高血圧・動脈硬化症患者の看護過程アセスメント

アセスメント視点と根拠・起こりうる看護問題

1全身状態の把握

動脈硬化の促進因子の一つである高血圧は、通常自覚症状がないため気づかれにくく、原因不明が9割程度を占め、残りは腎疾患、内分泌性高血圧など原疾患が明らかである。

いずれの場合も高血圧を放置すれば動脈、細動脈が硬化するため心臓、脳、腎臓、眼底など重要臓器に大きな影響を与える。

このため高血圧による動脈硬化を促進しないように、生活習慣の修正と降圧薬内服を継続するように支援すると同時に全身状態を観察する

・第一に高血圧の原因を探索し、本態性高血圧か二次性高血圧かを把握したうえで患者に指導、教育を行うことが重要である

・血圧測定:過程で測定する血圧よりも外来で測定する血圧の方が高い傾向を示す。また血圧は重症度、緊急度、随伴症状の程度を判断する目安の一つである

・検査所見、高血圧の原因を本態性か二次性かを判断するために検査を行う。原発性アルドステロン症では低カリウム血症に伴う狡猾、多飲、多尿がある

共同問題:重要臓器(脳、心臓、腎臓)の障害

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2高血圧症、動脈硬化症に関する既往歴の把握

高血圧症、動脈硬化症は無症状で経過することが多く、動脈狭窄による組織への血流減少のために、突然一時的な意識消失や麻痺、言語障害が発現することがある

・過去に一次的な言語障害や麻痺、意識消失などを体験したことがあるかどうかについて患者家族から情報を得る

・組織の循環血液量による症状の有無を患者家族に確認する

共同問題:重要臓器(脳、心臓、腎臓)の障害

3高血圧の原因と誘因の把握

140/50mmHg異常を高血圧と診断する。本態性高血圧の治療は生活習慣の修正や薬物療法が、二次性高血圧では外科的治療と薬物療法が主体となる

・本態性高血圧は生涯にわたり食事療法、薬物療法を継続していく必要がある

・高血圧を起こしている原因により治療看護が異なるため、高血圧の原因を把握するために情報を収集する

起こりうる看護問題:薬物療法、生活習慣の修正に伴う健康管理行動の実施や定期的な外来受診が困難

4薬物療法の作用副作用の観察

高血圧症、動脈硬化症の治療には薬物療法がおこなわれるが、症状病状の悪化を防ぐため、治療の中心は食事療法や修正された生活習慣を生涯にわたって継続することである

・薬物療法は血圧を適正な値に維持し、合併症や二次障害をきたさないようにするため行われる。このため薬物の内服状況を確認すると同時に血圧を適正値に管理できるように支援する

・長期にわたる降圧薬の服用はめまい、立ちくらみ、脳虚血をおこすことがあるため、降圧薬の作用副作用について患者家族について指導する必要がある

・降圧薬の副作用出現時の対処について指導する

起こりうる看護問題:薬物療法を遵守できない、薬物の副作用症状出現によって、転倒したり身体を損傷する危険性

5食事療法の効果の把握

高血圧は、食事療法の実で血圧を下げることは難しいが、運動療法、薬物療法と併用することで降圧作用が大きくなる

・具体的には食塩制限、野菜や果物の積極的な摂取およびコレステロール・飽和脂肪酸摂取制限、アルコール制限などを行う。また運動療法を行い適正体重の維持を行う

・日常生活習慣の修正は患者家族にとって困難なことが少なくないが食事療法、運動療法、薬物療法が継続するように支援する必要がある

・患者家族に食事療法を中心とした生活習慣の修正に関する指導を行う

・食事療法、生活習慣の修正に関する患者家族の反応を把握する

起こりうる看護問題:食事療法を遵守できない

6患者家族の心理社会的側面の把握

高血圧症、動脈硬化症は重要臓器を障害子生命の危機に直面することがある。生命の危機を脱しても合併症や後遺症をきたすこともある。

原因不明の本態性高血圧では生活習慣の修正を余儀なくされ、状態が悪化すれば入退院を繰り返すため経済的な基礎が不安定になる可能性がある

・患者家族の経済状態についても把握し必要時には社会的サービスが受けられるように情報を提供する必要がある

・疾患治療に関する理解の程度を知り不足があれば補足をする

・薬物療法、食事療法、運動療法に関して家族が協力できることを確認する

起こりうる看護問題:疾患治療に対する知識不足に関連して家族機能が破たんする可能性

高血圧症・動脈硬化症患者の看護計画はこちらです

参考資料:疾患別看護過程