糖尿病合併症の糖尿病腎症について

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糖尿病合併症の糖尿病腎症

・糖尿病腎症の病気に応じた指導を行う。

・糖尿病腎症の患者は、同時に他の合併症を有することが殆どであり、腎症を含めたすべての合併症に配慮した対応が必要である。

・糖尿病腎症が進行するにつれ、糖尿病のセルフケアから腎保護を優先したセルフケアに変更する必要がある。正しい理解を促すとともにセルフケアの変更に伴う患者の心理状態にも配慮が必要になる。

 

糖尿病腎症生活指導基準とアセスメント・ケア

・糖尿病腎症は病気に応じたケアを行う。

 

第1期(腎症前期)

腎機能が正常な時期である。血糖コントロールを良好に保ち将来の慢性合併症の予防に努める。

・糖尿病に関する基本知識を提供する。

個別指導やア集団指導を通して糖尿病とはどのような病気か、治療法、合併症について説明し糖尿病に関する知識を深めてもらう。

・定期通院(合併症の定期チェック)の必要性を説明する。

糖尿病は自覚症状に乏しく身体的な苦痛が少ないために通院を中断してしまう患者が多くみられる。早期に発見すれば合併症の進行を阻止する治療が可能である。通院を中だアン氏無いように説明する。

・良好な血糖コントロールを維持できるようなセルフケアの確率に向けたケアを行う。

患者の日常生活に対する情報取集を行い、その患者に合った方法でセルフケアが行えるようなアドバイスを行う。

 

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第2期(早期腎症期)

微量アルブミン尿が出現するが、厳格な血糖血圧のコントロールにより改善が可能な時期である。

・微量アルブミン尿の意義を説明しる。

この時期であれば腎機能の悪化を防ぐことが可能世あるが、以後は腎機能の改善が困難になることを説明し、治療への動機づけを高める。

・内服の必要性について説明する。

腎保護の目的が十分に伝わっておらず、自分は血圧が高くないのになぜ内服が必要なのか疑問に思ている患者もいるため、薬の作用を正しく理解しているかを確認する。

 

第3期(顕性腎症期)

糖尿病慢性合併症の予防を目的とした治療から、腎保護を中心とした治療に方向転換していく時期である。

また糖尿病合併症は一般的に神経障害、網膜症、腎症と発症して行く為、腎症第3期以降の患者は、他の合併症を同時に抱えていることが殆どである。

腎症だけでなく他の合併症による身体機能の低下にも考慮したケアが必要である。

・腎症に対する理解を促す。

糖尿病の治療から腎保護を優先とした治療法の変更について説明する。パンフレットなどを使用して腎症に対する理解を促していく。

・食事療法の変更がスムーズにできるような支援を行う。

タンパク制限食に関する基本事項の説明を行い、今までの食習慣に関する情報や把握した患者の問題点を栄養士と情報交換する。

・運動療法に対する支援を行う。

この時期は運動制限が必要になる。今まで血糖コントロールの為に運動療法を積極的に行ってきた患者さんは、運動不足により血糖コントロールが悪くなるのではないかと心配になるため、運動制限の理由を正しく説明する必要がある。

・血糖コントロールについての支援を行う。

厳格な降圧療法が必要になる。至適血圧を目指すことで、腎機能低下を抑制するエビデンスがあるため血圧コントロールの必要性を説明する。

血圧コントロールができない原因として、塩分の過剰摂取や内服忘れなどの患者側に問題がある場合は、患者と共に対策を検討する。

・腎機能の状態に対する患者の受け止め方に合わせた対応を行う。

腎機能の低下について説明していても、あの時そんなに悪いと思っていなかったと話す患者さんは多く、状態を正しく認識していないことがある。

医師からの説明に対する患者の反応を確認し、患者が自分自身の腎機能の状態を正しく認識しているか把握するように努める。正しい認識はセルフケアの取り組み方にも影響すると考えられる。

 

