NSTの活動の効果

NSTの活動の効果は?

①栄養療法の適正化による中心静脈栄養の減少と経口・経腸栄養の増加。

②カテーテル敗血症などの合併症の減少。

③院内感染をはじめとする感染症の予防とそれに伴う抗生剤使用量の激減。

④褥瘡発生率の減少。

⑤地域一体型NSTによる地域医療連携の強化。

⑥医療安全管理体制の確立。

⑦平均在院日数の無理のない短縮。

⑧医療費の削減と病院経営の改善などがあります。

NSTの目的

①症例個々に応じた適切な栄養管理法の選択とその実施。

②適切かつ質の高い栄養管理の提供。

③早期栄養障害の発見と早期栄養療法の開始。

④栄養療法による合併症の予防。

⑤疾病罹患率・死亡率の減少。

⑥病院スタッフのレベルアップ。

⑦医療安全管理の確率とリスクの回避。

⑧栄養素材・資材の適正使用による経費削減。

⑨在院日数の短縮と入院費の節減。

⑩在宅治療症例の再入院や重症化の抑制などがあります。

NSTの役割

①栄養管理が必要か否かの判定(栄養アセスメント施行)

②適切な栄養管理がなされているかチェック。

③最もふさわしい栄養管理法の提言。

④栄養管理に伴う合併症の予防・早期発見・治療。

⑤栄養管理上の疑問点(コンサルテーションに答える)

⑥新しい技術の紹介や提言。

⑦栄養療法の評価・効果判定などがある。

NSTの活動と効果

わが国でもNST活動概要や効果に関する報告が続々なされるようになってきたが、最も画期的な効果を上げている鷲尾総合病院NSTの活動状況とその効果を見ると

①中心静脈栄養の減少(年間650件から454件に)経口経腸栄養の増加。

②カテーテル敗血症の激減(年間4,9から0,9%に)

③院内感染の撲滅(MRSA検出量の減少、抗菌剤使用量の激減)

④院内全細菌感染症の減少。

⑤高齢者褥瘡発生率の減少(14,9から3パーセントに)

⑥地域一体型NSTによる地域医療連携の強化(病院内外での段差のない栄養療法の実施、PEGを含む胃瘻や腸瘻造設患者の施設受け入れ態勢の完備)

⑦医療安全管理体制の確立。

⑧平均在院日数の短縮。

⑨著しい経済的効果

NSTのワンポイントアドバイス

栄養管理はすべての疾患治療の基本であり、これをおろそかにするといかなる治療も無効となるだけでなく、時に栄養障害に伴う種々の合併症をきたすこともあります。

NSTはこのような栄養障害を改善するとともにできる限り栄養障害の発生を予防して種々の合併疾患の発症を抑制します。

その結果たとえリスクの高い高齢者と言えども無理なく早期退院が可能になります。

栄養サポートチーム(NST)って何?

・NSTの誕生は1968年の中心静脈栄養(TPN)の開発に発端があります。

TPNの普及発展と共に医師、薬剤師、看護師、栄養評価を行う管理栄養士などの栄養管理集団結成がNSTの始まりだったと考えられます。

我が国のNST

・我が国におけるTPNの導入も米国に劣らず早期に行われましたが、それ御管理実践するための専門チームNSTの普及までは至りませんでした。

・その理由は

①我が国の医療社会が縦型であり、各職種や各診療科の間に大きな壁が存在し、チーム医療体制の構築が困難だった。

②欧米におけるNSTの運営システムが専属チーム体制であったことが挙げられます。

・1998年我が国の医療状況に即した新しいNSTの運営システムが考案され、これを機にわが国にも本格的な全科型NSTが次々と設立されるようになりました。

・我が国のNSTは2001年には数施設の設立にすぎなかったが、2005年には355施設に設立され、さらに300以上の施設で稼働準備が行われました。

我が国のNSTの特徴

・欧米のNSTはTPNを中心に発展普及しました。

わが国はTPNを中心とする中心静脈栄養にとどまらず、経腸栄養や経口栄養にまで及び、これら栄養療法を一貫した形で管理しています。

・これはわが国独自のものであり、栄養管理を基盤にした少子高齢化対策にもつながるものと認識されつつあります。

NSTの運営システム

専属型NST

・欧米のNSTは栄養管理を専属に行う独立したチームであり、専門の医師看護師薬剤師栄養士ら5~10名が施設内の栄養管理を一手に担い活動をしています。

兼業兼務型NST

・1998年我が国の実情に対応したNST運営の新しいシステムとしてPPM(兼業兼務システム)が考案されました。

・PPMとは、少しづつだが各部署から人・知恵・力を持ち寄ってNSTなどのチーム医療を運営する日本独自の新しいシステムです。

NSTの機構図

・NSTは職種の壁を超えたチーム医療であり、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、臨床検査技師、医療事務員、リハビリスタッフなど他職種のメンバーで組織されています。

NSTのワンポイントアドバイス

我が国に普及しているNSTの特徴は、軽静脈栄養から経腸栄養、経口栄養までの一貫した栄養療法を実施していることです。

これはわが国独自のものであり、栄養管理を基盤にした少子高齢化対策にもつながるものとされています。まずはNSTのメンバーとしてこのチーム医療に積極的に参加しましょう。

参考資料:全科に必要な栄養管理Q&A