痔核患者の看護過程アセスメント

アセスメントの視点と根拠・起こりうる看護問題

1症状と出現状況、程度の把握

出現している症状とその程度によって疾患の進行度がわかり、治療計画、看護計画の治療に有効である

・症状が軽度であれば、食事や運動などの生活の調整や排便方法などの修正だけで、医学的治療を受けずに治癒できる

・一進一退を繰り返し、長く罹患している場合は生活習慣や排便習慣などの修正に時間を要することが予測される

・症状が進行している場合は鎮痛薬を使用し場合によっては外科的治療などが必要となる場合もある

・類似する症状を呈する直腸がんとの鑑別診断を行う

(出血)

・痔核による出血は新鮮血であるため少量であっても鮮やかな血液の色を呈しており、衝撃を与えうる

・出血により下着を汚すため、外出や活動などを控えるなど社会生活に影響を与える可能性がある

・コントロールすることが、不可能な肛門からの出血より、自尊心が低下する可能性がある

共同問題:出血

起こりうる看護問題:今までの生活が送れないことに対する不安/症状出現による活動範囲の縮小/症状出現による役割遂行の困難/今までの生活が送れないことで自尊心が低下する恐れ

(肛門からの痔核の出血)

・痔核が肛門から脱出することで、違和感や疼痛を伴うことがある

・用手的に痔核を戻すことが可能な場合でも、優しく扱わないと痔核を傷つけ出血させたり疼痛を引き起こしたりすることがある。用手的に痔核を戻すことができないと嵌頓痔核になりうっ血や疼痛が著明に成る

・痔核が用手的に戻せない場合は特に肛門首位が便で汚染されることがある。清潔が保持できないと炎症が増強する可能性がある

・痔核の脱出に伴う疼痛や違和感から、排便への恐怖心が生まれる可能性があり、排便を我慢したり便秘を起こす悪循環となる

起こりうる看護問題:痔核による疼痛/今までの生活が送れないことに対する不安/排便への恐怖から便秘になる恐れ/肛門周囲の皮膚の清潔保持の困難

(肛門部の疼痛)

・痛みがあることで生活行動範囲が縮小したり、気分が沈み物事に取り組めなかったりする可能性がある

・痛みがあることで排便への恐怖心が生まれ、恐怖心から排便を我慢し便秘を引き起こし悪循環となる可能性がある

起こりうる看護問題:症状出現による社会生活への影響/今までの生活が送れないことに対する不安/排便への恐怖から便秘になる恐れ

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2排便リズムや便性状、排便行動の把握

排便時に長時間にわたりいきむことが痔核の原因となる。いきみに影響する便性状とともに、排便リズムを把握することで生活習慣を修正するポイントを把握できる

・便の性状が固いとスムーズに便が出にくくいきまないと排便できず、痔核の原因となる

・便意があるにもかかわらずトイレを我慢することで便秘になりやすく排便時にいきまないと排便できず痔核の原因となる

・排便時、長時間トイレにこもりいきみ続けることは痔核の原因になる

・排便後肛門周囲の清潔が保持できないと炎症症状を増強させる

起こりうる看護問題:排便への恐怖から便秘になる恐れ/便秘による症状の進行・悪化/痔核の疼痛/今までの生活が送れないことに対する不安

3食生活の把握

食事内容や食生活は便の性状などに影響し、痔核の出現や悪化に影響するため、食事内容を把握し症状緩和のために修正する

・食物繊維の少ない食事は便量を減少させ硬便の原因となりうる

・食事時間が不規則だったり欠食したりすることで、排便リズムが整わず便秘を起こす可能性がある

・アルコールや香辛料の取りすぎは肛門を刺激して炎症を増強させる

起こりうる看護問題:不適切な食生活による便秘/排便リズムの乱れ

4生活行動の把握

生活行動で肛門への持続した圧迫や腹圧をかける動作などが持続することで、肛門の血流が停滞し、痔核の出現や悪化に影響するため、生活行動を把握し控えたり改める点を指導する必要がある

・常に同一体制でいることにより肛門周囲がうっ血し症状が出現・悪化しやすい

・臀部や下半身が冷えると肛門周囲の血流が悪くなり、症状が出現・悪化しやすい

・排便以外に重い荷物を持ったり息を止めて強い力を出したりなど、腹圧をかける動作をとることが多いと、痔核の原因となる

起こりうる看護問題:不適切な生活行動による症状の出現・悪化

痔核患者の看護計画はこちらです

参考資料:疾患別看護過程