皮膚排泄ケアの注意点

体圧分散、踵部を上げる為に、ふくらはぎの下のみに、クッションを入れることはしない。

踵部をマットレス面から浮かすためにはクッションを用いますが、クッションを入れる位置が重要です。

足首の身に入れると、足部だけでなく下腿部に重量がかかり、クッションを入れたアキレス腱部に圧が集中してしまいます。

下腿にかかる圧力を防ぎ、踵部を浮かすには

①膝関節の過伸展位②膝窩動脈の圧迫に注意します。

膝関節の良肢位は軽度屈曲であり、過伸展位が長くなると痛みを生じます。膝窩にクッションが深く入りすぎると膝窩動脈を圧迫し血流を悪くします。

下肢全体を支える大きめのクッションを用いることが大切です。

褥瘡リスクの高い患者のシーツは、ピンと張らない。

マットレスは身体を沈め生理的な湾曲に順応して接触面積を広げることで、圧力を減少させる圧再分配機能を持っています。

ベッドメイキングをする時にピーンとシーツを張ると、沈む距離が浅く、接触面積が狭くなり骨突出部の圧力が上昇します。(ハンモック現象)

体圧分散マットレスの圧再分配機能を活かすには、シーツをぴんと張らずにゆるめて敷くことが大切です。

バスタオルの素材は伸縮性がないため、沈める機能を妨げ圧力を上昇させる原因にもなります。マットレスの機能を活かすためにはバスタオルを敷かないことが重要です。

褥瘡の創部・創周囲皮膚の洗浄は、生理食塩水でなく水道水で良い。

・褥瘡の創部、創周囲皮膚は水道水で洗浄しても良い。

褥瘡の洗浄は必ずしも生理食塩水を用いる必要はありません。十分な量の洗浄水により創面を洗い流し、清浄化を図ることが大切です。

・褥瘡の創部、創周囲皮膚を洗浄する時のポイント。

真皮層内には神経の末端があり真皮層までの褥瘡の洗浄は痛みを伴いやすいです。痛みがある場合は、洗浄水は微温湯ではなく体液とほぼ等張の生理食塩水の選択が望まれます。

 

下痢の時、頻回に臀部陰部洗浄は行わない。

陰部洗浄は皮膚の汚染を除去するという点では優れています。しかし頻回に実施することにより、かえって皮膚の正常な働きを妨げることが分かっています。皮膚の角質層が損傷・皮膚のバリア機能が破たんすることに繋がります。

・下痢便の洗浄方法。

下痢の時は非アルコール性皮膚被膜剤の塗布により下痢便を直接皮膚に接触させないようにし、皮膚洗浄剤を用いた皮膚洗浄は1日1~2回にとどめます。微温等をかけ流し水分は拭き取るのではなく圧拭して除去します。

・ビラン等で浸出液を伴う場合のケア。

ストーマ用品の粉状皮膚保護剤を散布し、さらに亜鉛化軟膏を皮膚の色が見えなくなるほどの厚さで塗布します。軟膏が剥がれた場合は、剥がれた部分に粉状皮膚保護剤と亜鉛化軟膏を追加して塗布します。

尿道留置カテーテルの固定、男性は必ずしも下腹部固定ではない。

男性の尿道留置カテーテルの固定は、陰茎を上向きにして下腹部に固定すると言われています。然し下腹部にカテーテルを固定することが大腿部の固定よりも、尿道瘻などの障害を少なくするというようなエビデンスはありません。

出来るだけ早く抜去することを目指し、尿道が無理に引っ張られないように固定することが大切です。

尿パットは重ねて使用しない。

重ねることでかえって、身体とおむつの間に隙間が出来て漏れの原因になります。重ねても上の尿パットから下の尿パットまで尿はしみこみません。

重ねて使用することにより圧迫や摩擦係数が上昇し、褥瘡発生の要因になります。

熱傷の水疱は破らない場合も破る場合もある。

熱傷の水疱に対する処置は破れているか破れていないかによって異なります。水疱膜がすでに破れている場合には、バリア機能もなく異物として除去する必要があります。

破れていない場合でも、水疱を破る場合と破らない場合があります。

・水疱を破らない理由は、水疱は外力に対するクッションとして自然のバリアになる、疼痛を緩和させる、水疱駅には創傷治癒を促進させるサイトカイン類が含まれている、などがあります。

・水疱駅を破る理由は、水疱駅は補体や好中球に関して免疫を抑制する為感染リスクを高める、二次的な壊死を促進させる、繊維芽細胞を刺激して瘢痕拘縮を促すなどが挙げられます。

参考資料:今はこうする看護ケア