解力などを把握する必要がある

・患者家族が疾患についてどのように思い、捉えているか把握する。直接聞き取るだけでなく表情や言動、睡眠状況などに注意する

・患者家族の理解の程度や状況に応じて、現状を説明したり、医師に説明を依頼する必要があるか見極める

・疼痛や食事にまつわるトラブルなど、症状によって不安が増強しやすいので症状への対処や説明が必要になる

起こりうる看護問題患者家族の回復過程や予後に対する不安/退院後の自己管理が行えない可能性/不安による睡眠障害

 

胃がん患者の看護計画はこちらです

 

参考資料:疾患別看護過程