肝臓がん患者の看護過程アセスメント

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アセスメントの視点と根拠・起こりうる看護問題

1身体的状況の把握

治療前は合併症のリスクアセスメントに、治療後は合併症の症状や徴候の有無を観察し、予後や早期発見に努める上で身体状況の把握は不可欠である

 

・自覚症状の把握:倦怠感、食欲不振、横断、腹部膨満など

・肝機能状態;AST、ALT、ICG、TPなど

・腫瘍マーカー

・肝病巣画像診断:超音波、MRI、CT、血管造影

・一般状態:呼吸、循環、栄養、腎臓、造血、電解質、感覚、知覚障害など

 

共同問題:循環血液量減少/肝不全

起こりうる看護問題:性さに伴う苦痛/低栄養状態/肝不全症状の出現や悪化/疼痛や倦怠感による苦痛

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2患者・家族の心理・社会的側面の把握

患者の多くは癌に至るまでに慢性肝障害で長い療養を経験し、入院治療やがん手術の受け止め、療養上の取り組みも個別性が高いことが予測される。

術前はがん手術の決断に対する不安の支援に、術後は高い再発リスクにおびえる患者の思いに配慮し、これまでの療養法も活かしながら家庭での療養生活を支援するうえで心理社会的状況の慎重な把握が重要である

 

・入院、治療、癌、療養生活に対する説明内容や理解の程度および受け止め

・不安や恐怖の程度、状況

・療養上の取り組み

・社会的役割、家庭生活、活用できる社会資源

 

起こりうる看護問題:術後やがん再発に対する不安

 

 

3身体的状況の把握(術前)

問診や検査結果の把握は術後合併症のリスク判断のために欠かせない

 

・既往歴、生活習慣、現病歴、感染症、HCV、HIV

・治療前検査結果での合併症のハイリスク

 

起こりうる看護問題:術前準備に伴う苦痛/肝機能障害の悪化の恐れ/慢性肝障害に伴う合併症の恐れ

 

 

4患者・家族の心理・社会的側面の把握(術前)

患者の多くは発癌リスクを知らされているが、発癌時には自覚症状もなく青天の霹靂のような衝撃を受けるものも多い。

肝臓がんの原因や手術に至るまでの疾患の受け止めについての把握は、術後の心理社会的支援に有用である

 

・診断名や病状、治療に関する説明内容、がんや病状告知の内容

・肝機能や肝疾患についての知識や認識

 

起こりうる看護問題:がん告知に伴う衝撃/手術や麻酔に対する不安

 

 

5身体的状況の把握(術後)

術後は肝硬変を合併している点で、他の回復手術よりも合併症の種類やリスクが高く迅速で的確な身体状況の把握が回復を支える上で非常に重要である

 

・術後合併症:特に後出血、肝不全徴候、胆汁、腹水漏出、高血糖など

・全身麻酔や開腹手術に伴う一般的な合併症の徴候と症状、循環血液量減少、呼吸機能障害、感染、縫合不全、腸閉塞、下肢静脈血栓

・必要な安静度や長期臥床に伴う随伴症状

・治療部やドレーン留置の痛みや不安、腰痛などの手術の苦痛の緩和状態

 

共同問題:循環血液量減少/肝不全

起こりうる看護問題:疼痛などに伴う苦痛/低換気の恐れ/感染・縫合不全の恐れ/安静や疼痛によるADLの制約

 

 

6患者・家族の心理・社会的側面の把握(術後)

肝切除後は出血リスクが高いため一時的にICU管理下に置かれる。苦痛も強くせん妄をきたしやすい条件にあり、術直後から精神状態の判断と支援が大切である。

また長い療養経験を持つ患者も多いが、術後は特別な注意がいるのではないかと退院に関し不安を抱くことも多いため心理的なサポートも重要である

 

・ICUなどでの集中治療や治療環境及び治療後の苦痛に伴う精神状態の変化

・退院指導の理解の程度(肝庇護、安静、栄養、禁酒など)

 

起こりうる看護問題:術後繊毛による危険行動や身体損傷の恐れ/術後や退院後の新たな療養生活に関する不安/肝臓がんや術後に関連した自尊感情の低下

 

 

 

参考資料:疾患別看護過程