PEG造設は終末期がん患者さんの適応?

■PEG造設は終末期がん患者さんにも適応がありますか?

がん終末期でも経口摂取困難で経腸栄養を必要とする症例ではPEG造設の対象になります。

生命予後が1か月以上を原則とします。腸閉塞に対する消化管の減圧にも利用できます。

①がん終末期とは

・がん終末期とは生命予後が6カ月以内と考えられる段階です。4期に分けますが治療方針を決定するうえで予後判断は特に重要です。

・前期(6~1か月)

がん疼痛の出現頻度が高く痛みのコントロールが治療の中心になります。

前期の後半には全身倦怠感や食欲不振、消化器症状などが高頻度に出現してきます。

PEGの造設により在宅緩和ケアへの移行が可能になる症例が増えています。

・中期(数週間)

がん特有の全身倦怠感や食欲不振が現れます。

体力は低下し食事、睡眠、移動、排泄などの日常生活に苦痛を感じるようになります。

個々の患者さんに合わせた栄養管理が必要ですが、その成否は悪液質の程度によります。

・後期(数日)

生活空間がベッド上となり衰弱が著明となります。寝返りや体動がつらくなり安静ポジションの工夫が大切です。

嚥下困難になり内服は難しくせん妄が高頻度に出現します。

この時期の栄養管理は無意味になります。

・死亡直前期(数時間)

死が切迫しほとんど意識がない状態です。死前喘鳴が現れてきて、非言語的コミュニケーションが求められます。

 

②緩和ケア。

・がん医療はがんの進行に伴い抗がん治療から緩和ケアに徐々に移行していきます。

終末期のPEG造設もQOLの改善を目的とします。

③PEG造設の適応。

・がん終末期のPEG造設は患者さんの自己決定が特に大切な要件となります。

低栄養な消化管内圧の亢進、腹水などが認められるとき、胃壁と腹壁の固定が推奨されます。

・がん終末期までがPEG造設の適応となり、経口摂取が困難で経腸栄養を必要とする症例、消化管の減圧を必要とする症例が対象です。

④悪液質。

・悪性腫瘍の進行に伴って、栄養摂取の低下では十分に説明されない羸痩、体脂肪や筋肉量の減少が起こる状態を悪液質と言います。

食欲不振や浮腫、体液貯留などが現れてきます。

悪液質による栄養障害を改善することは困難です。

がん終末期では悪液質の程度を考慮し、投与時期や投与内容を個々に合わせた栄養管理が望まれます。

⑤PEG造設とワンポイントアドバイス。

生命予後が1か月以内になると悪液質による症状が現れます。

この時期、栄養障害を改善させることは困難で、栄養管理は現状を憎悪させない事を目標にすべきです。

QOLを配慮した緩和ケアが優先されます。

参考資料:徹底ガイド胃瘻管理Q&A。