甲状腺機能亢進症(バセドウ病)患者の看護過程アセスメント

アセスメントの視点と根拠・起こりうる看護問題

1全身状態の把握

甲状腺ホルモン分泌過剰によって、循環器系、呼吸器系、消化器系、運動器系、神経系などの症状が全身へ及ぶことが加わることが考えられ、全身状態の観察が必要となる。さらに身体的精神的ストレスが加わると、こうじょうせん

・全身状態の把握

・出現症状によってどのようなADLに支障が出現しているか把握する

・身体的精神的ストレスが加わっている状況にないか把握する

起こりうる看護問題:症状の出現に関連したADLの歩行困難

2症状の出現状況・程度の把握

どのような症状が出現したか、その程度を把握することで日常生活の援助や精神面における援助など看護計画の立案に有効である

(一般症状)

・発熱、易疲労感、甲状腺腫大が一般的にみられる

・甲状腺刺激ホルモン受容体の持続的な刺激によって甲状腺膿疱細胞が増殖し、甲状腺が全体的に軟らかく腫大する。また甲状腺内の血管内皮細胞も増殖し、血管が拡張して血流が増加する

・代謝亢進により発熱、易疲労感が出現する。易疲労っ感が強い場合はADLに支障をきたす

(循環器系の症状)

・交感神経が刺激され、交感神経系の亢進症状として動悸、息切れ、頻脈、不整脈、高血圧、心不全などの循環器系の症状が出現する

・代謝が亢進されることから、酸素消費量も増加する。これらの症状は日常生活の活動耐性を低下させる要因となる。またカテコールアミンへの感受性も高まるため収縮期高血圧をきたす

(神経・筋系の症状)

・神経筋系の亢進により手指振戦が出現する。ADLや書字に支障をきたす

・周期性四肢麻痺は黄色人種の男性患者に出現しやすい。当分の過剰摂取から低カリウム血症となり、四肢麻痺が出現する

(消化器系の症状)

・食欲亢進、体重減少、下痢、肝機能障害などが見られる

・腸管運動が亢進され、食欲亢進や下痢が出現する。代謝亢進のため食欲が更新しているにもかかわらず体重は減少する

(眼症状)

・眼球突出、眼光鋭利、瞬目反射の減少、上眼瞼下降不全などが見られる

(皮膚症状)

・発汗過多、皮膚湿潤などが見られる

・代謝亢進により発汗過多となる。体重減少、頻脈とともに夏季に症状が憎悪する

(精神症状)

・中枢神経系が興奮状態となり、イライラ、怒りっぽい、情動不安、不眠、集中力低下といった症状が出現する

・その他に月経異常が見られる

(バセドウ病)

・典型的な症状・所見として眼球突出、頻脈、甲状腺腫が挙げられる

起こりうる看護問題:症状の出現に関連したADLの歩行困難/代謝亢進、下痢に関連した栄養状態の低下/精神症状や疾患、症状、治療に関連した不安/睡眠障害