経管栄養患者の胃食道逆流を防ぐ方法

経管栄養中に注入液が逆流したり嘔吐する事が良く問題になります。効果のある逆流防止対策を紹介します。

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経管栄養患者の胃食道逆流を防ぐ方法

①車椅子座位で注入する。

ベッド上でギャッジアップをすると、どうしてもずり落ちて体が水平になったり、腹部を圧迫する姿勢になりがちです。 

そこで思い切って車椅子で注入することをお勧めします。もちろん車椅子乗車可能な患者さんに限りますが、これは大変効果があります。

 

②注入液をグル化する。

トロミ剤を使用したり注入液200ミリリットルに対して寒天約1gを使用してゲル化した注入液を使用することも逆流防止の効果があります。

この場合は注入筒で用手的に注入します。注入速度を早くして500ミリリットルを10分くらいで入れても、多くの患者さんで問題はありません。

キューピー(株)のジャネフという経管栄養剤にはペクチン液が用意されていて、これを注入に先立って入れておくと胃の中でゲル化して胃食道逆流を減少することが知られています。この方法も逆流防止に有効です。

③右下側臥位をとる。

車椅子座位が取れない場合は、ギャッジアップした状態でやや右下の側臥位をとると胃排泄能が向上して逆流が少なくなります。これは解剖学的に胃から十二指腸の方に注入液が流れやすくなるためです。

 

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④蠕動亢進の薬剤を使用する。

ナウゼリン、エリスロシン、アボビスといった消化管の全道を亢進させる薬剤を使用するとともに、全道を抑える薬剤はなるべく使用しないようにしたり、便秘も可能な限り無いようにします。

 

⑤逆流を起こしやすい薬剤の中止。

高血圧の薬としてよく使用されるカルシウム拮抗剤は下部食道括約筋を弛緩しやすくして胃食道逆流を起こしやすくします。可能であれば他の薬剤に変更すると効果的なことがあります。

その他の薬剤としてはデオフイリン、抗ヒスタミン剤、ジアゼバムなども胃食道逆流を起こしやすいものとして知られえいます。

 

⑥チューブを十二指腸まで入れる。

EDチューブなどを用いて、X線透視化でチューブを十二指腸から先、できればトライツの靱帯より先に入れると逆流はほとんど見られなくなります。

ただし、この方法では注入速度を大胆に落とし1~2ℓ/分くらいでしか注入できず、それ以上の速度では、高率に下痢を起こしてしまいます。

 

⑦注入後に30分くらいゆっくり散歩する。

これはADL機能が良くて歩行可能な患者さんに限りますが、歩行することで腸の蠕動が活発になり逆流防止効果は絶大です。輪状咽頭筋切除術などを受けた患者さんによく用いられる方法です。