第4期(腎不全期)

さらに厳格な腎症の治療が必要な時期である。腎症の進展を予防しつつ将来の透析療法に備えて準備を始める時期である。

・透析療法の選択を支援する。

腎症第4期は腎機能をできるだけ保持しつつ、透析療法の可能性を見据えた支援が必要である。

透析療法の選択は今後の生活に大きな影響を与える為、決定に時間がかかる場合もあるが、それぞれの一般的な生活スタイルの違い、それぞれのメリットやデメリットの説明を丁寧に行うとともに、透析療法に対する不安を軽減できるよう対応する。

・日常生活の注意点を説明する。

タンパク制限食などのセルフケアを継続していても、他の原因で腎機能を急激に悪化させてしまうことがあるため、透析導入をできるだけ先延ばしにできるよう日常生活の注意点を説明する。

・腎症第3期からのケアを継続する。

食事療法や運動制限がさらに厳格になるが、腎症第3期と同様にセルフケア支援を継続する。

腎症第4期になると利尿薬、リン吸着剤、カリウム吸着剤、エリスロポエチン製剤などと言った使用薬物が増えることから薬物管理がさらに重要になる。

・血糖コントロールについての支援を行う。

第3期第4期以降の血糖管理の基本はインスリン療法であり、インスリン導入に対する指導は必要である。

血糖コントロールが良好でありながらインスリン両方に変更される事に対して不満や疑問を抱きやすい。患者が変更理由を正しく理解しているか確認したうえで指導する。

 

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第5期(透析療法期)

一般的にクレアチニンが8mg/dl以上で透析療法の導入をするが、透析療法の適応基準を満たせば8mg/dl以下でも透析を導入する。

腎症第5期は透析療法を日常生活の一部としてうまく組み込んでいけるようなケアが必要な時期である。

・透析に対する心理的な負担を和らげる。

透析療法の開始時期は過去のセルフケアに対する後悔の念や、敗北感、拒否など様々な感情を持つため、まずは患者の心理状態を受け止め情緒的な安定が図れるような支援が必要である。

・バスキュラーアクセス手術前後のケアを行う。

患者自身にシャント音やスリルの触知を経験してもらい日常のシャント管理の方法や異常時にはすぐに受診することを説明する。

・PDカテーテル挿入前後のケアを行う。

腹膜透析を選択した患者は透析液を出し入れする為腹腔内にPDカテーテルを挿入する必要がある。

腹膜透析管理で獲得すべきものは、透析液の交換方法、PDカテーテルの出口部観察方法やケア方法、異常の対処方法など多岐にわたる。

適切に自己管理しないと出口部感染や腹膜炎の危険があるため十分に説明を行う。

・透析食への変更に対する支援を行う。

血液透析患者の食事はタンパク制限が不要となり糖尿病食と同程度のたんぱく摂取が可能となる。透析食で中心となるのは水分制限と塩分、カリウム、リン制限である。

水分制限がうまく行かない原因として、高血糖による口渇の為水分を過剰に摂取してしまうことがあげられるが、其れだけでなく塩分の過剰摂取による口渇が原因である場合も多い。

・運動療法に対する支援を行う。

透析を始めたことで体調が改善し活動量が増える患者もいるが、糖尿病腎症による透析患者は高齢者が多いことや大血管障害を合併している患者も多いことから、平地歩行のような負荷の少ない軽運動を進める。

・血糖コントロールに対する支援を行う。

透析療法を開始してからも、感染症の予防や他の合併症の重症化の予防、栄養障害の改善などの観点から血糖コントロールは必須である。インスリン排泄が低下することにより、インスリン両方から離脱できる患者もいる。

・自律神経障害の影響を考慮する。

糖尿病腎症による透析患者は高度な自律神経障害を合併する例が多く、生命に危険のある無症候性の心筋梗塞や低血糖を生じることもあり、注意深い観察が必要である。

          参考資料:糖尿病合併症ケアガイド